世界最強ママチャリで往く! 埼玉発、東京湾行きサイクリング:散歩するガジェット(2/3 ページ)
最新型電動アシスト自転車ビビチャージ・W、16Ah予備バッテリー、自転車対応ゴリラナビ、ガーミンGPSサイコンというママチャリフル装備30万円オーバー仕様で、埼玉から葛西臨海公園まで往復約70キロメートル、荒川サイクリングロードを往ってまいりました。
国道4号が綾瀬川にぶつかる場所から南下
即、整備が行き届いている荒川サイクリングロードに行けば良いのですが、筆者が埼玉県在住につき、かなりの距離を一般道(国道4号線)で移動せねばなりません。そこで荒川に流れ込み東京湾まで続く、綾瀬川沿いに入りました。綾瀬川遊歩道は荒川サイクリングロードほど道幅はないのですが、歩行者の安全に注意して走れば自転車の走行も可能ということは草加市役所に確認済み。当然ながら歩行者優先です。
しかし、車道をくぐるように走行することができ信号がない荒川沿いとは違い、川沿いを走っていてもすぐ車道にぶつかり横断歩道を渡らねばならなかったり、大迂回を強いられたり、幅の狭い車道も走行せねばならないのは、河川の規模からいってもいたしかたがないところでしょうか。さらに2012年1月末現在、護岸工事などで通行止めの場所もあり、筆者のような事情がない限り最初から荒川サイクリングロードに入るのが良いでしょう。松尾芭蕉像があったりして遊歩道としては楽しめる要素が多いのですが、現状、サイクリングにはおすすめできません。
オートマチックでの走行が現実的
いよいよ荒川サイクリングロードに入ります。ところで、荒川サイクリングロードは時速20キロメートルの速度制限があります。ビビチャージ・Wでアシストモードをオートマチックで走行していると時速20キロメートル前後が快適に巡航できるスピードになるのでちょうど良いスピードではあります。一般道に比べて、サイクリングロードは逆走もなく比較的安全に走ることができました。しかし、筆者を倍ぐらいの速度で追い抜く暴走ロードバイクもなくはありません。一般道からサイクリングロードへ入る際やサイクリングロード走行中に停車する際は、十分に後方を確認する必要があるでしょう。筆者はバックミラーがほしくなりました。
それから、アシストモードは結局、ほぼすべてオートマチックで走りました。何度か平地充電モードを試してみたのですが、平地ではフィットネス用の自転車マシンを低負荷設定で漕いでいるようなペダルの重さなってしまいます。それでも旧型電動アシスト自転車のようにモーターを引きずるような重さはないのですが、よほど下り坂が続くとか、急な坂があってそこだけアシストがほしいとか、バッテリーの充電を忘れて困ったとか、特殊な事情がない限り使用することはなさそうです。
逆にいえば、それだけオートマチックモードが良くできていてバッテリー容量も大きいので、ユーザーは何も考える必要がないということでもあります。考えなくて良いということでは、ギアは2段目だけを使って特に何も操作せずに走ることも可能ですが、内装3段ギアをすべて使えばよりスムーズに走り出せ、時速20キロメートルにも早く到達しきびきび走れます。信号待ち後の青信号のスタートダッシュでは、ロードバイクや原付スクーターに勝つこともあったぐらいです。
「河口から0k」でもまだその先が
荒川は両側にサイクリングロードがあり、海へ向かって走ったときの右側(西側)は左側(東側)を走ったときよりも先に終わってしまいます。また、左側も海というにはずいぶん手前で終わります。
走りやすさとしては右側が良い気がしましたが、景色は左側が良い気もしたので、実走する機会があれば確認していただきたいポイントです。サイクリングロード脇に設置されている「河口から何k」の表示は、「ここはまだ海じゃないでしょ?」と思ってしまうような手前から「0k」を表示するのでうっかり「そろそろゴールか……」なぞと油断はできません。葛西臨海公園まで行く場合はペース配分に注意が必要です。地理でいうところの河口と、実際に走っている人間が思う河口にはズレがあるようです。
向かい風、ランプ点灯の帰路
さて、葛西臨海公園に無事到着しましたが問題は帰路です。ここでバッテリー残量が60%ですので、計算上は余裕で帰還できるはず。しかし、前日までの走行で葛西臨海公園までなら往復を走りきれるという感触を得て、せっかくの予備バッテリーを持たず車体重量の軽減を優先させてしまったのが悲劇を生むことに……。
まず、荒川サイクリングロードを上流に向けて走り出すと向かい風です。さらに季節が冬だということもあり、日照時間が短く、夕方になるとすぐLEDビームランプがオート点灯します。当然、行きよりバッテリーの減りが激しくなります。
結論からいうと、出発地点に戻る寸前にバッテリー残量が0%になってしまいました。見込み違いの大失敗だったのですが、おかげで電動アシスト自転車ならではの仕様を再確認できました。通常のママチャリは、ダイナモで発電してランプを点灯していますが、電動アシスト自転車ではバッテリーから給電してランプを点灯しています。つまり、バッテリーが切れるとランプも点灯しなくなります。これは夜間非常に困ります。
しかし、そこはちゃんと安全面に配慮されていて、バッテリー残量表示が0%になりアシストされなくなってもバッテリーはある程度残っていてちゃんとLEDビームランプは点灯しています。メーカーによると、ビビチャージ・Wの場合、ここで電源を入れたままにして走行継続すれば、ランプを点灯するために軽い回生充電を行うのでランプが消えることはないそうです。この仕様のおかげで平地充電モードで走行しつつ、つらくなると降りて徒歩で自転車を押すというのを繰り返してランプを点灯したまま自宅までたどりつけました。ただ、それまでアシストがあって快適だった分、それがなくなった際のギャップで余計にペダルが重く感じるということも存分に体感することとなりました。
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