百貨店の正月休みは「英断」か テナント側から労働環境改善を重視したと感謝の声
「正月三が日ぐらいご家族とゆっくり過ごせる様にしたいと思うのは夢物語なのでしょうか」。
百貨店の伊勢丹と三越の一部の店舗が、来年1月1日と2日を休業し3日に初売りとなることを「英断」と評価したツイートが話題となっている。
パイやクッキーなど洋菓子を取り扱う銀座ウエストのTwitterアカウントが「百貨店にとって稼ぎ時の2日に休業されるという事は、売上増よりも我々テナント社員の労働環境改善を重視して頂いたものと感謝致します」と投稿すると、「すばらしい英断」「従業員もお正月をゆっくり過ごして欲しい」と評価するコメントが続々と投稿。テナント勤務の同業者からもうらやむ声とともに喝采が寄せられている。
1月1日と2日を休業するのは伊勢丹が新宿本店、立川店、浦和店、松戸店、相模原店、三越が銀座店、千葉店、恵比寿店(伊勢丹の府中店や三越の日本橋本店など対象店舗以外は1日からの営業)。休業日数の規制緩和が進んだ1995年以降、百貨店の営業時間と営業日が拡大し、多くの百貨店やスーパーがほぼ無休で営業することになった。現に西武・そごうは年中無休で営業、高島屋や京王・小田急・大丸松坂屋も原則休みは元旦のみだ。
三越伊勢丹ホールディングスの広報によると、営業時間と営業日の拡大により、従業員の働く環境が厳しくなり販売サービスの低下を招いたとして、2009年度より営業時間の短縮を、2011年度より元旦以外の店舗休業日を導入しているとのこと。食品業界を含む取り組み先からも、販売員の労働環境改善や人材の安定確保などの観点から営業時間の短縮や店舗休業日を求める声があがっていたんだそう。
今回の施策はこれまでの取り組みの一環で、今後の状況を見て休業日の拡大を含め検討していくとのこと。なお、3日が初売りになったことについて販売員からは特に反応は寄せられていないというが、正月をゆっくりすることで「お客さまにより質の高く手厚い販売サービスを提供することができる」のではないかとコメントしている。
銀座ウエストのツイートでは「いつの日か日本の全ての百貨店・スーパーの従業員が正月三が日ぐらいご家族とゆっくり過ごせる様にしたいと思うのは夢物語なのでしょうか」ともつづられている。
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