お前のものはオレのもの。オレのものは民のもの――愉快、痛快、爽快の義賊活劇、ここに開幕:「神業−KAMIWAZA−」レビュー(2/2 ページ)
「天誅」や「忍道」などの時代劇アクションゲームには定評のあるアクワイアから、痛快泥棒アクションゲーム「神業−KAMIWAZA−」が登場した。泥棒アクションという聞きなれないジャンルだが、果たしてそのデキやいかに?
神業の盗みテクニック 参之段「逃げて換金する」
盗んだ後も気は抜けない。帰り道に出会う町人に騒がれれば、たちまち御用となってしまうからだ。ここは忍び込んだ時同様、ジャストステルスを駆使して帰ろう。盗んだ品物は、換金するか民に分けるかの2択になっている。お金が欲しければ、盗人之湯の換金楼に設置されている換金箱、民に分け与えたいならば、自宅のある零村(こぼれむら)の民箱に風呂敷を投入することになる。
ちなみに民に分け与えた場合、当然のことながらお金は一切手に入らない。筆者は何も考えずに民に還元しまくっていたので、気がつくとお金が底をついて、アイテムが何も買えない状態になっていた。盗みができなくなっては元も子もないので、ある程度は自分の懐を暖かくすることも考えたほうが良さそうだ。
盗みの道は“茨の道”
忍び込んで盗み、民に分け与える。このループが順調に続いてこともあり、油断が生まれてしまったのか、なんと火付盗賊改に捕縛されてしまった。気がつくとそこは牢獄の中。だが、どうやら鍵を開ける針金さえ持っていれば、脱獄もできるらしい。おとなしく刑期が終わるまで我慢することもできるが、その間はすずなを放置することになってしまう。筆者は悩んだ挙句、危険を冒さずにおとなしく刑期をまっとうすることを選んだ。
画面が切り替わり刑期が無事に終了。急いで自宅に戻ると、当然のようにすずなが咳き込んでいた。薬代を調達するため、早速にも越黒屋に忍び込んだものの、これが大誤算。何も考えず昼間に忍び込んだせいで、簡単に見つかってしまったのだ。
ゲーム内ではリアルタイムで時間が流れるため、慣れないうちは相手の視界がせまくなる夜中だけ盗みに行ったほうが良いのだが、すずなの容態が悪化したことに焦ってしまい、後先を考えずに昼間に忍び込んでしまったのである。
何とか逃げきるも、顔を見られたせいで街中に人相書きの似顔絵が張りだされてしまう。どうしたものかとアタフタしていると、自宅に帰らないほうがいいとのメッセージが。とは言え、まだすずなに薬を与えてないので病状が心配である。悩んだ末に、今後は薬を持って自宅へ向かうことに……案の定というか、しっかりと天津が待ち伏せしており、あえなく御用となった。
ここで筆者は“また牢獄に行くだけだよね。今度は脱獄してやる”と考えていたのだが、なんとスタッフロールが流れ始める。どうやらこの場合は、ゲームオーバーになるらしい。一度すずなを裏切った代償は、想像以上に高かったようだ。
今回は不幸な結果で終わったが、これもマルチエンディング中のたった1つに過ぎない。完全制覇まではまだまだ遠いだろう。全体の印象として、この手のジャンルで斬新なものではないが、スピード感重視のアクションを盛り込んだ正統派アクションゲームとして合格点なのは間違いない。盗んだ品物のコレクションや、“ジャストステルスは使わない”といった限界に挑戦する縛りプレイなどの幅広さもあるので、やりこみ要素も十分すぎるほどにある。秋の夜長にオススメの1本だ。
神業−KAMIWAZA− | |
対応機種 | プレイステーション 2 |
メーカー | アクワイア |
ジャンル | ステルス泥棒アクション |
発売日 | 発売中 |
価格 | 7140円(税込) |
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