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ガイナックス,韓国アニメ「ワンダフルデイズ」を配給
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2004年10月29日 |
ガイナックスは本日(10月29日),六本木ヒルズで開催中の東京国際映画祭にて,劇場アニメ作品「ワンダフルデイズ」の記者発表会を開催した。
「ワンダフルデイズ」は,韓国で5年の歳月をかけて制作されたアニメーション映画。この映画をガイナックスが日本に向けて“ローカライズ”し,配給を行うことになる。
舞台となるのは西暦2142年,地球が常に厚い雲に覆われている時代。大気汚染にさらされ,エネルギー不足に悩みながらも人々は争うことはやめられない。この世界でも,選ばれた者たちの都市エコバンと,エコバンに住むことを拒否された者たちの町マールとの生存をかけた争いが激化の一途を辿っていた。
そのマールに,一人の青年スハがいた。かつてエコバンで暮らしていたが,友人シモンの策略に遭い,街を追われたのだ。ある時スハはエコバンへの潜入に成功,心臓部に到達する。しかしそこで出会ったのは,「いつか青い空を見せてやる」と約束した恋人,ジェイだった――というストーリー。
プロデューサーをガイナックス取締役総括本部長である武田康廣氏,日本語脚本・演出をガイナックス代表取締役の山賀博之氏が務めていることからも,ガイナックスの“本気度”が伺える。本日開催された発表会には,武田氏,山賀氏をはじめ,監督のキム・ムンセン氏,音楽のウォン・イル氏ほか,同作品に声優として主演する山寺宏一氏,真田アサミ氏,横堀悦夫氏,パク・トンハ氏も姿を見せ,「ワンダフルデイズ」の魅力を語った。
まず冒頭で武田氏は「ワンダフルデイズ」の出会いについて,「韓国で行われた展示会で短い映像を見たのですが,見た瞬間,思わず立ち止まってしまい,惚れ込んだ」と話す。
注目の映像は,3Dと2Dが融合した,CGともアニメ映像とも付かない不思議な雰囲気を醸し出したもの。会場で流されたプロモーション映像を見た観客からも,その美しさにため息がもれるほどだ。
その映像を作ったのは,今までCMやドラマなどで“実物”と“アニメ”など,異なる素材を混ぜ合わせて映像を制作してきたキム氏。いわば「ワンダフルデイズ」は,キム氏がいままでやってきた仕事の集大成のようなものだという。
映像制作に費やした費用は13億円。「主人公たちが“生きている”空間を作りたかった」という願いから,CGに合成するためにミニチュア制作からスタートした。「軽くない,重量感のあるCGを目指した」というCGは,見事に世界にマッチしている。
これだけ書くと,「肝心のストーリーは?」と疑ってしまう人が多いかもしれない。この点については声優陣から,「見終わった後にホッとできるいい作品です」(真田氏),「単純に分かりやすい。セリフを言い終わった後の余韻みたいなものもあって,感動でできる」(横堀氏)と絶賛する声があがっていたことからも,作品のストーリーもかなりいいものに仕上がっているようだ。
ちなみにこの作品をだれに見てもらいたいか?という問いの答えは,以下の通り。劇場公開は日韓国交正常化40周年の年である2005年春を予定している。
生きることについて悩んでいる人(キム氏) 自分の夢を探そう,と思っている人(武田氏) 青少年,または女子中学生や高校生(山賀氏) 自分自身の世界を探そうとしている人(ウォン氏) 女性の方に(真田さん) 影響力のある人(笑)……じゃなくて,愛にさまよう人(山寺氏) 疲れている人に(横堀) 美しい空があることを忘れた,文句ばかりを言う人に(パク氏)
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