「カラテカ」っぽい景色が見たくて越前の寒さとコンバットしてきた:ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(3/3 ページ)
連載第92回は「カラテカ」(ソフトプロ)。書き始めてから気がつきましたけど、どんなスタンスで取り上げたらいいか難しいです。一般的にはマイナーだけど、レトロゲームファンには超有名ゲームということで。
アクマ将軍の城ならば 必ず緑の鳥が舞う
どうにかワナをクリアすると、カラテカはいよいよ、アクマ将軍の城の中枢部に入り込む。
出てくる敵も幹部クラスのようで、1つの部屋に1人しか出てこない。強さも幹部クラスで、今までの敵とは違って、中段蹴りの届く間合いに自分から飛び込んでは来ない。
敵の攻撃パターンを見極め、蹴りが途切れるタイミングを見計らって、間合いを縮めて中段蹴りを打つ。この際も十字キーを押す長さで、大きく踏み込むか、すり足で細かく詰めるかを調整しなくてはならない。体力は敵の方が圧倒的に高いこともあり、かなり長期戦となるだろう。間合いとタイミングが微妙で、はかるのが難しい。でもそのぶん緊張感があって、この戦いはおもしろかった。
幹部クラスの敵を5人倒して、部屋の扉を蹴破ると、突然、鳥が飛び込んできてカラテカを襲う。蹴っ飛ばして追い払えばいいのだが、タイミングが非常にシビア。
城に入ったばかりのステージでも鳥は襲ってくるが、撃退に失敗しても、ほかの敵が弱いのであまり影響はない。だがこの部屋に出てくる鳥は、続けて何羽も現れる上に、6羽撃破しない限り、カラテカの体力が回復しないのだ。
鳥を倒すと、遂にアクマ将軍と対決だ。ただし、アクマ将軍の部屋には、構えた状態で入らないといけない。もし、気をつけ状態から走って部屋に入ると、ドア付近でパンチを連打しながら待ち構えているアクマ将軍にKOされてしまうのだ。
アクマ将軍との戦いでは、思い切って後ろの部屋に戻り、広い所で戦った方がいい。手ごわい相手だけど、その前の幹部たちを倒してきたプレイヤーなら、何とか倒せるだろう。
ガードがっちりカラテカ!
1989年、ゲームボーイに「マスターカラテカ」が登場した(新正工業)。「カラテカ」のリメイク版といえる内容で、「カラテカ」をベースに、さまざまな要素を追加している。
まず大きな変更点は、カラテカに、パワー、ライフ、スピードという3つの能力値が用意され、ゲームスタート時に与えられた数値をそれらに割り振ることで、カラテカのタイプを設定できるようになったこと。ステージをクリアするごとに、これらの能力値を増やすことができる。
ただし正直、スピード重視にしないとキツい。スピードが遅いと連打が効かないだけでなく、移動速度も遅くなるため、そのぶん倒さなければならない敵は増える。また、並のスピードでも、強い敵の攻撃をかわすのは難しい。
もう1つ、敵の攻撃をガードできるようになったことも大きい。戦い方が「カラテカ」とはがらりと変わる。もっとも、敵の攻撃を見切ってガードするのは難しい。むしろこちらの攻撃が敵にガードされてしまう。
カラテカの攻撃に対する敵の反応は、後の対戦格闘ゲームで言うところの“超反応”で、普通に攻撃してもかなりの確率でガードされてしまう。「戦い方が変わる」と書いたのはそういう意味で、「カラテカ」より難度が上がっているのだ。
中段蹴りで、相手のひじにぎりぎり届く間合いだとガードされない、はずなのだが、敵によっては本当にピンポイントで当てないとガードされてしまい、全然ダメージを与えられない。しかも、ガードされたらすぐ間合いをあけないと、反撃の蹴りを食らうことがある。「カラテカ」と同じく、しばらく攻撃が当たらないと敵の体力が回復するから、なおさらきつい。
そのかわり、気をつけした状態で攻撃を食らっても、ゲームオーバーにはならなくなったし、ワナは真下で蹴りを1回出せばギロチンが落ちるようになったので、格段に回避しやすくなった。カラテカの能力が途中で上がるので、幹部との戦いは「カラテカ」より易しいかもしれない。
ただそれでも、クリアできなかった。「マスターカラテカ」では難易度が3段階から選べるのだが、最も易しいレベルでもダメだった。せめて対戦格闘ゲームのように、ガードしてる相手をキャッチして投げられるようになっていれば良かったのに。で、もしそういう仕様になってたら、この文章の小見出しも「ガードキャッチカラテカ!」って書けたのに。
ちなみに「カラテカ」の作者、ジョーダン・メックナー氏は、後に「プリンス・オブ・ペルシャ」を作ったそうだ。このゲームの滑らかな動きや、数多く仕掛けられたワナ、構えないと戦えない仕様は、言われてみれば「カラテカ」をほうふつとさせる。
ちなみに、対戦空手ゲームの「チャタンヤラクーシャンク」を作ったのはメックナーさんではない。
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