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もっとオンラインゲームは多彩なジャンルがあっていいはず――「アトランティカ」開発者インタビュー(2/2 ページ)

10月28日よりオープンβテストが始まる「アトランティカ」の開発者・NDOORSのキム・テゴン氏とネクソンジャパンの運用チーム・森山浩文氏とアン・スヒョン氏に話をうかがった。

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―― 先ほど話題に上りましたが、日本のユーザーにも評判がよかった「自動移動」については?

キム 本作は戦闘と戦略で頭を使うゲームです。熟考するというゲーム性を持つという意味では、日本のユーザーには合っているのですが、長時間プレイを余儀なくされるのも事実です。それでは疲れてしまいますよね。そこで戦闘じゃないところで、ストレスを少なくしたいと考えました。戦闘以外でストレスが出るのは移動でしょう? 自動で移動してくれることについては当初から韓国でもいい反応を得ています。「この自動移動があるから他のゲームができない」というユーザーもいました。このシステムは、ゲームの魅力の1つでありながら、他のゲームに流動しない安全装置の役割も果たしているんじゃないかと思っています。

―― ライトユーザーとコアユーザーの間をつなぐであろう、「スタミナ」システムについて聞かせてください。

キム おっしゃるとおり。スタミナシステムを入れたのには2つの理由があります。まず1つ目は、ライトユーザーとコアユーザーの間の“差”にあります。ライトユーザーは一定時間のみのプレイに対し、コアユーザーは長時間遊んでくれます。この時間はいずれ大きな差となって表れます。レベルであり経験の差です。この差が開けば開くほど、ライトユーザーはついていけないと辞めてしまう場合が、既存のゲームではありました。その格差を縮めていきたいという考えがありました。

 もう1つはゲームへの没入をほどほどにしたいという意識です。すごく遊んでいただけれるのはありがたいのですが、ゲームに没入しすぎるのはコンテンツの消費が激しくなることを意味しています。コアゲーマーの方は短期間で一気にゲームのすべてを遊びつくすことも過去ありました。我々としては、今あるものを一瞬にして消費するのではなく、3年、5年と続けて遊んでもらいたい。そこで、コンテンツの消費を抑える意味でも、経験値獲得が上級者になればなるほど難しいようになっており、かつ初心者とのコミュニケーションを促すようにこのシステムを考えました。

森山 日本では始まったばかりですし、やり込むにも限界があり、それほどスタミナシステムの抑止力は目に見えては確認できていません。今後、オープンβテストを行っていく中で確認できるのではないでしょうか。


―― ストーリーについても聞かせてください。

キム 基本的にストーリーとシステムを同時に考えていました。実際の世界を背景に作りたかったんです。ストーリーは拡張性が必要なのでファンタジーを入れることで対処しようと思い至ったんです。そこで、伝説として語られるアトランティスがもってこいだった。北米大陸と中原(中国)地域は実装されていませんでしたが、オープンβテストでは遊ぶことができるでしょう。北米大陸以降は現在調整中ですが、鋭意開発していきますので楽しみにしてください。ふさわしい時期になりましたら、世界観がどう変わっていくのかを含めてリリースしていきたいと思っています。

―― 北米といえばインディアンやアステカなどの古代文明でしょうか。

キム そうですね。インディアンや西部の開拓時代、グランドキャニオンみたいな広大な自然、アステカなどの古代文明や産業時代の工場地帯など、北米大陸を連想できるものになっています。当然ですが、今後はすでに公開されている地域についてもアップデートを行い、新たなダンジョンやクエストを追加していきます。究極的な目標は、アトランティス大陸にたどり着くことなのですが、その前に全世界を搭載しないといけません。南米やオーストラリア、アフリカ、北極、南極などですね。9月に韓国でユーザーイベントを開催したのですが、ユーザーからはあまりにもアップデートが早すぎるので、もっとゆっくりしてほしいという意見が出たんです。その分、いろんなコンテンツを用意してほしいという要望ですね。我々はそれに答えるべく、現在150人の開発体制で臨んでいます。

―― 今後、実装していきたいシステムはありますか?

キム 本作にはエンチャントや強化のシステムのほか、装備に対する製造、流通、分解まですべて搭載されています。現在考えているのは先ほど触れた「武術大会」です。無限リーグで全サーバ単位と国家間での戦闘が楽しめるようにしていきます。

 また、町の中に建てられる「住宅システム」も計画中です。住宅が建てばそこに一緒に住む人が欲しくなります。そこで一緒に住む人を探す「結婚システム」。そしてその2人から子供を産める「出産システム」の導入を考えています。そうなると、子供を育てることができる「育成システム」も必要でしょう。これらをコンテンツとして入れていく予定です。最終的には家族を形成していくわけです。

 「アトランティカ」開発の元は、人間と人間の出来事や、世の中にあるものをすべて入れたいという思いからでした。人間にとって家庭を作るより大事なものはありません。傭兵の育成やギルドの育成もそのひとつです。まさに全部入りを目指すわけです。

―― さらにシミュレーションへの特化を進めていくと?

キム 本作は戦略シミュレーションであり、経営シミュレーションであり、育成シミュレーションです。MMORPGの要因は持っていますが、シミュレーション要素を積極的に入れています。多様なシミュレーション要素をユーザーに楽しんでもらえたら幸いです。

―― 今後の日本独自の展開は?

森山 現時点では調整中です。とはいえ、何かしら日本独自のものはやりたい旨、話しているところです。日本のオープンβテストでは、クローズドβテストの内容に加え、北米大陸と中原(中国地方)、そして新傭兵がいくつか実装される予定です。それに伴い、ダンジョンも追加されます。正式サービスへの移行は、オープンβテストを行っていく中で調整していきたいと思います。

―― それでは最後にユーザーへひとことお願いします。

森山 本作はクリックゲームに疲れた人や、必ずパーティを組まないといけないゲームに疲れた人にもオススメのゲームです。一度プレイしてみてください。

キム 本作は当初から日本向けを意識して製作されました。ただ、単に簡単ということよりも多彩で戦略性があることを重視しています。日本のユーザーの皆さんにとって面白いゲームになると思っていますが、どのような反応が返ってくるのか楽しみです。少しでも興味持っていただき、1人でも多くの方に遊んでもらうことを期待しています。我々もさらなる改善のために常に掲示板を巡回し、公式サイトの意見に耳を傾けています。ご意見をどうぞよろしくお願いいたします。

―― ありがとうございました。


※画面は開発中のものです
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(C)2008 NDOORS Corporation. All Rights Reserved.


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