透き通るかのような青空で、天使とダンスを踊ってきました:「エースコンバット6 解放への戦火」レビュー(2/2 ページ)
戦闘機を操ってドッグファイトを楽しむ「エースコンバット」シリーズ最新作がXbox 360にて登場、どの辺が進化したのかを確かめてきました。
支援要請で、好きな機体をより活用できるように
本作から、新たに“支援要請”というシステムが登場した。これは、複数いる味方の部隊に、攻撃や防衛を頼んで手助けしてもらえるシステムだ。敵を倒したり、オペレーションを成功させると、“アライドサポートゲージ”が溜まっていき、それを消費して味方の支援を受けられる、という仕組みである。
プレイ前までは「オマケのような機能かなー」なんて思っていた筆者だが、仲間の攻撃力は意外と強力で、予想以上に“使える”システムになっているのだ。敵の数が多くてなかなか戦力を減らせない場合や、オペレーションを素早くクリアしたい場合などで重宝することだろう。
また、自分の好きな機体だけでゲームを進める上でも、かなり役立つ機能だ。本作は機体によって性能が大きく異なるため、オペレーションによってはクリアするのに多大な苦労を強いられるものもある。例えば、対地任務に特化した機体のA-10は速度が遅く、対空任務がニガテだ。対地任務だけ行うミッションならば問題はないが、どのミッションでも多かれ少なかれ敵の航空機が登場し、ニガテな空中戦をこなさなければならない、というシチュエーションが多々あるのだ。
そんな場合は、ニガテな空中戦を味方にまかせてしまうことが可能なのだ。今までは不本意ながら別の機体で出撃してきた任務も、味方の支援が加われば、好きな機体でなんとかクリアできることも多い。好きな機体を使用できるチャンスが大幅に増えたのは、ファンには嬉しいことであろう。もちろんA-10に限った話ではなく、対空任務に特化したF-14で地上戦をメインにこなす、という戦い方も可能なのだ。
やり込み要素も満載
本作では、各ミッションクリア時に、ミッションで入手したスコアに応じて成功報酬をゲットできる。ゲーム序盤では購入できる機体は限られているが、ゲームが進むとどんどん強力な機体が購入できるようになる仕組みだ。ちなみに2週目以降は、所有機体と所持金を引き継ぎつつ、キャンペーンを新たに遊べるモードも登場するため、最強の機体で再び遊びなおす、といった楽しみ方もできる。
また、各ミッションのスコアも難易度別に記録され、Xbox LIVEに接続していれば、スコアランキングにも自動的に登録されていく。Xbox 360では割と普通なシステムだが、このおかげでスコアアタックがより白熱することは間違いないだろう。
また、各オペレーションをクリアした際に“OPERATION MEDALS”が、“敵戦力を300撃破した”などの特殊な条件を満たせば“SERVICE MEDALS”が得られる。これらのメダルをコンプリートするため、複数回プレイにも楽しみが見いだせるだろう。さらに、特定の敵機を倒した際に記録される“ASSAULT RECORDDS”、さらにXbox 360ならではの“実績”システムもあり、オフラインだけでも相当長時間遊べることだろう。
シリーズ初のオンラインバトルも
本作では、シリーズ初となるオンラインプレイも実装されている。チーム別に分かれて戦う“TEAM BATTLE”、参加者全員でスコアを競い合う“BATTLE RPYALE”、攻撃側と守備側に分かれて、ターゲットを巡って戦う“SIEGE BATTLE”、協力してミッションを攻略する“CO-OP BATTLE”という、4種類のゲームモードが用意されている。
対人では空中戦がメインとなるだろうが、やはりコンピューター相手とは違い、攻撃がなかなか当たりにくい。筆者は一通りオフラインを遊んでからオンラインにチャレンジしてみたのだが、思うように活躍できず、残念に感じた。基本的に相手の背後を取ってミサイルを撃ち合う、という攻撃スタイルになるため、若干戦闘が単調に感じることもあった。もっと上手になれば、また違った戦い方もできると思うが、空中戦に関してはもうひと工夫欲しかったところだ。
何にせよ、対戦はそれだけで面白さが跳ね上がることが多いため、ハマる人は長時間楽しめることだろう。初心者でもオンラインの魅力を楽しめる協力プレイがサポートされているのは、個人的に評価したい。
安心して楽しめる、完成度の高い作品
総合的に見れば、非常に完成度の高い作品である本作。映像はもとより、多彩なミッション内容に繰り返し楽しめるやり込み要素、さらにオンラインプレイと、ボリュームも申し分ない。わかりやすいチュートリアルがあり、また支援要請といった補助的なシステムで、シリーズ初心者でも問題なく楽しめることだろう。
もちろんシリーズのファンも楽しめることは間違いないが、基本的な遊び方は大幅に変わっていないため、マンネリを感じることは否めない。ある意味シリーズ物の宿命なので仕方がないのだが、もう少し大胆に改革しても良かったのでは、とも思った。
個人的にかなり楽しめ、また今後も楽しんでいこうと思わせる作品の本作。だが、ダウンロードコンテンツには、ちょっと不満を感じた。ご存じの方も多いと思うが、かの「アイドルマスター」でダウンロードコンテンツが大成功したためか、各コンテンツの価格が高いように思う。さらに、発売日にコンテンツが配信されるのも、ちょっと気になるところ。それぐらいならば、最初から使えるようにしてほしいと思うのは筆者だけであろうか。
もちろん、追加コンテンツすべてを否定しているわけではない。どうせお金を使うならば、もうちょっと気持ちよく使いたいと筆者は思うのだが……。来年には「アイドルマスター ライブフォーユー!」も控えていることだしネ!
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