実に17年ぶりに、クリフトを操ってみました:「ドラゴンクエストIV 導かれし者たち」レビュー(2/2 ページ)
名作RPG「ドラゴンクエスト」シリーズの中でも、「ロト」3部作に続く、「天空」シリーズの幕開けとなった「ドラゴンクエストIV」。ドラマチックなストーリー展開を盛り込んだ野心作が、DS版として登場した。
お気に入りの姉妹に襲い掛かる悲劇
続いて第四章、占い師のミネアと踊り子マーニャの「モンバーバラの姉妹」に突入。この2人も筆者のひいきキャラクターだ。ミネアは僧侶系、マーニャは魔法使い系ということで、2人だけの冒険はバランスが悪いのだが、ともに攻撃的な呪文を覚えるので、MPのかぎりに暴れるというプレイができた思い出がある。
ところが、冒険を進めてミネアがバギ、マーニャがギラを覚えるところまで行ったのだが、どうしたわけか爽快感が微塵もないことに気づいた。
実はこのDS版、呪文の効きが非常に悪いのだ。ダメージも安定しないし、「きかなかった」というメッセージだけで終わることも多い。ブライが使うヒャド系の呪文は、それでも効きやすかったのだが、ギラやイオ系の呪文は、よくて2回に1回ダメージが与えられる程度。というわけで、攻撃力が魅力の呪文をズラリと覚えるマーニャが役に立たず、豪快にモンスターをなぎ倒すというプレイがまったくできない状態。亡き父の弟子で、錬金術師とは名ばかりの筋肉野郎オーリンが仲間になるまでは、かなりストレスがたまる展開だった。
確かに第四章は苦戦した記憶はあるのだが、こんなだったかなあ? と思いきや、最後のバルザック戦であっさり全滅。やっぱ強いなあ、と全滅したのになぜかうれしくなって、ちょっとレベル上げ。その後は無事にバルザックを撃破し、船でエンドールに脱出したところで第四章も終了。さて、いよいよ本番の第五章だ。
勇者あまのんの奇妙な冒険〜第二部
ここまでにかかった時間は、およそ14時間。ずいぶんとアッサリ進んだ印象があるが、やっぱり戦闘シーンのテンポアップが大きな要因に思える。呪文の消費MPが少ないため、町に戻って回復する回数が減っていることも挙げられるだろう。
というわけで、全員集結の第五章が始まり、ようやく勇者あまのんの出番がやってきた。がしかし、開始早々勇者の村は壊滅。序章のエピソードが伏線となり、からくも勇者だけが生き残るというバリバリのウツ展開で幕を開ける。ドラクエって、なにげにこういう手厳しい話が多いから侮れない。
このあとは、ミネアとマーニャを仲間にするところから、馬車を手に入れて仲間を増やしつつ世界各地を旅して回るという、お約束の展開。同時に戦闘に出られるのは4人までだが、最大で10人もの仲間といっしょに旅をできるというのが「ドラクエIV」の売りでもあるのだ。
……というところまで話を進めておいて、今さらのように気づいたのだが、FC版ならば第五章で仲間になったキャラクターは、AIで自動的に戦闘していた。ところがDS版では、最初から「めいれいさせろ」のコマンド入力可能状態になっているのだ。口を開けば「ザラキ」しか言わないクリフトや、「バイキルト? 何それ美味しい?」状態のブライは、もう過去の人物。こりゃ、苦戦しないハズですわ。賢者の石や静寂の玉、いかづちの杖といった、使うと役に立つアイテムを勇者に集中しなくて済むことも、大きなメリットと言えるだろう。
そんなこんなで天空セットを集めたり、カジノでちょっと遊んだりして物語を進めていく。……そういえば、ファミコン版って大量のメダルが安く買える裏技があったよね! 枚数は今でも覚えている、8○8861枚だ。試しに入力してみると……普通に高い値段になりました。そりゃ修正されてますよねー、残念。ちなみに、「せいすい」を使ってはぐれメタルに大ダメージ、というテクニックもダメージ「1」となっていた。残念。
冒険の途中で、さばくのバザーの跡地に新しい村が作られている、との情報が入ってきた。ああ、確か商人を預けてどんどん大きくなっていくアレね、最終的にはオーブが貰える……って、これは「DQ III」だったかしら。とにかく村へ向かってみると、どうやら世界中に居る“新天地を求めている人”を紹介すれば、どんどん村が成長していくシステムらしい。これはファミコン版にはなかったぞ! 未知の新要素にワクワクしつつ(実はPS版で追加された要素みたい)、少しずつ育っていく村の成長を見守ることにした。DS版は、“すれちがい通信”を利用して、この村の使者を増やせるようだ。
そんなこんなで冒険は順調に進み、いよいよラスボスであるデ○○○ロとの最終決戦に臨む。参考までに筆者のレギュラー編成を記しておこう。
1.勇者あまのん:天空装備のおかげで、攻守にバランスの取れた優秀なキャラクター。サブヒーラーとしても、ギガデインを使った呪文アタッカーとしても重宝する。
2.アリーナ:キラーピアス装備で常に2回攻撃する、一行のメインアタッカー。すばやさも驚異的に高いので、先手必勝のパターンもできやすく、いざというときの回復アイテム要員としても役に立つ。
3.クリフト:スクルト要員。エンカウント戦でもボス戦でも、とりあえずスクルトをかけるだけで安定感がまったく違う。ベホマラーも覚えるため、メインヒーラーとしても優秀。装備できるアイテムも豪華だ。
4.ブライ:バイキルト要員。バイキルトとルカニ・ルカナンでアタッカーの攻撃能力をさらにアップできる貴重な人材だ。各種杖を持たせておき、MPを節約しながら攻撃・回復もできるようにしていた。
仲間はなるべく均等に育てたい派なのだが、やはり戦闘での安定感を重視すると無難な編成に落ち着く。とくに、デイン系以外の攻撃呪文はきかないことが多すぎるため、マーニャの出番はどんどんなくなっていった。トルネコが万年馬車メンバーだったのは言うまでもない……。
最終決戦とクリア後のお楽しみ
ラスボスのデ○○○ロは、6段階もの変化をするという非常にやっかいな相手だった。とくに、最終段階では強烈な氷と炎の息攻撃を仕掛けてきて、あわや全滅の危機に。クリフトが死亡してミネアと入れ替え、フバーハでしのぎつつ……などと考えていたら、連続攻撃で勇者も死亡。なんてこったい! 奥の手であるベホマズンが使えなくなり、万事休すかと思いきや、アリーナの一撃でデ○○○ロを粉砕! レギュラーメンバーが2人死んだ状態で、冷や汗もののクリアとなった。こんなことなら、もっと早くミネアとブライを入れ替えしておけば……と思ったものの、クリアできたからよしとしよう。
ここから感動のエンディング(こればっかりは見てのお楽しみ)を迎え、スタッフロールを経て、画面にThe Endの文字が描かれる……のだが、その後にまたデータのセーブが可能になるのだ。セーブ後電源を再び入れ直し、冒険の書を選んでゲームを開始すると、どうやら引き続きプレイできるらしい……というところでここでの締めの時間とあいなりました。
最近ではRPGやSLGといったゲームを延々とやることがなくなっていたので、途中で飽きるかなと思っていたのだが……さすがはドラクエ、時間を忘れそうになるほど夢中で遊んでいた。一度クリアしたゲームだし、それほど楽しめないのではと疑っていたが、薄れかけていた過去のプレイを思い出しつつ、新鮮なプレイができたのは意外。本作がドラクエ初挑戦という人でも、間違いなく楽しめるはずだ。国民的ゲームの「ドラクエ」だけに、普段ゲームを遊ばない人でも、きっと満足できることだろう。クリスマスや合格のお祝いに、DS本体とセットでプレゼント、なんてのはいかがですかね?
「ドラゴンクエストIV 導かれし者たち」 | |
対応機種 | ニンテンドーDS |
ジャンル | ロールプレイング |
発売日 | 2007年11月22日 |
価格(税込) | 5490円 |
CERO審査 | A(全年齢対象) |
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