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埼玉県警「チカン抑止シール」の使い勝手を検証してみた

2009年から販売されている「痴漢撃退シール」がベース。

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 埼玉県警鉄道警察隊が電車での痴漢行為抑止を目的に配布している「チカン抑止シール」が話題となっています。

埼玉県警鉄道警察隊が配布している「チカン抑止シール」

 このシールは、携帯電話などに貼って使うシールで、表面には埼玉県警のマスコットキャラ「ポポ美ちゃん」のイラストとともに「×」印と「さわらないで!」という文字が書かれたもの。シールを見せることで痴漢行為に歯止めをかけることが目的です。警告しても行為が止まらない場合は、シール表面をはがしてシールの2層目を痴漢の手に押し付けることで、赤い「×」印を残すことができます。

「チカン抑止シール」の使用方法を説明したチラシ

 女性が痴漢にあった際に声を上げづらいという意見をうけて作られたもので、2015年1月から同隊の派遣所などへ痴漢相談に訪れた女性に無料で配布されています。また、希望すれば誰でももらうことができ、遠方の方などは郵送も可能です。

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手の甲に付けられた×印

 シールが話題となると、ネットユーザーの間では賛否の声があがっています。シールがあることで「少しでも痴漢の抑止になれば」、「声をあげることは難しいので少し安心かも」といった期待の声がある一方、「満員電車のなかで痴漢されながらシールをはがす余裕なんてない」「痴漢冤罪が増えそう」といった声も。

 シールが正しく使われ、痴漢行為の抑止につながるのか、埼玉県警鉄道警察隊に聞いてみました。

 「手のひらに×印が付いていたからといって犯人と決めつけることはありません。あくまで補強証拠です。目撃者の確保や捜査するうえで、客観的な証拠のひとつとなります。使用者は痴漢行為をされているときに印を付けてください。また、身動きがとれないほどの満員電車ではシールを見せる、印を残すことは難しいかもしれません。その時は、声を出す、かばんなどの荷物で防ぐ、体をよじる、痴漢をにらむなど、状況に応じて最適な対抗手段を選んでいただければと思っています」

 実際に使い勝手はどうなのか? 編集部でシールを用意し、20代女性記者が使い勝手を検証してみました。

痴漢発生
まずはシールを見せて警告
行為が止まらない場合はシールをはがす
行為中の手の甲に「×」印のインクを残す
すぐには消えない仕様
補強証拠となる

 使い方は簡単でしたが、体験した女性記者によると「痴漢されているときに震えた手でシールをはがせるかどうかは疑問。はがすのもコツがいりました」とのこと。ただし、「意思表示として『さわらないで』の文字を見せるのは有効だと思います」という感想も。あくまで選択肢のひとつとしてあれば安心という程度でしょうか。また、骨ばった部位ではインクが付きにくく、手の甲の親指下あたりの柔らかい部分に押し付ける必要があったのでご注意を。

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 ちなみに、このシールは2009年から神奈川県シール印刷協同組合が販売していた「痴漢撃退シール」をもとにしたもの。仕組みは基本的に同じで、「痴漢撃退シール」は異なるイラストの3枚のシールが入ったセットが2パターンあり、1セット500円(税込・送料別)で販売されています。

2009年から販売されている「痴漢撃退シール」

 同隊によると、4月から6月にかけては、新学期で慣れない路線で通学する学生が多いことや、薄着になっていく時期ということから、特に痴漢が増えるシーズンとなっているそうです。

林健太

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