ニュース

艦これ提督的ウォーゲーム要務令「太平洋戦史」編軍神曰く「21世紀のVictory in the Pacific」(3/3 ページ)

時は西暦1941年12月8日、帝国陸海軍は西太平洋上において米英と戦闘状態にいれり。その3年9か月後、帝国の現状に鑑み、共同宣言を受託する旨通告せしめたり。

advertisement
前のページへ |       

勝敗の行方は提督の決断次第

 さーて、とりあえず、日本軍はシンガポールとフィルピンとボルネオを占領して第1ターンが終わったね。史実ていうところの第1段階作戦完了といったところだ。続く第2ターンからが本当の勝負の始まりだ。史実でいうところの第2段階作戦だな。ここで、日本はどこに向かうのか。ソロモン諸島からサモアか、セイロン方面か、それともでっかくオーストラリアかハワイ方面か。

 太平洋戦史では、取りうる作戦の幅は広い。いずれの作戦もやってやれないことはない。簡単なルールで短時間で終わるウォーゲームや、逆に史実を忠実に再現するために複雑なルールを取り入れたウォーゲームでは、ゲーム展開の幅が狭くてワンパターンということが少なくない。

 しかし、太平洋戦史は、日本も連合軍も多彩な作戦を競い合える。また、港湾の得点設定も絶妙でこれがゲームの勝敗バランスをうまく調整している。ゲームシステムはシンプルで把握しやすいが、ゲーム思考は幅が広く複雑だ。

advertisement

 このことをよく示しているのが、太平洋戦史のプレイ時間で、ウォーゲームの経験が少ないビギナーの戦いでは2時間ほどで終了するが、ベテランウォーゲーマー同士では、3時間前後となることが多い。ゲームルールがシンプルなのでゲームを進めるのには時間がかからないが、戦略を深く考え出すとその展開の奥深さに時間を消費してしまうことを示している好例と言える。

作戦的な展開が幅広く勝敗はどちらの側にもある、そして、短時間で終わるということで、ウォーゲームサークルではトーナメントも行われるほどに人気が高い

 さあ、艦これ提督のあなたも、この先は自分で戦略を練ってみよう。南雲機動部隊を率いてセイロンに進み英海軍を殲滅するもよし、日本本土空襲を防ぐためミッドウェーに向かって米空母部隊と決戦するもよし、ソロモンからポートモレスビーを奪ってオーストラリアを攻略するもよし。資源がある限りその可能性はある。資源があれば、だが。

 ただし、慢心にはくれぐれも注意されたし。艦これWikiや解説で学んだように、インド洋作戦における驚異的な命中率や田中少将率いる第2水雷戦隊の活躍、金剛榛名の艦砲射撃といった日本軍にとって有利な逸話も、ミッドウェーの慢心やマリアナ沖の七面鳥、珊瑚海海戦の艦種誤認などなど不利な逸話も、イベントカードとして登場する。奇襲を受けて空母部隊全滅とならぬよう、気を引き締めてサイコロを振られたし。

 そして、73年前のきょうに始まったあの戦争で、どれだけ多くの艦が沈んでいったのかをその身をもって体験してほしい。ボードウォーゲームでは「戦争は艦娘の顔をしていない」(元ネタはあれこれ)ことがよく分かるだろう。

太平洋戦争で起きたエピソードはカードのイベントとして再現する。“日本軍の慢心”では、連合軍の空襲力と戦闘力は2段階アップ、日本軍は2段階ダウンと凶悪な効果を発揮する。ただし、状況によって、カードを“資源”として使いたいときが多いので、その決断に苦慮することになるだろう。これぞ、太平洋戦争の海軍作戦における“最も大きな悩み”を再現していると言える
前のページへ |       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

記事ランキング

  1. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  2. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  3. 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
  4. フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  5. 毛糸でフリルをたくさん編んでいくと…… ため息がもれるほどかわいい“まるで天使”なアイテムに「一目惚れしてしまいました」「うちの子に作りたい!」
  6. 「申し訳なく思っております」 ミスド「個体差ディグダ」が空前の大ヒットも…… 運営が“謝罪”した理由
  7. 餓死寸前でうなり声を上げていた野犬を保護→“6年後の姿”が大きな話題に! さらに2年後の現在を飼い主に聞いた
  8. 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」
  9. 「釣れすぎ注意」 消波ブロック際に“カツオを巻いた仕掛け”を落としたら…… 驚きの結果に「これはオモロい!!」「こんなにとは」
  10. 「リンゴを○○で巻いて焼くとヤバい」 リンゴ農家がオススメする“意外な食べ方”に30万表示の反響 「絶対においしいやつ」