動くぞ! アップルシードの「ランドメイト ギュゲス」を再現 デュナンも体験してみた:二次元こっちこい
大日本技研と佐川電子、夢のコラボでちょっと未来が近くなる。
「ランドメイト ギュゲス」完成!
マンガやアニメの架空兵器などを原寸大で立体化してしまう巨大クラフト制作で、毎度毎度驚かせてくれる大日本技研ですが、以前紹介した「PDFクラフト ギュゲス1/1」と佐川電子の「パワードジャケットMK3」のコラボレーション企画、「ランドメイト ギュゲス」がほぼ完成。ワンダーフェスティバル 2014[冬]の大日本技研ブースで展示予定ですが、今回、いち早くメディア向け体験試乗会が開催されました(脚部の塗装が間に合わず白いのですが、ワンフェスではブルーに塗装された完全版が出展されます)。
このコラボは、「PDFクラフト ギュゲス1/1」と「パワードジャケット」シリーズのプロモーションのために企画され、外装を大日本技研が、内部機構を佐川電子が担当することで、劇中のように人が乗って動かすことができる、SF二足歩行兵器を再現しようというものです。
「ランドメイト ギュゲス」を体験!
それではいよいよ、筆者の体験リポートです。実際に見るまでは、パワードジャケットMK3にガバっと外装が被せてあるイメージだったのですが、実物はさにあらず。MK3の上半身と下半身(脚部)を切り離した状態に、外装が装着されているというものでした。
そのため、搭乗者もパーツの一部といった感じなんです。これはどういうことかというと、MK3の脚部を装着した搭乗者が「ギュゲス」の上半身を支える――。つまり、それなりに筋力が必要とされるんです。また、パワードジャケットの脚部を見て、「竹馬みたい」などという感想もよく聞かれますが、本当に竹馬みたいに慣れとバランス感覚も要求されるのでした。
ということでフル装備での体験は、万が一転倒してワンフェス出展前に大破なんてことになったら問題ですので辞退。上半身と脚部、それぞれ別に体験させてもらいました。
「ギュゲス」は搭乗者の動きをトレースして動作させるという操縦方法なため、上半身を固定した後(今回の体験では固定せず)、自身の両腕を「ギュゲス」の内側の腕の中に通して内部のグリップをつかみ、カチューシャを頭部に装着します。
腕を動かせばそれがトレースされてその通りに「ギュゲス」の腕も動き、グリップのボタンを押すと手を握ったり開いたりします。頭部を左右に動かせば、「ギュゲス」の頭部も連動して左右に動きます。
MK4と違い、MK3は脚部にモーターが装備されていないため、脚部は装着した本人の肉体が動力源です。重いというよりはバランスが難しいという感じで、パワードジャケット生みの親である、佐川電子の町氏は楽々乗りこなしていましたが、筆者はカーボン材の黒い杖が手放せませんでした。
コスプレイヤーさんのデュナンが登場!
筆者のヒゲづらばかりお見せしてもしょうがないので、ここで「アップルシード」の登場人物であるデュナンにふんした、コスプレイヤーでコスチューム制作者のShin'さんに登場してもらいましょう。ちなみにShin'さん、デュナンのコスチューム以外にも「ギュゲス」のハンドカバー(手袋)の制作も担当しています。
デュナンを再現するにあたっては、作中の女性のシルエットを再現するためにギリギリまでぴったりとしたコスチュームを制作。胸部のまるで重力に逆らったかのようなフォルムには特に手間をかけ、造形したものをコスチューム内に仕込んで再現しているそうです。作品から抜け出てきたかのようなしなやかなスタイルに凜々(りり)しい表情、「攻殻機動隊」などほかの士郎正宗氏作品のコスプレ経験が豊富なだけあってお見事です。
今後の展開に期待大
結局、体験会当日、上半身、下半身ともにフル装着できたのはパワードジャケットMK3にいちばん習熟している佐川電子の町氏だけだったのですが、外装自体は材質がライオンボードがほとんどということで軽量なものの、液晶モニターや電源などを加えるとそれなりに重いうえ、ライオンボードはそもそも断熱材なため、内部に熱がこもりやすいということに……。
町氏によると、冬場でも「ハッチを閉めた内部は熱いです」とのこと。やはり、夢のSF兵器再現のためには、それなりの体力と精神力が必要とされるようです。実際、筆者も上下がばらばらの状態で体験してみて原作と同じく「ロボットというよりは、スーツに使いな……」と思いました。ロボットに乗っかって楽々運んでもらうという乗り物ではなく、自分で着て自分で動かす……いわば、ものすごい装備のコスプレ(着ぐるみ)なのだなあという。
今回紹介した「ランドメイト ギュゲス」、さすがにそのままを購入することはできませんが、外装を制作する際に元となった3Dデータは「PDFクラフト ギュゲス1/1」(DVD-ROMメディア製品)として、内部機構のパワードジャケットは受注生産品として実際に販売されています。気になった読者諸兄姉は公式サイトを確認してみてはいかがでしょうか。
PDFクラフトとパワードジャケットの反響次第では、また改良された搭乗可能作品が制作される可能性もあるとのことなので、今後の展開に大いに期待したいと思います。既報のパワードジャケットMK4についても、プロジェクト継続中ということでしたので新情報が待たれるところです。
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