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宇宙世紀を振り返り、直感的なマップで作られる新「ガンダムシミュレーション」「エンブレム オブ ガンダム」プレイリポート&インタビュー(5/5 ページ)

本作は、全く新しいアプローチでガンダムを題材にしたシミュレーションゲームだ。歴史家の視点、プロヴィンスマップ、バトンでつなぐ物語……さまざまな試みが盛り込まれたタイトルをプレイし、かつ、開発者である芝村裕吏氏に話を聞いてきたりもした。プレイのご報告とインタビューが織り成すハーモニーをどうぞ。

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かつての少年たちに宇宙世紀をもう一度

画像 オリジナル部隊では、あのキャラとこのキャラでこのモビルスーツ!という夢のユニットも実現する

 シミュレーションパートで見事ミッションをクリアすると、戦果ポイントを得ることができる。このポイントは、その後のプレイにおいてキャラクターの配属や、ユニットを購入するために使われる。購入したユニットを使ってオリジナルの部隊を編成することもできるのが熱い。強力な部隊をうまく作り出せば、戦闘がかなり楽になるだろう。もちろん骨太なシミュレーションファンや原作に忠実なプレイをしたい人ならば、オリジナル部隊なしで挑戦するのもいい。オリジナル部隊を導入しなくてもクリアできるようにはなっている。

 実際にプレイしてみて感じたのは、序盤が若干難しいということ。RPGでも、序盤で雑魚モンスターにやられまくって、少しずつレベルを上げて、中盤で安定するということはよくある。チュートリアルが終わったあたりの序盤プレイでいきなり詰まってしまって「先に進めるかな……」と不安にもなったが、コツをつかんできてからはなかなかの快進撃ができるようになった。逆に言えば、中盤以降は要領が分かりすぎるくらいに分かっているので、若干作業的なプレイになってしまうことも。ただ幸いなことに、筆者は30代中盤で「昔ガンダムは見ていたけど、最近はとんとガンダムから離れてるな」という男。つまり、芝村氏の言うところの本作のターゲット層の1人なのだ。そんな筆者にしてみれば、改めてファーストやZをプレイしながら思い起こし「ああ、こんなシーンあったな」とつぶやきながらプレイする本作、というのは、ツボにはまるところではあった。

 HPや命中率などの細かいステータスがないという点は、物足りないと思うところもあるが、取っ付きやすいというのも確か。気軽にライトに楽しめるガンダムシミュレーションとして、「Gジェネ」や「ギレン」との棲み分けはできているんではないか、という印象を受けた。コアなファンからすれば「もっとギレンみたいに濃ゆいのを〜!」と要望や不満も出るかもしれないが、逆に「ギレンは濃すぎる〜」と思っているくらいの人にちょうどいいように思う。そこから考えれば、ニンテンドーDSというライト層の多いハードでリリースされたというのもうなずける。

 ガンダムからしばし離れてしまった、かつての少年のみなさん。本作でひさびさに一年戦争やZガンダムに触れてみるのもいいんではないでしょうか。

――本作の内容が「機動戦士ガンダム」から「機動戦士Zガンダム」までなのはなぜですか?

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芝村 “宇宙世紀”を取り上げたガンダムシリーズだけでも数多くの作品があるわけですが、Zガンダム以降はMSの性能にインフレが起きてしまうんですね。「ZZガンダム」は大艦巨砲主義だし、超絶攻撃能力を持ったキャラクターがいますし……。だからZZも含めるなら“命中率”を付けてあげた方が親切なんです。「ギレン」みたいな方がいい。

 本作でも命中率をシステムに導入しようかと思ったんですが、初心者のことを考えたらそこまでやる必要があるのか、あえてゲームの項目を1つ増やして複雑にする必要があるのか、と思ったんです。もともと本作ではHPを排除して“生きてるか死んでるかだけでよし”としています。原作でも、ガンダムはパーツが破壊されてもやられないわけですが、ジムなんかだと“一発死”ですよね。HP、地形属性、命中率など要素が多いと、作戦を考える上でよく分からなくなる。マップ、ユニット、戦力、そして補給物資と、要素が4つもあれば十分難しいゲームになるんです。命中率やHPといった概念がなくても手ごわいゲームですので、本作ではルールをすべて駆使して戦ってほしい、と思います。

 また、ストーリーの構成を一年戦争だけに絞った方がいいかとも思ったんですが、Zガンダムは“After一年戦争”として、どうしても盛り込まざるを得なかったんです。

――本作の美しい戦い方としては、ガンダムのいろいろなシーンを想像して戦うべきなんでしょうか。

芝村 アニメを見て、それに沿った作戦を取ると、何となく上手にクリアできるようには作られています。難しい局面があったとしても、もう一歩プレイヤーが考えればクリアできるはずですね。


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