スペックを語るSCE、ラインアップを語るMicrosoft:語り尽くせない「E3 2005」――締めくくりの座談会 その1(2/2 ページ)
早いもので「E3 2005」が終わってから10日あまり。そこで最後に、記事にできなかった話を織り交ぜつつE3 2005を総括してみましたが、なんか長くなったので4回にわたって掲載っ!
スペックを語るSCE、ラインアップを語るMicrosoft
記者K 今回のE3で印象に残ったことってありますか?
ライターA 5月17日に行われたスクウェア・エニックスのカンファレンスには初めて出たんですが、なんか静かでしたね。
記者K まあ日本のプレス向けという感じで、雰囲気は日本の発表会と変わらなかったですね。それに後から考えると、各ハードの発表会で、「ファイナルファンタジーVII」のテックデモとか、Xbox 360での「ファイナルファンタジーXI」とか発表してるんで、あのときは何も言えなかった、というのもあるでしょう。
記者I スクウェア・エニックスの次に行ったのはSCEA。ずいぶんと印象が違いました。会場には人があふれてるし、プレイステーション 3が登場したときは歓声が上がるし。
記者K 次世代機の発表があることが分かってるんで、来場者も多いですからね。
なんて言うか、SCEAの発表会は“ああアメリカなんだなあ”って思いました。日本って関係ないなと。カンファレンスも通訳がなくて英語だけだし。
ライターB SCEAのカンファレンスは、ソフト戦略と言うよりもハードウェアの話が中心でしたね。
ライターA SCEAのカンファレンスを見て思ったのは、Xbox発表当時のMicrosoftカンファレンス。その時にハードウェアスペックの話ばっかり言っていたのを思い出したんですよ。当時のSCEAは、スペックよりもラインアップが大事ですよ、と言って、ラインアップ中心の発表をやっていたんですね。
今回はそれが逆転していて、SCEAがハードスペック中心だったのに対して、Microsoftはラインアップをこれだけ用意したよ、という発表会だった。
Xbox 360を発表する、Microsoftバイスプレジデント兼チーフXNAアーキテクトのJ・アラード氏、シニアバイスプレジデントのロビー・バック氏、バイスプレジデントのピーター・ムーア氏(左より)
ライターB ただ各社共に、カンファレンスでは新ハードについての考察が多くて、従来機のラインアップを見せていなかったのが、なんとなくみんな慌ててるのかな、という感じを受けました。
どのハードも発表されてから5年〜6年たっているので、ソフトウェア側もハードウェアの機能を使い切っていて、本来ならば収穫期なはずなんですよ。できのいいゲームがそろっているにもかかわらず、カンファレンスではほとんど紹介されてなかったですよね。強いて言えば「ゼルダの伝説」くらいでしょうか。
ライターA いや、Microsoftのカンファレンスでは、Xboxのタイトルをいっぱい紹介してましたよ。だから目立ったのはSCEAのカンファレンスかな。ほとんどがプレイステーション 3の話だったし。
あと、タイトルが紹介されていましたけど、デモで紹介されたゲームの映像はプリレンダリング(あらかじめレンダリングを施してある)が多かったという話なので、どうかなと。きれいですごかったんだけど、あの画像が実際にプレイステーション 3で動くとは思えないんですよ。「グランツーリスモ」のプレイステーション 3版とも言える「Vision GT」とか出たけど、実画面であのクオリティは難しいでしょう(注)。
プレイステーション 2の発表会でも同じような映像を発表しているんですけど、結局ゲームではその画像が実現できてない。プリレンダリングのムービーでは作れるけど、実際のゲーム画面で、発表したときのムービーと同じクオリティの画像が出るかというと、まだないんですよね。
ライターA Microsoftは正直にやりすぎ、という感じがありますね。ちょっとくらいハッタリかませよ、という。
記者K ある意味、見てる方は「あーこれだけすごいんだー」で過ぎちゃうので、ハッタリかましたほうがいいと思うんですよ。戦略的には。
ライターB ただ、開発機材で動いていたとはいえ、Xbox 360はすごかったですね。ゲーム自体は。
ライターA 聞くところによると、あのデモ機は実機の30%のパフォーマンスで動いていたようなんですよ。ゲームはアンチエイリアシング(ドット感をなくしてなめらかにする機能)がかかってない状態だったらしくて、かけるとまだ動作的に厳しいらしい……。
でも、アンチエイリアシングがかかってない状態で、あのクオリティはすごいですよ。最終的にはもっとクオリティは上がると思いますよ。
ライターB わたしはあのXbox 360の試遊台のところで見た、まだアンチエイリアシングがかかってなくてシャープな、こう、ドットが乗ったような画面も嫌いじゃないんですけど、あれからアンチエイリアシングをかけた、なめらかな状態ってのは、これまでのゲームでは達成できてないじゃないですか。その辺を見たいなと思いますね。
中途半端なアンチエイリアシングだと、画面がぼやっとした感じになるので、そうじゃなくて、シャープなところはシャープに、ぼかすところはぼかして、というゲームが。
何となく盛り上がってきた座談会だが、今日はここまで。次回「次世代機のコントローラーはどう変わる? どう変わった?」に続く!
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.