北米での次世代機競争の行方:くねくねハニィの「最近どうよ?」(その2)(1/2 ページ)
海外のゲーム動向を見ると日本の市場が見えてくる。いよいよ出そろう次世代、新世代家庭用ゲーム機について今回は考えてみようと思うの。東京ゲームショウも終わり、夜も昼も眠りっぱなしのハニィの最近どうよ2回目をよろしこ。
日本も世界の一部でしょ?
涼しくなってきたね〜。朝晩はちと寒いくらいかしらん。くねくねハニィの「最近どうよ?」第2回目です。さて、東京ゲームショウが盛況に終わったみたいで、ハニィも安心して夜だけでなく昼も眠れるようになったよ(笑)。ってことでホットな次世代ゲーム機の海外での評判を紹介してみることにするね。
プレイステーション 3(以下、PS3)の値下げが話題になってるけど、これは海外ではぜんぜん反映されないみたい。発売日に10万台しか出さない市場(北米は40万台でしょ?)に向けてそんなこと言ってもインパクトがあるのかなぁとか、北米からはブーイングは出ないのかなぁとかいろんなことを思ったりして、やっぱ今回は海外の次世代機に対する風評なんかをまとめてみような〜んて思ったわけよ。
ここで言う次世代機とはXbox 360、PS3、Wiiということにさせてもらいまする。日本ではかんばしくないXbox 360は、1年近く前に発売になってるけど、スペック的にはそれほど落ちるものではないのよ。地デジでもてはやされてる高解像度のTV(ハイデフ)なんかにも対応! と言う意味では、これからのゲーム機といえるでしょ? だいたいソニーが2006年春にPS3を発売するって言ってたから、MSさんが焦って2005年中にXbox 360をお出しになったのに、まさかそのPS3が年末まで遅れるとは……。
ちなみにXbox 360は北米ではすでに200万台を突破したと言われているけど、発売したてのころはタマが足りずにいつも在庫不足。お店でしばらく買えない時期もあったの。これは日本のニンテンドーDSみたいに好評だったから、って理由だけじゃなくて、MSさんの生産体制に問題があったみたいで、数カ月出荷がないとかいうことがあったですよ。機会損失もいいとこで、小売店から相当なブーイングがあったとか。70万台くらいで伸びがストップしてた時期があるんだわさ。でも、2006年春くらいからようやく量産体制が整って、晴れて小売店に並ぶようになったのね。おかげで200万台ですか! すばらしー。
WiiはE3 2006くらいから大きくクローズアップされ始めた感じ。E3 2006の任天堂メディアブリーフィングで、「Wiiは、単に次に来るものではなく、まったく新しいものを提供する。“次世代”ではなく“新世代”。視覚要素のみを追求したゲーム性ではなく、次なる飛躍はフィーリングにあり、一部の限られた人が楽しめるものではなく、みんなが遊べるべきものでなくてはならない」な〜んてこと言ってて、実際に手に取り遊んでみると感じることができる「Playing=Believing」というコンセプトメッセージを掲げたの。次世代ではなく、新世代。うーん、ハニィも生まれ変わらなきゃ。あ、カンケーないっすね。
当初は大勢が「ダメじゃないか?」と言っていたニンテンドーDSも北米でバカ売れして、さらに既存の概念にとらわれない「新しさ」を提供してるって感じ、まさに「イケてる感」だけど、グラフィック重視(携帯ゲーム機ではないのでさらにその要求も高いだけにね)の北米市場にどんな風に食い込んでいくのか、見ものですわ。
ってことで、この秋世界でも次世代が出そろう(ごめんなさい、欧州市場では春までPS3発売が遅れるんだったわ)わけで、海外、特に北米では次世代機をどういう論評しているかまとめてみたのだよぉ。ハニィは、キーワードは「お値段」、「ソフト」、そして「ネットワーク」の3つだと思ってるの。
1.「PS3はお値段がお高いのでは?」
20Gバイトだと499ドル(日本円で税抜6万円切るくらいで、税金は州によって違うけど8%くらいだからトータルだと6万5000円近いね!)、60Gバイトだと599ドル(税抜7万円超えるわ、わぉ)で11月17日に北米で発売予定なんだけどさ。1年前に発売されたXbox 360はHDD付で399ドル、HDDがついていないもので299ドルだから、スペックはともかく、次世代というくくりで考えるとPS3は割高感があるよね〜。さらにハニィの予想ではMSさんはPS3の発売に合わせてXbox 360の値段を下げてくると見た。ますますお高いイメージのPS3ですな……。
PS3は価格が高いわりには思ったほどスペックが評価されていないのよね。E3でも「美しいけどPS2でも十分!」という声は実際に聞こえてきたんだけど、HDMI端子があるにもかかわらず、ケーブルが標準でついてない(Xbox 360は標準ですぜ)とネットでたたかれたり、実はGPU(グラフィックス用半導体チップ)のパフォーマンスが思ったより出ていないとか、ちと大勢に影響ありって感じかな。そもそもモニターつきのPCが500ドルで買えるところで、ゲーム機をそんな値段にしていいのか? って声も聞かれそう。
その点Wiiは好意的に受け止められているみたい。次世代とは言いにくいスペックと、当初搭載予定と言われていたDVDプレーヤー機能をキャンセルしたにも関わらず、250ドルという値段の敷居の低さと新しい遊びの提供に皆様納得。「PS3を買うならWiiが2台買えるぞ」ってな意地悪を言う人もいるくらい。40万台準備する! と言っているPS3に比べ、販売初日から100万台準備すると発表してて、小売店からも在庫切れ、つまり機会損失がないと好評みたい。
PS3は分が悪いっぽい。スペックが高いってのはエンドユーザーには直接聞き入れられないから「それで何ができるのか、何を提供するのか」っていう付加価値が鍵になるけど、今のところぼんやりとしてて具体的なものが見えてきてないから、よっぽど欲しい人にしかトライできないかもね、この値段。
2.「ソフトのタイトル数と品質」
Xbox 360は発売されて1年経つわけで、開発者たちは手なれてきてて、ハード特性やスペックをそれなりに駆使してるから、ゲーム自体のクオリティが上がってきてるのはひしひしと感じているところだよね。日本発のRPGも注目されているし。ハードの成熟期を迎えたPS2と比べると、Xbox 360のゲームは、グラフィックだけでなくゲーム性の意味でもグレードが高いのね。なので、結構高い値段でも売れるわけさ。ちなみにPS2のゲームソフトの値段は39.99ドルから始まるのが普通(海外ゲームソフト価格に関しては今後の「最近どうよ?」で語りたいと思っていまするぅ)で、現在XBOX360のソフト販売価格は59.99ドルから始まってるの(そういえばPS3のゲームソフトも59.99ドルで値付けされたみたいよ)。
PS3は相当なアップグレードスペックで、グラフィックスカード自体も入れ替わる(GraphicsSynthesizer→NVIDIA)わけだから、開発者からすると今までの資産も有効に活用できないというデメリットもあるわけよ。開発者たちが手なれてくるまでは若干の時間を要しますな。もちろんソニーさんのツールの性能によるので一概には判断できないけどね〜。まぁ、定説ですわな。がんばれ、デベロッパー! それに比べると、Wiiはゲームキューブのちょっとしたアップグレードバージョンと言われてるし、極端なグラフィックバージョンアップは伴わないという意味では敷居が高くないイメージがあるね。
ユーザーが新しいハードを購入するにあたって、モチベーションの源泉でもあるタイトル数なんですけど、もちろん発売1年になるXbox 360は90本あまり(うち27本はArcade。説明はあとで出てくるよ)とダントツだけど、今年11月に発売予定のPS3とWiiの違いも見ておくべきだね。Wiiは3月までに発売予定のタイトルとして50タイトルあまりを発表したけど、PS3は30タイトル程度なんですね〜。まぁリアルなグラフィックの大作がそろってるPS3だからやむをえないけどね〜。
それにしても、驚いたのは、任天堂のラインアップ。北米市場向けに北米のタイトル(日本発だけじゃない!)もたくさん入ってるよね〜。これは従来の任天堂さんらしくない感じで期待大だ!
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