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CEDECでナムコ岩谷氏「開発者は外へ出よう!!」
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2004年9月8日 |
「CEDEC 2004」の初日となった9月6日,最も人気となったセッションは,ナムコの岩谷徹氏による「遊び学に基づいた面白いゲームの開発手法」。
壇上に立った岩谷氏は,昨年同様,20代〜30代を中心とした受講者を前に,「テニスゲーム」「スペースウォー」「ポン」などビデオゲームの歴史を紹介。「ファッションや映画などでも過去作品の研究が必要。ゲーム開発も過去の流れを理解することで,未来を創造できる」と岩谷氏。どんな機能がどの時代にトレンドだったかなど,分かりやすいゲーム史の解説が続く。
また,「パックマン」が女性(ひいてはカップルや家族連れ)をターゲットにしたことについても,今年も語られた。「“動詞”がゲームシステムのポイント。女性が好きな“食べる”がパックマンを生んだのと同様,“囲む”がリブルラブルとなった。ナムコに限らず,ほかにも“走る”“飛ぶ”“叩く”など,今もゲームの基本になっている」と,岩谷氏。集まった開発者たちも思わず頷く。
パックマンのモンスター4匹が,それぞれ異なったパターンでパックマンを追いかけると面白い,と思いつき,実際にプログラマーにアルゴリズムを組んでもらったことを懐かしそうに語り,「自分のイメージをいかにほかのスタッフに伝えられるかも重要」(岩谷氏)と話した。
ほかにも岩谷氏は,LEDやVR技術,AIなど,周辺応用技術をいかにゲーム開発に取り込んでいけるが大切と話す。また,RPGの基礎になった人気タイトルがゲーム会社以外の人間が作ったことでも分かるように,外の人間からの意見を取り入れることも大切であるとしている。
特に注目されたのは,「プレイヤーは楽しさを求めているのであって,難しいことを歓迎しているわけではない」と,最近の難しいゲームについてコメントしていたこと。この辺りのニーズのズレを埋めるのは,開発者が人を観察することだという。岩谷氏は,「PCの前でキーボードをうっているだけの毎日では,ユーザーが何を求めているのか分からない。開発者は外へ出よう!!」と話した。
ここで昨年同様エスカレーターを乗り降りする人を映したVTR,そして数日前に撮影した信号が写った画像を流し,会場の受講者に「これを見て何か気が付いたことは?」と問う。ここでどれだけ観察できるかが,ゲームの開発にもつながる,というわけだ。さすが会場に集まったクリエイターたち,色んな意見が出た。中には面白い着眼点のものもあったが,その度に頷く岩谷氏。受講者も大いに参考になったセッションとなったはずだ。
[SOFTBANK GAMES]
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