“ゲーム人口の拡大”戦略は第3のステップへ――任天堂岩田社長:「任天堂カンファレンス 2007.秋」(4/4 ページ)
「Wii Ware」や「WiiFit」の発売、新「Wiiチャンネル」の追加や、初心者と熟練者の壁を取り払う施策など……。任天堂が取る“ゲーム人口の拡大”戦略は次のステップへ進む。
ゲーム熟練者にも、ゲーム初心者にも満足できる商品を
岩田氏はまた、継続的なゲーム人口を拡大するためには、熟練者にも初心者にも満足できるソフト作りが大事だと語り、例としてニンテンドーDSソフト「ゼルダの伝説 夢幻の砂時計」を挙げた。「ゼルダの伝説」シリーズといえば、どちらかというと熟練者に受けるソフトと思われがちだが、岩田氏によると、「おいでよ どうぶつの森」や「Newスーパーマリオブラザーズ」以降ソフトを買っていなかったような25歳以上の人にも受け入れられたとのこと。「初動型ソフトとして思われていたゼルダが、長期間、安定して販売できるようになった。ゲーム初心者だけでなく、タッチペン操作のゼルダに不安を持っていたゲーム熟練者にも受け入れられた」(岩田氏)。
このような流れを受け継ぐソフトとして、Wiiソフト「スーパーマリオギャラクシー」が紹介された。3Dアクションは初心者にプレイさせるのは無理だというのが業界の常識。操作がシンプルで3D酔いも少ない、誰でも遊べる3Dアクションゲームというのは長年の課題だった。加えて、常に新しい感覚と表現を追いかけるのは当然のこと。開発チームはこの2点の課題に真正面から取り組んで、結果として初心者にも熟練者にも満足のいくものとなった」(岩田氏)。
なお本作では、難しく感じる人のために「アシストモード」が用意されている。2人同時プレイにより、1Pのプレーヤーを2Pのプレーヤーが助けることができるようになっている。「リビングルームで複数の人が参加する、新しい姿のマリオ」(岩田氏)。
また2008年春に発売される「マリオカートWii(仮称)」も、ハンドルで操作するようになっているのだが、これも初心者と熟練者の壁を取り壊すための仕掛けのようだ。「コントローラーを普段握らない人は少ないが、日常的にハンドルを握る人は多い」(岩田氏)。このため、Wiiリモコンをはめ込んで使う、ハンドル型のコントローラーが用意される。
なお本作では、従来の四輪車だけでなくバイクも登場。ニンテンドーWi-Fiコネクションを通じた、12人の同時対戦をサポートする。課題であったマッチングのスピードアップも図られているとのことだ。
「大乱闘スマッシュブラザーズX」は来年1月発売。「モンハン」も登場
そして「大乱闘スマッシュブラザーズX」について岩田氏はまず「今回のスマブラは任天堂の歴史が詰まったようなソフト」と前置きしながら、「与えられたこういう機会を十分に生かすため、またそれぞれのキャラクターファンの期待に応えるため作り込んでいる」と語り、セガの「ソニック」があらたに参戦することが明らかになった。ただし当初の予定よりも遅れ、2008年1月24日となることも発表された(関連記事参照)。
なおすでにお伝えしたとおり、シリーズの続編「モンスターハンター 3(トライ)」もWii向けに登場することが明かされた(関連記事参照)。カプコンの稲船敬二氏は「Wiiのコントローラーを使ってモンスターハンターを存分に楽しんでください」とコメントした。
最後に岩田氏は、ゲーム人口が拡大したことにより市場が変化してきたプロセスについて、これまでの過程を振り返りながら、「nintendogs」や「脳を鍛える大人のDSトレーニング」、「DSお料理ナビ」といったソフト群でゲームの定義を拡大するとともに、ユーザーを拡大してきたと強調。「こうした市場の中で400万本を超すソフトも出てきた。しかもこれまでにないような状況で売れていく。普通であり得ないことが起こったのは、市場が変化して新しい需要ができたから」(岩田氏)。今年は「WiiFit」で、あらたな定義の拡大と、ユーザーの増加にチャレンジするとのことだ。
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