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アニメに欠かせない背景美術 背景会社studio Pabloインタビューvol.1

「惡の華」などのアニメの背景画を手がけるスタジオパブロは、手作業での背景作りを大切にしている。

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 皆さんは、アニメを見るとき背景を注意して見た事はあるだろうか。登場人物や声優はもちろんだが、作品の雰囲気作りには欠かせない重要な役割を果たしている背景画。美しく描き込まれた背景イラストを紹介するブログが人気を集めたり、実在する場所をモデルにした背景画が話題を呼びファンがその場所を訪れたりと、いま背景画は注目を集めている。スタジオパブロ(studio Pablo)は、日本でも数少ない手作業での背景作りを大切にしている会社である。「惡の華」(The Flowers of Evil)や「ヘタリア The beautiful World」(Hetalia: Axis Powers The Beautiful World)など人気タイトルを手がけるスタジオパブロに、そもそも背景イラストとは何なのか、また、手作業に対するこだわりを伺ってみた。

Q. まず、背景会社とはどういった会社なんでしょうか。

 アニメ制作の工程は何段階もあります。キャラクターひとつ例にあげてもキャラの動きの要所部分を描く「原画」、原画と原画の間の動きにあたる線を描く「動画」、動画のチェックをする「動画チェック」、キャラクターの基本的な色を決める「色彩設計」、シーンごとにキャラの色を決める「色指定」 キャラの色を塗る「仕上げ」 といった具合です。背景はそのキャラクターが芝居をする場所である学校や部屋などを描くのが仕事ですが、背景を専門に描いている会社が背景会社です。

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 仕事内容はキャラクターの住む世界の具体的なイメージをきめる「美術設定」という仕事、世界観のイメージをつかむための「美術ボード」を描く仕事、そして背景画を描く「背景」という仕事に分類されます。新人は背景から始めますが美術監督補佐や美術監督になると美術設定や美術ボードを描くようになっていきます。

Q. 1つの作品に対し、どれくらいの背景画が使われているのでしょう。

 30分枠のアニメ作品だとすると放送時間そのものは22、3分ほどですので、カット数は250から400程度です。 

 そのうち7、8割は新たに描き起こすのでおよそ180枚~300枚程描きます。

Q. 作品内で同じ背景を使い回すことも出来るのですか。

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 出来ます。「兼用」と呼びますが、兼用が多いほど描く枚数は少なくなり1枚にかける時間が増えていきます。

 兼用を作るかどうかは「絵コンテ」の段階でほぼ決まります。いつも出てくる場所、例えば主人公の家の外観などは兼用にして毎回同じアングルにしておくと、視聴者にはわかりやすくなりますし作業の軽減になります。作業が軽減されれば他の重要カットに時間をつくることができます。

Q. 具体的に依頼されてからどんな作業手順を踏むんでしょう。

 最初ご依頼をうけてから美術監督を決めます。美術監督は監督やプロデューサーや作画監督など作品の中核になる人達とどんな作風が良いかなどを話し合ってイメージをつくっていきます。 大体イメージができてきたところで作品世界のイメージを線画におこします。この線画を「美術設定」といいますが美術設定は作品の舞台の設計図になります。そしてその美術設定に色をつけた「美術ボード」を作成して作品に関わる皆で作品世界観を共有できるようにします。美術ボードを参考に背景マンが「背景画」を描いていきます。美術監督は背景画のチェックをして制作会社に納品します。

 主役であるキャラが活き活きと動けるよう、陰ながら支える背景には様々な工夫がほどこされている。次回は、そういった作業をほぼ全て手作業で行っているというこだわりについて伺う。→後半

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英文:The Vital Background Art: Interview with Background Company Studio Pablo Vol. 1

© Tokyo Otaku Mode Inc.

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