ヒーロー系二足歩行ロボット「キングカイザー」が瓦割りに挑戦!!
ITmediaガジェットにも何度か登場、YouTubeではすっかり人気者の日本発ヒーロー系ロボット「キングカイザー」がまたしてもやってくれました! 特撮なし、ガチで瓦割りに挑戦です。
韓国からのリクエスト!?
ある日、あのリアル「リアル・スティール」ロボ、「キングカイザー」のビルダー、丸 直樹氏から筆者に届いたメールのリンクをたどるとそこには、瓦を前にした真っ赤なボディが……。
おお! お見事。しかし、ちょっとこれは事情を確認してみなければなりますまい、ということで丸氏にインタビューしました。
―― 「瓦割り」は韓国のテレビ局のリクエストだったとか?
丸氏 リクエストといえばリクエストなんですが、いま韓国のテレビ局から出演依頼が来てまして、その番組作りのための情報として「パンチ力はどれぐらいですか?」という問い合わせがあったんですよ。それでテレビ関係者向けに分かりやすいものをと撮影したんです。だからまだ、そのテレビ局と種子島さん(筆者)にしか、YouTubeにアップしたのを知らせてないんですが、いつのまにかそれなりに再生されてますね……。
―― そのあたり、海外のYouTubeウォッチャーは侮れないですね。しかし、いつもながら分かりやすいというか、インパクトのあるデモンストレーションですねえ。
丸氏 いつもはもっと準備して撮影するし編集もちゃんとするんですが、今回は急ぎテレビ局に観てもらわなければならなかったので狭い場所で1人で撮ったんです。だから、本来は人間の身体の動きをトレースするマスタースレーブシステムで操縦するんですが、簡易的に無線コントローラーで操縦しています。狭い場所だと使えないんです。マスタースレーブシステムが。
―― そういえば、空手は黒帯だと聞きましたが、だから「瓦割り」なんでしょうか?
丸氏 10歳の頃に空手と柔道をはじめて両方黒帯ですが、中でも空手の「瓦割り」が大好きなんです。少年部では瓦割りは禁止されていたのですが、どうしても試してみたくなり自宅の屋根の瓦をはがして試してみたら本当に割ってしまい、親父にぶっ飛ばされたりとか(笑)。
―― それは……。家のをはがしちゃまずいですよね。
丸氏 でも、その経験はちゃんとこのデモにも生かされていますよ。人間が演武する際に重要なのは、姿勢、呼吸、タイミング、力加減などです。一番大事なのは呼吸だと思いますが、ロボットにはありませんから関係ありません。となると、姿勢、タイミング、力加減に気をつけて制御プログラミングを書くことになります。
―― ただ力まかせ、というわけではないと。
丸氏 具体的には瓦を割る瞬間、「そのタイミングに力が集中するような動作をさせる」ということですね。なんか言葉にすると当たり前になってしまいますが……。あとは芯を捉えるというのも重要です。打撃が瓦の中心でないと、パワーをロスしてしまうんです。二足歩行ロボットには、これが結構難しいんですよ。工場の産業用ロボットと違って固定されていないですから、ポジションが重要になるんです。
―― なるほど! 格闘技の経験が、二足歩行ロボットの制御にも生きているんですね。ところで、韓国のテレビ局とはどんな話になっているんですか?
丸氏 今のところ8月に韓国での収録になりそうです。日本でも実際に「瓦割り」のデモンストレーションはしたいと思っているのですが、今年のROBO-ONEは大型機の部門やデモンストレーションがないらしいので、残念ながら「瓦割り」は披露できそうにありません。ROBOT JAPANならデモンストレーションできる部門もありますし、参加しようかどうか検討しているところです。参加することになったら、もちろん皆さんにマスタースレーブシステムで「瓦割り」を披露しますよ!
―― 夏は、いろいろとロボット関連のイベントも予定されていますがまた見どころが増えましたね。本日はありがとうございました。韓国での活躍も期待しています!
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