ITmedia ガジェット 過去記事一覧
検索
連載

ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」は今回が最終回です!ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(2/5 ページ)

前回に引き続き、6年間の連載の中で、候補に挙がりながら取り上げられなかったゲームについて。今回は、取り上げられなかった理由がこの連載ならではというゲームが中心。連載最終回は第97回です。

PC用表示 関連情報
advertisement

大勢の偉大な先人たち

 「オホーツクに消ゆ」もそうだが、既に何人もの方々が舞台探訪をされていて、そのリポートを個人サイトやブログなどに上げておられるゲームは、記事を書いてもその後追いになってしまうので取り上げにくかった。

 例えば、最初は本格的な推理ものだが、プレイするたびに新しい、しかもまったく毛色の違うシナリオが現れるサウンドノベル「かまいたちの夜」(チュンソフト)。これも、ロケが行なわれた長野県白馬村のペンションを訪れるファンが多く、ちょっと検索すればご当地リポートがいくらでも出てくる。

 だいぶ以前、監督の麻野一哉さんに「連載で『かまいたちの夜』を取り上げます!」って約束したけど結局取り上げられなかった。麻野さんごめんなさい。

 また、“伝説のクソゲー”として知られ、今ではむしろ人気の高い「デスクリムゾン」(エコールソフトウェア)。このオープニング映像が、和歌山市の友ヶ島で撮影されたというのはあまりにも有名。当然、現地の写真をアップしているサイトも多い。エコールが現地でイベントを行なったこともある。わたしは「リアルサウンド 風のリグレット」(ワープ)を取り上げた際、割と近くまでは行っていたんだけど。

 これらのゲームよりはだいぶマイナーだが、「東京23区制服WARS」(マップジャパン)も、取り上げたかったけど断念したゲーム。その名のとおり東京各地が舞台となっているのだが、“東京23区”とうたっているのに8区しか出てこない。でも、「不思議な力を持つ制服を着た女子高生たちが、東京を支配する」という無茶な設定で、1本ゲームを完成させたことがすごい。わたしもああいうの作りたい。

 「東京23区制服WARS」を取り上げられなかったのは、舞台探訪を既にやってる方がおられたということもあるのだが、もっと大きな理由がある。背景グラフィックが実写ベースでありながら、どうしても撮影場所を特定できないものが多かったのだ。

画像 「北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ」。ファミコン版では荒井清和氏がグラフィックを手掛ける
画像 「かまいたちの夜」はシリーズ化された。PS Vitaの「真かまいたちの夜 11人目の訪問者」が第4作となる
画像 「東京23区制服WARS」。この駅がどこなのか、とうとうわからなかった。世田谷区内という設定だが

煮ると白身魚、生で食べるとイカの味

 あと、「ポケットモンスター」(任天堂)の舞台探訪もしたかった。もちろんポケモンの舞台は架空の土地なのだが、ディレクター・田尻智さんの地元である町田市の市内や、町田駅を通る小田急線とJR横浜線の沿線に、ゲームに出てくる町と似た場所が多いように感じたのだ。

 具体的には、市内の丘の上に最近まであった三菱化学の研究所は、オーキド博士の研究所っぽい感じがするし、芹が谷公園からはいつピカチュウが出てきてもおかしくない雰囲気。その後に舞台となる土地も、高尾山とか、向ヶ丘遊園とか、氷川丸、箱根の大涌谷、新宿、下北沢、江の島、多摩センターなどに見立てられる、と思う。

 ……このあたりは、10年くらい前に某社から出版する予定だった単行本に載せるはずだったんだよなぁ。「ドラゴンクエスト」のスライムを食べたらどんな味がするか、なんて話も載るはずだったんだよなぁ……。任天堂からもエニックスからも掲載許可をいただいいていたのに、出版の話がいつのまにかうやむやにされていて、仕方なく別の会社からオンデマンド出版で出すことに。

 ……40冊くらいは売れたと記憶している。

 各メーカーの掲載許可が下りていたのに、オンデマンド出版のシステム上の問題で、写真を載せられなかったのも痛かった。

画像 ゲーム業界に金字塔を打ち建てた「ポケットモンスター」。最初は初代ゲームボーイから始まった
画像 町田駅にほど近い、芹が谷公園。大きな噴水や広場もあるが、公園全体は木々の緑に囲まれている

名作ゲーム・パイプライン

 もともとわたしのレトロゲーム記事の原点は、「ウォーロック」という雑誌で1991年から連載していた「名作ゲーム・パイプライン」である。レトロゲームに限らず、古今東西のあらゆるゲーム(ゲームブックやボードゲーム、テレビのクイズ番組や、スポーツまでを含む)を取り上げて、ゲームの普遍的な面白さを突き詰めて考えていこうとしていた。

 当時凋落傾向にあったゲームブックに、ほかのゲームから面白さのエッセンスを取り入れれば、ゲームブックが再び巻き返すのではないか。そう思って、この企画を考えたのだ。だが「ウォーロック」が翌年休刊してしまったため、連載はわずか6回で終わってしまった。

 「レトロゲームが大好きだ」でも取り上げた、「桃太郎伝説」「ウィザードリィ」「ベストプレープロ野球」は、この「名作ゲーム・パイプライン」でも既に取り上げている。

 その後、普及し始めのインターネットで個人サイトを作り、1996年から1997年にかけて、「ゲームパイプライン」の続きをいくつか書いた。後に「レトロゲームが大好きだ」で取り上げたゲームでは、「ドラゴンクエスト」「ドルアーガの塔」「テトリス」「ストリートファイターII」「ドンキーコング」について書いている。

 それらの記事をまとめて某社に持ち込み、先ほども書いたが、単行本化されることが決まった。このとき、「ぷよぷよ」の記事を書き下ろしている。もうひとつ書き下ろしたのが、前述の「ポケットモンスター」の記事。

 「ウォーロック」と個人サイトで書いた記事は全て収録し、特に「桃太郎伝説」の記事は大幅に書き換えた。「レトロゲームが大好きだ」では取り上げていない、「ダンシングアイ」(ナムコ)、「ガボール スクリーン」(アンティノスレコード)、「ゼロヨンチャンプ」(メディアリング)についても書いている。

画像 「桃太郎伝説」の画面写真。単行本用にビデオプリンターで撮影したもの
画像 当連載でも「ときめき『ドンキーコング』」と書いたけど、単行本では記事のタイトルが「もっと!モット!ときめき」だった
画像 家庭用ゲーム機に移植されていない「ダンシングアイ」は、アーケード基板を買って画面をキャプチャーした

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る