【 鉄人28号 】
「立て! 鉄人!!」ふと気がつくと私は口の中で小さくそう叫んでしまっていた。「鉄人28号」はなかなかその気にさせてくれるゲームだったのだ。
鉄人28号といえば故横山光輝氏が1956年に漫画として世に送り出した,巨大ロボットヒーローの原点ともいえる作品だ。
当時,月刊誌『少年』で連載されていた鉄人28号は瞬く間に日本の子供達の心をつかみ,その後59年にラジオドラマ,60年に実写版のTVドラマとして放映され,子供だけでなく大人達にも受け入れられていった。
そして1963年,TVでアニメがシリーズ放送できる環境が揃った時代,全84話という長大なシリーズとして鉄人28号はアニメ作品として世に現れ,日本国民を熱狂させたのである。その後も鉄人28号はリメイクを重ね,現在は4代目となるアニメ作品が放映中だ。
鉄人28号のゲーム化は時代の流れの中,なるべくしてなったと言えよう。
■ストーリーモードからいきなり始めてもちゃんとチュートリアルがあるので問題なしだ
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■鉄人たちに破壊されるのを待つ町並み……いや,それじゃいかんのだけどね
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さて,お堅い話はこれぐらいにして今回発売される「鉄人28号」だ。まあ,筆者はかなりの年なわけで,恐らく再々々々々放送ぐらいで初代アニメ版の鉄人28号を観た記憶がおぼろげにある。
筆者の子供時代は夏休みになると午前の早い時間に昔のアニメを連日ドーンと放映していたのだ。
そんな筆者であるからして,「鉄人28号」という名前を耳にすると郷愁,いわゆるノスタルジーってやつに浸ってしまうわけである。今回のPS2版「鉄人28号」は,そのノスタルジックな記憶の中にある初代鉄人をフィーチャーした4代目の鉄人をベースにしている。
■昭和30年ごろの町並み,そこで暴れる鉄人達。看板が目に入った瞬間,私の頭は一気に少年の頃にぶっ飛んだのであった
オープニングが始まり“あの”テーマソングが流れてくると一瞬のうちに頭の中がフラッシュバックし,ムービーの中で描かれる町並みが目頭を熱くする。
“ノザキのコンビーフ”や“ボンカレー”の看板が画面に映った時点でもう感極まる筆者であった。
そんな昭和の戦後10年の町並みを舞台に戦う鉄人の雄姿。この町並みはOPムービーだけではなく,ゲームの中でも見事に再現されており,ドキュメンタリーなどでしか知らないが,戦後の高度成長期の日本そのままだと感じた。
さて,オープニングが終わってゲームへと入る。ゲームのメインは「ストーリーモード」なわけで,迷わずそこから始めてみた。
第1話が始まり,ストーリーが進む。半ズボンのスーツにハイソックスという,今ではまず見られないファッションに身を包む少年探偵・正太郎君の登場に(筆者の頭の中で)わき上がる歓声。そしていよいよ鉄人を操作する。
■ゲーム中の宿敵X団との最初の接触。まずは小手調べだ。
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■鉄人を呼んではみたが,目の前に到着。踏まれそうでこえぇ〜!
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■鉄人,大きすぎて顔まで見えません! これ,操縦するですか!?
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第3話まではチュートリアルの要素があるので,それほど激しい戦いではない。というかむしろ楽勝で,鉄人の強さは圧倒的だ。しかし,ストーリーが進むとかなり苦戦するはず。しかも難易度は5段階を選べるのでやり込み度もタップリだ。
このストーリーモードは20話以上で構成されているのだが,各話とも様々な趣向が凝らされており,次へ進むのが楽しみになる。ついつい次へ行きたいばかりにムキになってプレイしてしまうのだ。 次のページへ
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※画面写真は開発中の為,実際の製品とは異なる場合があります。
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