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ICOチームが創る完全新作「ワンダと巨像」詳細
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2004年9月10日 |
ソニー・コンピュータエンタテインメントは本日（9月10日），プレイステーション2用「ワンダと巨像」制作発表会を開催した。
このソフトは，少女の手を引いて霧の城を脱出する人気アクションゲーム「ICO」の制作チームが創る，約3年ぶりの完全新作。
「ワンダと巨像」の主人公は，魂を失った少女を抱えたある若者。駿馬に乗った若者は，幾夜も走り続け，ある荒野の祠に辿り着く。
祠の祭壇に少女の亡骸を寝かせると，雷鳴とともに天の声が響き渡り，若者に蘇生術を語った。――この地に棲む，すべての巨像を倒さねばならない。その身を顧みず，すべての巨像を倒したとき，少女は目覚める――と。
ゲーム自体はICOと同じく，特別な武器を持たない少年がとにかく敵に立ち向かうものだ。しかし，等身大の敵と戦うICOと違い，「ワンダ〜」の敵はとにかく巨大。敵にしがみつき，敵の腕を登り，振り切られながらも急所を狙って攻撃し続ける……といったアクションが楽しめる。
発表会にはSCEJ第1制作部のプロデューサー・海道賢仁氏，同ディレクター／ゲームデザイナー／アートディレクターの上田文人氏が登壇し，注目の新作を紹介した。
■ICOが静なら「ワンダ」は動――新作を創るまでの道のり
「ICO制作が終了し，普通だと続編，という話になるでしょう？ でもICOは世界的にも，お話的にも非常にきれいにまとまった作品で，ぼくとしても『ユーザーは本当に続編を求めているのか？』という気分になった。そこで新しいことをやろう，ということになった」。
発表会がスタートして開口一番こう語ったのはプロデューサーの海道氏。ICOの開発が終了したあと，いろいろ考えた末に新作の制作を決意したことを伺わせた。
上田氏も「ICOは静かなゲームだったので，その反動で激しいものをつくりたくなったのかもしれない。“ゲームの中でヒーローとして敵を倒す”感覚をもう少し突き詰めたかった」という。ICOとの違いを出すため，「ワンダ〜」の制作は最終的な世界観を表現するパイロットムービーの制作から始まったそうだ。
■巨大な敵と戦う怖さを――唯一の敵・巨像の制作コンセプト
こうして制作されている「ワンダと巨像」で敵となるのは，主人公の何十倍もの高さがありそうな巨像だ。巨像とは封印されている古の住人で，主人公に接することで動き出し，襲いかかってくる。
巨像は基本的に「古えの地に封印されている住人」（上田氏）。巨像には人型，空を飛ぶもの，水中に潜むものなどさまざまなタイプがいるが，いずれも巨大な体を誇る。その武器を振り下ろせば土埃が舞い，岩片が若者に襲いかかる。
攻略の仕方は基本的に同じでR1ボタンでしがみつき，体をよじのぼって急所を探して攻撃する。のぼられた巨像は，体を大きく揺すり，若者を振り落とそうとする。ムービーで見るとこの動きが非常に見事で，まるで本当に巨像が意志を持って動いているように見える。
上田氏によると「ワンダ〜」で一番気を使っているのがこの点。「ぼくらは“変形ポジション”と呼んでいますが，ワンダでは体につかまった時の主人公のリアクションに注力して作り込んでいます」。
またこの点について「巨像の体を一種のフィールドとして考えている。その体が四六時中動くことで，新しいゲーム性，プレイ感覚を生み出していきたい」ともコメント。「根本的なソウル，根幹部分はICOと変わらないが，『ワンダ〜』では巨大な敵と戦いを楽しんでもらいたい」（海道氏）とファンにメッセージを贈っている。
■「ワンダ〜」の世界は？プロデューサーが語るそのほかのキーワード
このほかにも，海道氏からは，「ワンダの巨像」の世界を探るキーワードが語られた。こちらではその一部を紹介しよう。
・古えの地……「人の世界から断絶された封印された地。少女と主人公，そして愛馬しかいない世界です。廃墟みたいな感じですね。」
・馬……「主人公の相棒で，戦闘をサポートしてくれます，自分で知能を持っているので，崖から落ちたり，木から落ちたりもしない，セミオートな乗り物として扱っています。プレイヤーが戦闘に注力することができます。」
・魂を失った少女……「若者にとってはかけがえのない存在です。ICOと同じく，ゲーム内ではその設定は語られませんが……みなさんの想像におまかせします，といった感じです。」
発表会の会場では，「ワンダと巨像」の壮大な音楽もオーケストラ形式で披露され，来場した関係者たちを魅了した。「もう一度きみにあうために，僕らは戦う。」というコピーにこめられた制作者の想いが形になるまで，もう少し待っていよう。
[SOFTBANK GAMES]
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