「RoboGames2012」に日本からドリームチームが参加した!! バトル編:ロボットのオリンピック(2/2 ページ)
アメリカ、サンフランシスコで開催されたロボットのオリンピック「RoboGames2012」では、二足歩行ロボットの格闘競技やサッカーのほかに、火薬を使用した過激な競技や機体を破壊しあう驚愕の競技などが行われた。「Team Robot Japan」の活躍も含めて紹介しよう。
動かなくなるまで破壊する、驚愕の競技「ComBots」
「ComBots」を大雑把にいうと、相手のロボットが動かなくなるまで破壊しあう競技だ(タイムアップで判定という場合もあるが)。これだけ分かりやすいルールもないと思うのだが、実際の迫力というか過激さというか余計な説明が不要というかなんというか、そういった点でも非常にアメリカンな競技といえるだろう。
普通のロボット競技だとバトルで相手を壊してしまうと、勝利したほうが心配して、申し訳なさそうに「大丈夫ですか?」と声をかけるシーンを良く見かけるが、「ComBots」では自分の機体が壊れてしまっても、ガッカリしたり恨みに思ったりするという感じではなく「良くやったな!」「お前もな!」というふうに健闘をたたえ合う感じなのだそうだ。過激な競技だが、一種のスポーツマンシップのようなものが根底にあるらしい。
ちなみにこの競技、一戦ごとにレースのピットストップのごとくパーツ交換と応急修理を行い、次の闘いに備えるため、参加には大型のロボット本体だけでなく大量のスペアパーツ、例えばタイヤなどが必要となり、各チームはトレーラーで会場にやってくる。その光景は、まさにカーレースか映画「リアル・スティール」のような世界。日本チームからも「参加してみたいね!」という話が出るそうなのだが、過激なロボット本体や大量のスペアパーツの確保などなど参加へのハードルが高く、どこから見てもアメリカ仕様な競技なため、強力なスポンサーが付いてアメリカに拠点でもできない限り参加するのは絶望的だという。
海外と日本のロボットに対する感情は違うのか?
筆者は、欧米ではロボットは奴隷だと思っているとか、映画などでロボットが反乱を起こして人間を支配するような内容が多いとか、そういったことを良く耳にするのだが実際のところはどうなのだろうか。丸氏によると「年配の人はともかく、子供たちのキングカイザーを見る目は日本とまったく違わないと思った」そうで、アメリカ人の子供がキングカイザーの体験操縦で感激し、身体全体で喜びに打ち震えているのを見て、丸氏も感激してしまい「参加して本当に良かった!」と思ったそうだ。shibata氏も、「基本的にロボット好きは万国共通」と感じてたそうで、「日本に比べて子供の反応が、喜ぶにしても、怖がるにしてもとても素直だった」そうだ。
そのほか「RoboGames2012」に参加して、トコトコ丸の網野氏は「お客さんがロボット慣れしていないので、何をやっても喜んでもらえる」のが新鮮に感じたそうで、トコトコ丸の演舞をはじめた頃のことを思い出したと振り返る。
来年への課題として、やはり“言葉の壁”を問題とする参加者が多かった。ロボットのデザインや動き、パフォーマンスに関しては言葉の違いを超越した魅力が大いに来場者に伝わったと思われるのだが、来場者から質問されたときなどなかなか明確に回答することができなかったり、技術的なことは説明できてもいわゆる世間話になったときにうまく話題に混じることができないことがあったという。また、言葉以外でも、観客全員参加型デモを行うなど工夫のしどころはまだまだあるという。
最後に海外とのコラボレーションも含め、開催期間のみならず開催前から「RoboGames2012」に精力的に参加したshibata氏にコメントをもらったので、本稿のまとめとさせていただく。
ロボットを持って、さらに持ち出しで海外の競技会に参加するのはとても大変なことです。「Team Robot Japan」は、多くの日本とアメリカと世界の仲間たちの協力で「RoboGames2012」へ参加できました。それらすべての人々に感謝を送ります。去年と今年と「Robogames」に行って私が確信したのは「世界の人々は日本のロボットを待っている!」ということ。ロボットビルダーにとって、日本に閉じこもっていては見られない景色が海外に用意されているのです。この記事を読んで、ひとりでも多くの人に「RoboGames」に興味をもってもらえる、そして、「一緒に行こう!」と手を挙げてくれる仲間が増える、ということがあれば本望です。
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