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北の味わいを満喫しよう 「ゴールデンカムイ」アシリパさんのときめきレシピあのキャラに花束を

あー、ヒンナヒンナ。

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 「このマンガがすごい!」オトコ編2位を取った「ゴールデンカムイ」。金塊を手にするために、その場所を示すと思われる暗号の刺青を入れられた男たちを巡って、血で血を洗う戦いを繰り広げる、20世紀初頭北国ハードアクションコミックです。

エゾオオカミと、凛々しい少女アシリパさん。絵になりますねえ

 この作品はグルメマンガでもあります。

 主人公の杉元佐一は日露戦争帰りの兵士で、通称「不死身の杉元」。彼はアイヌ少女アシリパさん(リは小文字)と会ってからは、対人戦以上に自然と戦い始めるハメになります。北国北海道、なめてかかるとすぐに死ぬ。食わねば死ぬ。というかうまいもん食いたい。

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 アシリパさんは、気高い狩人の少女。彼女が動物を狩って作るアイヌ料理が、まー大自然感あふれるびっくりなものが多いのなんの。

アシリパさんと食べよう!

 アイヌの生活は基本的に狩猟と採取。「あらゆるものに神様が宿る」と考え、一切を無駄にせず大切に食べ、生活用品にします。

 アシリパさんが最初に杉元に食べさせたのは、リス。リスは小さすぎて肉を外せない。頭からまるごと「チタタプ(プは小文字)」とよばれるミンチにします。基本は新鮮なままで生食。食べきれない時は汁物に入れて煮る。

 1:リスの皮をむく。切れ目を入れて引っ張れば服を脱がせるように手でむける。

 2:胆嚢(たんのう)が特に苦いため、内臓をしごきだしてきれいに洗う。

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 3:頭からタシロ(山刀)でたたいてチタタプにする。チタタプは交代しながらみんなで叩く。肉団子は血も骨も一緒にして丸める。

 4:ニリンソウと一緒に煮込む。

 5:ヒンナ!

これ絶対美味しいやつだ!(1巻5話)

 本来は新鮮な生のまま食べるもの。しかし和人はお上品だから、と杉元にはつみれ汁にして食べさせます。あらゆる動物を獲った際、アイヌの流儀に乗っ取って「脳や目玉はおいしいから食え」と薦めます。杉元は知らないことだらけでビビリまくり。でもこれって最上級のおもてなしでしょ。

カワウソの頭。丸ごと煮込んで食べると大変美味だそうです(2巻14話)

 一番いいところを杉元に食べさせたい、というアシリパさんの思い。彼はそれを汲みとって、アシリパさんの出してくれる料理を食べます。決して文句は言いません。そして「ヒンナ(食事に感謝する言葉)」とうなずきます。それが生の鹿の肝臓だろうが、巨大魚の目玉だろうが。

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 絵面的にはゲテモノ。けれど「おいしい」と思って食べている人がくれたものを、粗末にはできない。実際おいしいかどうかは、食べたことないのでわからないけども。脳みそなー。

一緒に食べたことで生まれた信頼感

 一方、アシリパさんが苦手なものもあります。日本人の食べる、味噌。「オソマ(ウンコ)」と呼んで拒絶反応を示します。日本人の杉元はたまには味噌をつけて塩気を取りたい。とはいえ彼女が嫌がるものを食わせるわけにはいかない。

 しかし、杉元と行動をともにするうちに、アシリパさんは味噌の入った桜鍋を、ついに口にします。

このマンガでもっとも感動的なシーン(3巻20話)

 彼女が杉元のことを心から信じ、受け入れた瞬間でした。

 アシリパさんは、雪上においては杉元を凌駕するくらいに秀でた、走る馬を射抜くほどの弓の名手です。ヒグマ相手にもたじろがない、勇敢な戦士。

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 けれどもさ、まだ子供なのよ。少女なのよ。どんなに強かろうと、杉元と違って戦場で人を殺してきたわけじゃない。元気に駆けまわってはいるものの、父を失い、さみしいのよ。

 その彼女が、父を探すために杉元を相棒として認め、ともに戦うことになった。アシリパさんは知恵を出し、杉元は手を汚す。後から合流する、情報収集に長けた(役立たずだけど)脱獄王・白石と三人組になると、緊迫感はどこへやら、楽しそうに見えるほど。

 彼女は杉元に会うまで、笑わなかったらしい。しかし杉元と行動し、巻を増すごとに、どんどん笑顔になります。

金塊探しに囚人を追う男、父を探すため戦う少女、脱獄囚……には見えない凸凹三人組(4巻38話)

 基本的にアイヌの教えを守る、厳格な性格の彼女。ところが作中で、どんどん考え方が雑になります。アイヌの伝統を、おいしいものを食べたいがゆえに、都合よく解釈してしまう。

 よく言えば思考が柔軟。臨機応変に自分を合わせていきます。家にとどまって編み物をするより、山を駆け回って狩りをすることを好む彼女。「わたしは新しい時代のアイヌの女なんだ!」。アイヌの動物たちへの信仰も、彼女は「人間が狩猟し、生きるための現実的なテクニック」だと考える。現実的です。

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 相棒である杉元には絶対的な信頼を寄せ、彼女は自らの考え方すべてをさらけ出します。私はアイヌテクで戦い方を教えよう、お前は私を信じろ、と。杉元もまた、アシリパさんの言葉を全て信用します。彼女の身に迫る危険を許しません。杉元がアシリパさんに「さん」を付けるのもよくわかる。

彼女が手に持っているのは、「ストゥ」というアイヌの制裁棒。乱用は許されない(3巻19話)

 杉元は、女の子に迷惑はかけられない、と考えて1人で行こうとしたこともありました。けれど、その時捕まってしまい、アシリパさんに助けられました。2人一緒じゃなきゃできないことが、北海道の大自然にはたくさんある。役立たずの白石を引き連れ、極寒3人旅が始まります。

 ところで、2人の間に信頼はありますが、恋は芽生えていないようです。雰囲気見てると、アシリパさんには芽生えそうなんだけどなー?

(C)野田サトル/週刊ヤングジャンプ・集英社

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