独り者でも楽しく遊べる「マリオブラザーズ」:ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(3/3 ページ)
前回の「パルスマン」に続いて、今回もWiiのバーチャルコンソールでプレイできるゲームを取り上げてみました。ファミコン本体発売の2カ月後に発売され、163万本の売り上げを記録した、「マリオブラザーズ」(任天堂)です。
もう1つのマリオブラザーズ
ファミコンが発売された1983年は、まだゲーム&ウオッチも並行して発売されていた。「ドンキーコング」のゲーム&ウオッチ版は、ニンテンドーDSに似たダブルスクリーン(当時は“マルチスクリーン”と呼ばれていた)で登場し、話題となった。
実は「マリオブラザーズ」も、ゲーム&ウオッチで発売されていたのだ。こちらもマルチスクリーンだが、横に2画面つなげた形。しかも横長画面を横に並べている。
ゲーム内容は、アーケード・ファミコン版とはまったく違う。
ゲーム&ウオッチ版「ドンキーコング」も、面構成はかなり変わっているが、「マリオ(救助マン)がコングのタルをかわしてレディーを救う」という、おおもとの部分はアーケード版と同じだった。これに対し「マリオブラザーズ」の方は、根本的に違うゲームとなっている。
舞台はとある工場。マリオとルイージはここの作業員で、ベルトコンベアで流れてくる箱を、落とさないように次のコンベアに移していくのが仕事だ。
コンベアを通るたび、箱には少しずつ中身が積まれていく。ふたがされ、梱包された箱を、最後にルイージがトラックに載せる。箱が8つ積まれるとトラックが出発し、マリオとルイージはわずかの間だけ休憩できるのだ。
プレーヤーは左手でルイージを、右手でマリオを操作する。それぞれ3カ所のコンベアを1人で受け持つため、どの箱が最初にコンベアの端まで来るかを見極めて、その順番に箱を拾い上げなければならない。
さらにマリオのほうは、右下の隅から新しい箱が来ないかどうか、常に気を配る必要がある。左右の目と手と頭をフルに使う、なかなか脳が鍛えられそうなゲームだった。
たびたび帰ってきたマリオブラザーズ
1988年、ファミコンディスクシステムの書き換え専用ソフトとして、「帰ってきたマリオブラザーズ」が発売される。通常、店頭でのディスク書き換えは500円だったが、このソフトだけは400円だった。
なぜかというと、永谷園がスポンサーになって、広告料を払っていたからだ。オープニングなどに、同社商品のコマーシャルが表示される。
ゲーム内容は「マリオブラザーズ」とほぼ一緒だが、敵キャラクターのグラフィックが変わっているほか、アーケード版にあってファミコン版でカットされていた敵キャラや演出が再現されている。
また、最初のファミコン版ではできなかった、ジャンプ中の軌道修正ができるようになった。つまり「スーパーマリオブラザーズ」と同じ感覚で操作できるのだ。
「永谷園ワールド」というモードでは、ゲームオーバー時にスロットマシンで絵柄をそろえれば復活が可能。さらに、一定以上の得点を出すと、抽選でプレゼントがもらえるパスワードが表示された。
当時はもう「スーパーマリオブラザーズ3」が発売された後で、「マリオブラザーズ」には今さら感があったかもしれないが、発売から時間の経ったソフトを廉価版として再発売するとか、古いゲーム機向けに発売されたゲームを動態保存する、ゲームアーカイブ(記録保管所)的な発想は、後の「PlayStation the Best」や、Wiiのバーチャルコンソールに通じるものがある。
そして、ゲーム内広告のはしりとしても注目に値する。最近、特にアメリカでゲーム内広告が注目されているようだが、ファミコンではすでに20年近く前から、こういう事例があったのだ。
「スーパーマリオブラザーズ3」では、マリオとルイージが同じエリアに入ると「マリオブラザーズ」が始まる。相手に攻撃すると、持っているパネルが飛び出して、床を流れていく。
ゲームボーイアドバンスでは、「スーパーマリオアドバンス」シリーズに収録されているほか、ファミコンミニシリーズの1本として移植されている。
そして昨年末、Wiiのバーチャルコンソールでの配信が始まった。最新機種で「マリオブラザーズ」が、気軽に入手できるようになったのだ。
今日もまたあちこちで、えげつない戦いが繰り広げられているのかもしれない。
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