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ゲームの作り方変わる? RenderWare Studio体験
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2004年9月6日 |
クライテリオン・ソフトウェアの「RenderWare」は,ゲーム業界で最も使われていると思われる総合ミドルウェア。最近はPS2ベースのアーケードゲームにも使われている。
その「RenderWare」ファミリーに新しいシリーズ「RenderWare Studio」が登場,今回のCEDECではなんと毎日2コマ(計6コマ!)のハンズオンセミナー「かつてないゲーム開発環境の体験」を行っている。今回はクライテリオンのご好意により,実際に試しながら取材をさせて頂けた。
さて,この「RenderWare Studio」は,“ゲームデザイン構築ツール”というべきもので,画面にアセット(主にグラフィックデータ・アニメーションデータ)を配置し,そのアセットにビヘイビア(プログラムコード)を入れて,パラメータを設定することでゲームの雛形ができてしまうというもの。
これの最も凄いところは,実機(開発機材)をつないでプレイすることができ,PC上でパラメータなどを調整すると,その場で即時で実機に反映するというものだ。「即時反映」なので,時間のかかるコンパイルは不要である。従来はパラメータの調整はソースを書き直してコンパイルして……とやっていたものが,簡単にできてしまうのである。
今回のセッションでは,バーンアウ○ばりのレースゲーム……じゃなくて,宇宙人が犬,しかもクライテリオンのマスコット・スキッツを爆弾でやっつけるゲーム……,っていいのか? コレ。
アセットやビヘイビアは既に構築済みなので,キャラクターのアセットをゲームエリア(ゲームフレームワークと呼ぶ)に置くだけで,隣の画面にキャラクターが登場し,アニメーションのアセットをキャラクターに設定するだけで,隣の画面のキャラクターが動き出すという,本当に簡単な操作でゲームの雛形ができる。あとは,ビヘイビアを設定してやればゲームとしての形が出来上がる。その時間は説明つきで60分! 爆弾の爆破時間や設置個数といったパラメータもPC上で調整すれば即時で反映される。
ゲームデザイナーはこれでプロトタイプを作り,新しいコードやデータが出来次第入れ替えることでゲームを作り上げていくことができるのは,今までのゲームの作り方とは違うところだ。いわゆるプロトタイプツールというのは今までもあったのだが,ミドルウェアと結合して,これ単体で完成したゲームまで開発できるのはこれが多分初めてだ。
また,「RenderWare Studio GenrePack 1」を使えば,最近流行の物理演算を用いたリアルな物体の挙動と高度なA.I.を使った敵キャラを採用したFPSを簡単に作ることが可能だ。
要はプログラマーの負担を下げつつ,ゲームデザイナーやアーティストが自由にゲームの形を作り上げていける開発ツール,というものだ。将来的にはEAなどのツールと結合してより使いやすくなることも予想される。このセッションは会期中毎日開催されるので,興味のある参加者の方々はぜひ参加して欲しい。
[SOFTBANK GAMES]
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