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富野氏「劇場版ZガンダムはTVと180度違う作品」
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2004年10月18日 |
“東京国際ファンタステック映画祭2004”の一環として,2005年5月に公開が予定されている劇場アニメ映画「機動戦士Zガンダム-星を継ぐ者-」のワールドプレミアが開催された。
来年TV放映から20周年を迎える「機動戦士Zガンダム」。業界内では以前より映画化の噂は漏れ聞こえていた話題の映像がついに公開されることになった。
前売り券は即日完売となり,上映前から大きな話題となっていたが,上映が行われる新宿ミラノ座前広場には,前売り券を手にした幸運なファンが朝早くから長蛇の列を作っていたのだ。
満員となった会場では,上映に先立ち,ガンダムシリーズの生みの親,制作総指揮を担当する富野由悠季氏(総監督)をはじめ,アムロ・レイ役の古谷徹氏,クワトロ・バジーナ(シャア)役で,現在放映中のガンダムSEED DESTINYにも出演されている池田秀一氏,そして主人公カミーユ・ビダン役の飛田展男氏がステージに登場。集まったファンから大きな声援が送られた。
ステージに現れた富野監督は「お互いに年をとりました(笑),制作当初に比べ自分がイヤになっているほど中身が悪くないと気づきました」とコメント。また,「みんなが思っているZガンダムとはちょっと違うかもしれないが,新しい解釈を取り入れたZガンダムをぜひ読みとって欲しい。来年の公開に向け,願いを込めて,スタッフ一同良いアニメ映画を作ろうと頑張っているので,応援して欲しい」と挨拶すると,会場からは大きな拍手が送られた。
クワトロ役の池田氏は,「Zに関してはこの20年間何もしていないので,劇場版に参加できて嬉しい。良い作品に仕上がっているので2部3部も頑張っていきたい」と語った。
続いて挨拶した主人公・カミーユ役の飛田氏は,2日間にかけアフレコに参加したときのことを語り,「TVシリーズのカミーユだと思って安穏として演じたらとんでも無いことになるぞと監督に言われ(笑),初めての役を演じるつもりでアフレコに臨んだ」という。
「脇役のアムロ・レイをやらせてもらいました古谷徹です」と持ち前のファンサービストークで挨拶した古谷氏。「ファーストガンダムはここ数年何度も同じ台詞をやる機会があり,25年間『ぶったね』と言い続けてきしたが,Zはあまりやり直す機会が無かったので,今回劇場版という機会があって本当に嬉しい」と笑顔で語った。
さらに,「今回は主役じゃないので気が楽でした」などのジョークを連発し,集まったファンに大ウケだったのだ。
またステージでは,富野監督の希望により,ロックシンガーのGackt氏がオープニング,エンディングを手がけることなどが発表されている。
続いて行われた劇場外,野外ステージでの質疑応答に望んだ監督と声優陣は集まった報道関係者を前にそれぞれの思いを語ってくれた。
ここでも池田氏は,「20年ぶりのZガンダム,新鮮で懐かしくとても良い物に仕上がったと自信を持ってオススメできる」としたほか,飛田氏も「お芝居の再演と同じで初めての作品を演じるよりパワーを求められるので,心して作品に臨んだ」と,ともに期待させてくれるコメントをくれたのだ。上映が楽しみ!!
また,ファーストガンダムよりストーリー上7年の時を経て,大人のアムロ役を演じた古谷氏は,「TV当時は途中参加といった形で参加した作品なので,当時はストーリーも良くわからない部分もあって,手探り状態で終わってしまった。今回の劇場版は全くの新作としてアフレコに臨んだ」とのこと。新作カットも,「監督のご厚意により(笑)」,アムロ関係が多く嬉しかったという。
富野監督によれば,「機動戦士Zガンダム-星を継ぐ者-」には全体の3分の1ほど新作カットが投入されたという。「カット数は少ないが, 1カット当たりが長いこともあり,旧作のイメージがかなり薄まっている感じがあるかもしれない」(富野氏)。
最後に富野氏は,「当時あった物語の悲劇性を抜いた結果180度違った作品になったと思う。当時中高生で,今はお父さん,お母さんになった人たちがお子さんに見せても大丈夫な作品になった」と,3部作に賭ける意気込みを語った。
一般公開は2005年5月となる劇場映画「機動戦士Zガンダム-星を継ぐ者-」。上映まではしばらく待たなければならないが,今なお衰えることのない人気作品が,どう生まれ変わっているのか,期待しつつ公開を待ちたい。
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