E3 2011に行ってきた(後編)――復習してみるソニー&任天堂:くねくねハニィの「最近どうよ?」(その42)(3/3 ページ)
くねくねハニィの「最近どうよ?」第42回目、先日の「E3 2011に行ってきた(後編)」を前置きもなく書いてしまおうかなと。長いけど、よろしこ。
ハニィのあとがき 〜E3まとめ〜
まとめるのが遅れて大変お待たせしました。結構盛りだくさんでしたよ、今年のE3。でもいろんなことが読めなくなってきてる業界であることは確かですね。GDCの時にも裏でAppleがiPad2の発表をしてましたけど、今回も(意図せずか?)当ててきました。E3の裏でWWDC(Worldwide Developers Conference)2011が行われ、Appleが基調講演を行って「iOSは世界一のゲームプラットフォーム」って言ったとか言わなかったとか。
ま、そんな話は置いといて、ハニィが思ったことをまとめてみました。E3に行かれた方それぞれがいろんな思いで帰国されたとは思いますけど、ハニィとしての感想を述べさせてください。
1.日本勢、元気なかったな
日本の業界では現行ハード(特にXbox 360とPS3)をいまだに「次世代」って呼んじゃう人も多いけど、既に欧米では開発にすっかり慣れてきた感じがします。明らかにクオリティが上がって来ているし、よくよく考えれば発売から5年も6年も経っているのですから、数をこなせばこなすほどクオリティが上がってくるのは当たり前かも。
正直に言います! 日本のメーカーさん元気ないなと。タイトル投入数でそう思うのか、クオリティでそう思うのか。いずれにしても、欧米ほど開発力アップが見られないという声をいろいろなところで聞きましたよ。残念ながら。
2.Wii Uが日本開発を救う?
そんな中、ホントの次世代(?)としてWii Uが発表されて、実はハニィは「驚き」と言うよりは「嬉しさ」を感じてしまいました。技術的なところで遅れをとる日本開発だけど、新しいゲーム性やアイデアはお家芸のはず。また、難しいハードを取り扱うのも、今から考えればプアなハードを叩いていた日本の開発者の得意なところのはず。任天堂タイトルしか売れない、と苦しめられていた(自業自得かもしれませんが……)3rdパーティが、今度は任天堂に救われるのでは? と思った訳です。
でもね……、Wii Uでは「いろんなことができそう」「既存の遊び方に限定されない新しいものが生まれるかも!」という声が多かった中で、「作るの大変そう」「考えるのが難しい」と消極的なことを言う人も多くてちょっとムッとしました(笑)。欧米人がエキサイトしているのに、日本人のその冷めた反応を見て、ココで頑張らんでどないすんねん! と大声で言いたかったりしたわけです。
3.ソニーの課題
新しい遊び方をフィーチャーした任天堂に比べて、ソニーはもう少しPlayStation Vitaの新しさを強調するべきだったのではないかな。どうしても価格やスペックに集中したカンファレンスだった気がします。
新しさで言えば、タッチ(特に裏面)はWii Uに負けず劣らずイノベーティブだし、「あんなことやこんなこともできるのさ!」ってもっとアピールして開発者やユーザーに提案しても良かったと思うんだけどね。開発者やメーカーの開発心を誘うのもプラットフォーマーの義務ではないかと。PS Moveや3D立体視の紹介時間を、PSVitaの「遊び」に振り分けても良かった気がします(1月に開催したPlayStation Meeting 2011で発表しているかもしれませんけどね)。
また、しつこいけど、キンドルモデルを採用しなかったことにちょっとだけ残念な気持ちになりました。3rdパーティにとっては、リスクを軽減するために、PS Vita向けに単独でタイトルを供給すると言うよりは、噂されるiPhone 5やiPadなど、iOSに向けて作ったものをPS Vitaにって思うことも予想される昨今、Appleとのビジネス的な差別化! が期待されたから。PSPがイケてた日本とはちょっとだけテリトリ事情が違う北米市場なのでココで踏ん張ってほしかったなと思うハニィでした。
いずれにしてもPSNの強化が鍵であることは間違いないので、今後のソニーの発表を待ちましょう。PSNがiTuneに負けずに、ユーザーやコンテンツ供給元を魅了すれば何の問題もないのだからね!
4.Game Critics Awards: Best of E3 2011
大昔のE3ではショー中日の夜に授賞式が行われていたGame Critics Awardsですが、今年のBest of E3は、6月29日(米国時間)にWebサイトで発表される模様です。
ノミネートのみ23日に発表されたので詳しくはこちらをご覧あれ。最終結果は次回の「最近どうよ?」で報告しますね〜。
くねくねハニィのプロフィール
1967年アメリカサウスダコタ生まれの日本人。
小学生からはゲームセンターに通いまくってやたら大きく育つ。
1990年に都内K大学を卒業後、大手ゲーム会社にて海外ソフト担当となり、2001年に退職。それ以降は自称フリーのゲームアナリストとして暗躍。暗躍しすぎたので名前を変えて表舞台に。くねくねと唐突に現れて「親父ギャグ」をかまして周りの人々のレベルを下げまくる。独特の語り口調ですが、もう慣れてくださいとしか言えません。言ってる中身は至極マジメなので。ちなみに「風来のシレン」が好物で、名前もそこから借用。なんだか公認してもらったそうです。
ハニィさんがE3 2011を総括してくれたのですが、いかんせん長すぎました。前編もどうぞよろしく。
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