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ロシアのコスプレ事情は今  ロシア大型コスプレイベンター関屋智弘(せきや ともひろ)氏へロングインタビュー(前編)

ロシアで日系企業として初の大型コスプレイベント「HINODE」の開催に携わった人物に、ロシアのコスプレ事情やトレンドを聞いた。

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 本日はロシアにて日系企業として初の大型コスプレイベント「HINODE」の開催に携わられた、ジャパンハウスグループの有限会社イ・エヌ・インターナショナルの海外事業部に所属する関屋智弘(せきや ともひろ)氏にインタビューさせて頂いたので、その模様をお伝えする。

―― まず最初に、ロシアのコスプレ事情をお聞かせいただけますか?

 ロシアでも、実は10年ほど前からコスプレイベントは開催されていました。ただ、何百人も集まって、というよりは友達同士・ファン同士で集まるサークル的な感触のイベントが主流でした。参加者はもちろん運営側の人間もプロのイベンターではなく、「やりたいからやる」という気持ちを持った個人の方々の取り組みであることが少なくありません。

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―― そうした状況の中、ロシアで日系企業として初の大型コスプレイベントを開催された経緯はどのようなものだったのでしょうか?

 愛知県で開催されたWCS 2011(World Cosplay Summit 2011)に参加させていただいた際、すでに世界17カ国の代表たちが思い思いの衣装でコスプレを楽しんでいる中、ロシアの代表がいないことに気づいたんです。もともとグループがロシアで文化交流事業を行っていたため、問い合わせたところ、ちょうど日本のサブカルチャーをロシアに広めようとしていたことと重なり、代表選考会主催の名乗りを上げることとなりました。結果、WCSからご許可をいただき、正式なWCS 2012の選考会を開く形になりました。そのために立ち上げたイベントがHINODEです。

―― ロシアで開催されるにあたって苦労されたのはどういった点ですか

 国民性かなと思うのですが、ロシアの方たちは新しいものに飛びつきにくかったり、疑ってかかったりするのを実感しました。WCS選考会の優勝賞品が日本ツアーだったんですが、最初は信じてもらえなくて、「どうせ日本までのチケットだけで、日本についたらあとは全部自腹なんでしょ」と思われていたみたいです(笑)。これまでのイベントでは考えられない日本行きフルサポートや、スポンサーの豪華な製品が賞品だったので疑心暗鬼だったようでした。一方で、一度信頼関係が深まるとそこからのつながりは一気に強くなる、というのも特徴的ですね。

―― 今年は開催が2回目ということですが、昨年と比較して何か変化はございますか

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 昨年は、日系企業が行うイベント、WCSというタイトルもついている、ということもあってお陰様でいろいろな企業や団体からご支援があって、応募者、来場者あわせて1200人の方々にご参加いただけました。ただロシア国内で最大2000人の参加者をあつめるイベントがあると事前にリサーチしており、2000人を目標にしていたので、その点ではもっと頑張っていかなくては、とも思いました。

 2回目にあたって、すでに去年から30%増の450人のコスプレイヤーさんたちから応募があり、本イベントに対する関心の高まりを感じています。日系企業・地場企業との提携も進み、ロシアの企業からお問い合わせいただく機会も増えました。昨年HINODEを開催した際、モスクワのテレビ局から、イベントの準備期間中から終わりまでの長期取材を受け、その映像が特別番組として放送されたことも影響として大きかったと思います。嬉しいのは、昨年協力してくれたスポンサーの多くが再び参加してくれ、さらに新しい企業参加も増えたことですね。

―― ロシアのコスプレのトレンドはどんなものでしょうか

 個人的な意見ではありますが、コードギアス、タイガーアンドバニー、トリニティブラッド、エンジェルサンクチュアリー、D.Gray-manなど、衣装が豪華で凝ったものを題材に選ぶコスプレイヤーさんが多いという印象を受けました。一方で、ナルトも忍者ものとして人気がありますね。

 傾向としてはっきりしているのは、コスプレをやるのは10、20代前半の本当に若い世代が中心です。推測ですが、インターネットを通してアニメをリアルタイムで見られるようになってきたことが影響していると思います。アニメと漫画の影響度で言うと、やっぱりアニメのほうが上ですね。

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後編に続く

HINODE 公式ホームページ

英文:Interview with Tomohiro Sekiya, Organizer of Russia's First Large-scale Cosplay Event [1/2]

© Tokyo Otaku Mode Inc.

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