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公式Twitterアカウントがはっちゃけ過ぎていると話題のゲーム「空戦乙女」 終了の原因はガチャの確率を上げすぎて継続的な収益があげられなくなったこと

空戦乙女の運営に携わる「中の人」に聞いてきた。

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 公式Twitterアカウントがはっちゃけ過ぎていると話題のゲーム「空戦乙女」(関連記事)がタイトルを新たに復活し事前登録受け付けを開始。再び話題となっている。タイトルは「空戦乙女☆ヴァージンストライク」から「空戦乙女 -スカイヴァルキリーズ-」に変更、またそれに伴いプラットフォームも「DMM」から「にじよめ」に変更している。

 今回、ふとしたつながりから「空戦乙女」の運営に携わる「中の人」に会うことができた。「空戦乙女」が終了した原因は何だったのか、またその復活について話を聞いた。


公式Twitterアカウント

「にじよめ」で展開される新しい「空戦乙女 -スカイヴァルキリーズ-」

「空戦乙女」終了の理由

 空戦乙女が一度終了したのは、資金繰りがうまくいかなくなったため。売り上げが落ち、ゲームが終了するほどのダメージを受けたという。要因は2つ。1つはガチャの確率、もう1つが「お詫び」としてプレゼントしたチケットだったと中の人は話す。

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 「ガチャの確率」はたびたび話題となるが、「空戦乙女」経営難の要因の1つは「大当たり」の確率を上げすぎてしまったこと。「通常、最低レアリティ(はずれ)が85%、当たりが10%、大当たりが5%だが、以前の空戦乙女では最低レアリティが60%、当たりが30%、大当たりが10%という確率で設定してしまった」という。実はこれは戦略で、あまりメジャーでないゲームを流行らすには高確率にした方がユーザーの満足度が高くなるのではないかという考えのもと行われた施策。しかし現実は短期的な売り上げは上がるものの、ユーザーは引きたい大当たりがなくなってしまい売上げが大幅に下がった。途中で確率を変更するわけにもいかず、中長期的な戦略がないまま進んでしまったことが大きなダメージとなったようだ。

 もう1つの要因が「お詫び」としてプレゼントしたチケット。これまではメンテナンスなどで一時サービスが中断しても「ガチャ1回分のチケット」や「回復チケット」の提供だった。しかし、あるときゲーム内の説明文で「てにをは」が1文字違っているだけで「大当たり確定チケット」を全員に1枚配ってしまったのだという。社内では「大当たり確定チケットを簡単に配布していいのか」と議論があったものの、「ユーザーが喜んでくれるのであれば」との理由で最終的に配布を決定した。「これによって、ユーザーのモチベーションが下がってしまったのではないか」(中の人)。


開発している途中でリリースしたという「空戦乙女☆ヴァージンストライク」

 この経験から、新「空戦乙女」では確率を改善していくという。ここで気になるのが「確率操作」の話。確率操作について尋ねると「今までもしていないし、これからも当然そのようなことはしない」と話す。

 「私たちは確率操作について『何をもって確率操作というか』ということを考えている。明らかな操作は論外として、確かに現状それが『操作』に値するかどうか複雑な面もある。『仕様』なのか、『操作』なのか。例えば、全部入った箱の中から当たりはずれを選ぶのか、それとも最初に当たりはずれの基準だけ決めて、そのあと当たり(または、はずれ)の箱の中からキャラクターを選ぶのかなど、各社の考え方はまちまち。これはどれが正しいとも言えない。私たちは、そこがユーザーの不利益になってしまわないよう気を付け確率を設定する」との見解を示した。


アメイジアの「エンジニア10カ条」

なぜ、復活を試みたのか

 サービス終了時、画面左上に「…また、どこかの空で!」と小さく書かれていた印象的なフレーズを記憶している人も多くいるのではないだろうか。実はあの言葉はデザイナーによってさりげなく追加された言葉。当時、「やり直したい」という気持ちはあったもののまだ今後どうなるか分からない状況だったが、この一文を見てグッときたCTOが公式ページに採用した。――「立つ鳥跡を濁さず」(CTO)。

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サービス終了時表示された「…また、どこかの空で!」

 ここで疑問なのが、なぜ経営的困難がありながらも復活に至ったのかということ。その理由を「彼女たちの本当の魅力をまだ引き出せきれていなかったから」と中の人は言う。作る側がまだ完全燃焼できていなかった。「ゲームなんて、いつか終わる。でも終わった時にユーザーが『このゲームをやっていてよかったな』と思えるようなものを作りたい」(中の人)。

 あの「ファンキーでクレイジーな公式アカウント」もそういったことから来たもの。もともとお知らせ程度に使用していたTwitterアカウントだったが、「ゲーム以外でも空戦乙女と魅力を伝えていきたい」と自分の思いのたけをぶつけるようになったという。プラットフォームを提供してくれたDMMへの配慮から、完全にふっきれたのはゲームを終了してから。「世の中の萌えミリタリーの波の中で、このままいったら忘れ去られてしまう。こんなんじゃ司令官(ユーザー)の心には響かない! Never Forget Me!!」――Twitterアカウントの発言をなんとか記憶に残したかった。

 今はなき「空戦乙女☆ヴァージンストライク」の開発期間は2014年6月~11月の約半年、生まれ変わった新「空戦乙女 -スカイヴァルキリーズ-」は約3カ月半だそう。「…また、どこかの空で!」が現実になる日がもうすぐ訪れる。

太田智美

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