突っ込みどころも多かったけど……フジテレビ「ボーカロイド歌謡祭」盛り上がる
「1時間が短く感じた」「ニコニコのようなコメントがないと」などさまざまな感想が寄せられている。
4月6日深夜(7日午前)に放送されたフジテレビの「ボーカロイド歌謡祭2013(春)」に、ネット上から賛否両論の声が寄せられている。
同番組はフジテレビとドワンゴによるコラボ企画。「地上波初のボーカロイドに特化した音楽番組(1時間)」ということで大きな注目を集めていた。ネット上では午前2時10分に放送が始まると「キター」「ミクさーん!」と実況する視聴者が多数現れ、Twitterのハッシュタグ「#fujitv」や「#ボカロ歌謡祭」は大盛況となった。
番組の主なコンテンツは、ボカロ文化の紹介、ニコニコ動画をベースにしたVOCALOID楽曲のランキング発表(下半期TOP20、歴代BEST10)、そして次の5曲のライブステージ。ステージ披露曲――「39/初音ミク」「チルドレンレコード/IA」「セツナトリップ/GUMI」「Episode.0/GACKT&神威がくぽ」「Tell Your World/初音ミク」。
このうち、チルドレンレコードは特別PVという仕様で、他4曲はドワンゴのライブ施設「ニコファーレ」で披露された。ボカロキャラの「初音ミク」「GUMI」「神威がくぽ」がステージに現れ、独特のAR演出により“人”との共演を果たした。ところが、まだまだ発展途上な技術だったこともあり、「このミクさんは可愛くない」「CGがカクカク」「キャラクターと人間で影の向きが違う」など、厳しい指摘が相次いだ。それでも、最後に登場したセガ製のミクモデルは非常に出来が良く「初めからこれを出していれば」「技術の差がありすぎる」「素晴らしい」と、賞賛の声が上がった。
また、司会を務めた吉田尚記さんと杏梨ルネのやりとりは、放送中の吉田アナウンサーのツイートによると「台本ではない」とのこと。内容はともかく、リアルタイムに話して動ける「デジタルアナウンサー」の本領発揮となった。こうしたフジテレビの技術力とチャレンジ精神が感じられるシーンがあった一方、テロップ表示に「VOCALOIDO」とするイージーミスがあったり、「初音ミクが広まった理由」や「初代ボーカロイド」の扱いなどやや説明不足な場面もあった。
番組全体への感想としては「1時間が短く感じた」「ニコニコのようなコメントがないと」「予備知識がない人には悪くない」「放送時間がコアなファン向け」など、立場に応じたさまざまなコメントが寄せられていた。全国放送ではなく「地域格差」を訴える声もあったが、番組放送直後はフジテレビオンデマンドで無料配信を実施していた。現在は有料配信となっている。
ところで、「ボカロ歌謡祭2013(春)」というように、もしかしたら夏秋冬と続編があるかもしれない。セガの中の人(1号)さんは「次があるなら本気出す」とコメントしており、今後の動向に注目したい。
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