ニンテンドー3DSで採用される「裸眼立体視」技術ってどういうもの?:日々是遊戯
まさに青天の霹靂となった「ニンテンドー3DS(仮)」。専用のメガネなどを必要とせず、裸眼で立体視可能というのが3DSの特徴ですが、果たしてどんな方式が採用されるのでしょうか?
すでに実用化している製品もアリ
昨日突然発表された、任天堂の新型携帯ゲーム機「ニンテンドー3DS(仮)」。てっきりスペックが向上しただけの上位機種かと思いきや、まさかの「裸眼立体視対応」で、おおいにユーザーや業界関係者らを驚かせました。
ところで個人的に気になったのが「裸眼」で立体視可能という部分。現在、映画館や3Dテレビなどで多く採用されているのは専用の3Dメガネをかける方式ですが、果たして裸眼でどこまでちゃんと3Dに見えるのでしょうか? 可能なのだとしたら、果たしてどんな方式を採用するのか、3D技術に詳しい方にうかがってみました。
「裸眼立体視はすでに実用化されていますし、ゲーム機への搭載も十分に可能だと思います。各所の報道から推測すると、おそらくニンテンドー3DSではパララックスバリア方式(視差バリア方式)と呼ばれている技術を採用する可能性が高いと思います」(3D技術関係者)
パララックスバリア方式というのは、モニタの表面に縦縞状のフィルタを重ねることで、左目には左目用の映像だけが、右目には右目用の映像だけが映るようにしたもの。モニタ側では奇数列に左目用の映像を、偶数列に右目用の映像を表示しており、それをフィルタで左右の目に振り分けているわけです。フィルタの性質上、ある程度近い距離で見なければ立体感が得られないのがパララックスバリア方式の欠点ですが、もともと画面の近くで見ることが多い携帯電話や携帯ゲーム機などにはもってこいの方式だとも言えます。
「ただしパララックスバリア方式の場合、左目用の映像と右目用の映像を交互に表示するため、横方向の表示解像度は従来の2分の1になります。またフィルタに光が遮られてしまうため画面が暗くなりやすいといった問題もあり、このあたりをどうクリアするかがポイントになるでしょうね」(同関係者)
実際にパララックスバリア方式を採用している製品としては、日立製作所の3Dケータイ「H001」などが有名。またシャープもすでにこの方式を実用化しており、一部では「シャープが開発した裸眼3D液晶パネルを採用する見込み」との報道もあったことから、もし報道のとおりであればこの方式が採用される可能性は高いと見てよさそう。いずれにしても、裸眼立体視でゲームがどのように変化するのか、E3でのさらなる詳細発表に期待したいところです。
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