ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」は今回が最終回です!:ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(3/5 ページ)
前回に引き続き、6年間の連載の中で、候補に挙がりながら取り上げられなかったゲームについて。今回は、取り上げられなかった理由がこの連載ならではというゲームが中心。連載最終回は第97回です。
ゲイムマンの すばらしきゲームたち(1)
記事は全部完成し、画面写真もひととおり撮り終え、全て出版社に提出したが、そのまま放っておかれて、遂に出版されることはなかった。各メーカーから掲載許可を取るのに時間がかかったので(慣れない電話交渉ゆえ)、そのことも影響してるのかもしれないが。
そしてオンデマンド出版で売ることに。タイトルは「ゲイムマンの すばらしきゲームたち(1)」。売れれば2巻以降も出せると思ってたんだよなぁ……。ただ、ドラクエの記事に大きな間違いがあることに後から気づいたので、売れてなくて良かったのかも。ちなみに全体の分量が多すぎたので、「ぷよぷよ」の記事は結局収録できなかった。
その後「テトリス」「ドンキーコング」「ぷよぷよ」については、AllAboutで書いた記事のベースになった。AllAboutでは新たに「ハイドライド」や「平安京エイリアン」の記事も書いている。
当「レトロゲームが大好きだ」では、時間のないときに「前に1回書いてるから、早く書けるだろう」と思って、そういうゲームを取り上げることが多かった。けど、結局あまり楽に書けたことはなかった。過去の文章は今から見るとやっぱり稚拙なところがあって、大幅に書き直す必要があったからだ。いや、今の文章も十分稚拙ではあるけれど。
「レトロゲームが大好きだ」の連載第1回では、「名作ゲーム・パイプライン」で最後に取り上げた「ベストプレープロ野球」を再び取り上げてみた。この第1回だけ短かったから、後に当連載の単行本が出たときに、加筆すればよかったかもしれない。
外野席のにわかファン
取り上げたいゲームリストの上位に、ずっと入っていた「クォース」(コナミ)。「上から来るブロックに、下から小さなブロックを撃ち込んで四角にして消す」というシンプルなルールながら、すごくおもしろいアクションパズル。わたしもハマったのだが、いざ取り上げようとすると、シンプルすぎて書くことが少ない。
「クォース」に限らず、アクションパズルのおもしろさは多分に感覚的なところが大きいので、文章にしづらい。ワンダースワンの初期の売り上げを牽引した「グンペイ」(コト)もそう。どちらも極めれば、高得点を取れる攻略法がいろいろ使えるのだろうが、わたしはそこまでゲームがうまくないのだった。
レトロゲームを極めた人からは、“偽物のゲーム好き”って批判されるんだろうなぁ……。わたくし、テレビゲームのにわかファンを30年やっております(←開き直り)。
でも、知識の浅いレトロゲームファンを“偽物”呼ばわりして排除しちゃうと、新しいファンが入ってこなくなって、レトロゲームというジャンルが衰退してしまうと思う。ゲームでもそれ以外の分野でも、そんな感じで衰退したジャンルをいくつか見たことがある。
レトロゲームの話から外れるが、ゲームハードやソフトを作る方々も、それらが初心者を排除するようなものばかりにならないよう、気をつけてほしいものだ。もちろんマニア向けのゲームはあっていいし、むしろそういうゲームの中にも、わたしが好きなものは多いのだが。……最終回なんで、よく話が脱線します、すみません。
まあこういう意見はわたしが考えたものではなくて、昔の週刊プロレスで、浅いファンのことを「東京ドームの興行を外野席で見るファン」と表現した上で、「そういうファンがいないとドーム興行は成り立たない」という趣旨のことを書いた文章を見た記憶があって、それの受け売りでしかないんだけど。
だから「クォース」や「グンペイ」のようなシンプルなゲームは、今後も出続けてほしいし、多分出続けるだろう。「テトリス」「上海」「ぷよぷよ」のような、過去のヒット作の移植という形が多いかとは思うが。
ゲームブックの面影
パズルゲーム以外でも、書くことが思いつかなくて、リストに入っていながら取り上げられなかったゲームがいくつもあった。
「セレクション 選ばれし者」(ケムコ)。ゲームボーイで2番めに早く作られたRPGである。ちなみに1番はもちろん、当連載でも取り上げた「魔界塔士Sa・Ga」(スクウェア)だが、発売日は2週間と違わない。
ゲームシステムはかなりユニークで、画面を見るとRPGではなくアドベンチャーゲームに見える。アドベンチャーゲームの画面や移動システムに、RPGの能力値や戦闘のシステムを加えたゲームなのだ。ゲームブックをほうふつとさせる。
後に続編「セレクションII 暗黒の封印」が発売された。さらに、同じシステムを使いながら、猫の国を舞台にしたメルヘンチックな雰囲気の「ネコジャラ物語」も登場。「ネコジャラ物語」は後にケータイアプリとしてリメイクされているし、初代「セレクション」は先日、3DSのバーチャルコンソールに入った。
こんなに個性の強いゲームなのに、なぜ書くことが思いつかなかったのかというと、この連載で過去に取り上げた「クレオパトラの魔宝」(スクウェア/DOG)と、システムがちょっと似ているのだ。もちろん発売時期が離れている分、後発の「セレクション」の方がボリュームがあり、ゲームとしての完成度も高いように思えるが。
あとは「マハラジャ」(サン電子)もこれらと似たシステムの、能力値や戦闘があるアドベンチャーだ。わたしはもともとゲームブックのレビュアーとしてライターデビューしたので、この手のシステムで新作ゲームを作りたいなあと思う。……ただ、ここで名前を挙げたどのゲームも、それほどメジャーじゃないのが気になるが。
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