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「フェイクって悲しいよね」 ドイツのアニメファンイベント、海賊版対策に動く 「最もひどい海賊版コンテスト」実施(1/2 ページ)

アニメグッズなどの海賊版が流通するドイツの現状を変えたいと立ち上がったドイツ人にインタビューしてきました。

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 ドイツ最大級のアニメ・漫画ファンイベント「Connichi」(コンニチ)が、アニメのキャラクターグッズなどの海賊版撲滅を目指す活動の一環として「海賊啓蒙(けいもう)デー(Piracy Awareness Day)」を実施すると発表しました。


「海賊啓蒙デー」を告知するプレスリリース。メーカーだけでなく、ファンであるわれわれも被害者だと呼びかけています

 今年の開催2日目にあたる9月17日を「海賊啓蒙デー」とし、アニメのDVDボックスやキャラクターグッズの海賊版商品を来場者から広く募集。コンテストを実施し、最もひどい海賊版を決定します。この企画はNPO組織「FAKE IS SAD」(フェイク・イズ・サッド)の協力のもと実施する予定です。

 コンニチは以前より海賊版対策に取り組んでおり、グッズ販売コーナーに海賊版対策チームを置き、会場内のブースを覆面で巡回して、疑わしい商品があると自前のデータバンクで照合するという活動を行っています(関連記事)。海賊版コンテスト実施について、以前話を聞いた海賊版対策チームのトビアス・トリアントさんにインタビューしました。

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インタビューを実施した町マインツ。活版印刷術を発明したグーテンベルク(写真手前の像)や大聖堂(奥)で有名です

海賊版コンテストの狙いは?

 海賊啓蒙デーの狙いは、コンテストを通して海賊版の問題や事例を知ってもらい、正規品を購入することの大切さについて考えてもらう機会を提供することだとトリアントさんは言います。参加者にとっては、自分のコレクションの中で海賊版の疑いがあるものを出品することで、審査員に真偽を判断してもらえるメリットもあります。優勝者には、2017年のコンニチの入場券が提供されます。

 ドイツでは近年、フィギュアの模造品は減少傾向にあり、最近増えてきたのはぬいぐるみやTシャツ、ポスター。あとはキーホルダーなどの非正規品を見かけるとのことです。


アニメ「となりのトトロ」の正規品と海賊版のぬいぐるみを見せてくれたトリアントさん。タグの有無など見分けるポイントはいくつかあるそうです。ちなみに右が正規品で左は海賊版

「偽物は悲しい」

 コンテストに協力する「フェイク・イズ・サッド」は、ドイツのトリアントさんとオランダのカイ・シュルテンさんらが立ち上げたNPO組織。イベント主催者と販売ライセンス保有者との間を結び付ける、海賊版グッズ対策のプラットフォームを提供し、海賊版の撲滅を目指していきます。7年ほど前に、コンニチでオリジナルの模造品やライセンス未取得の海賊版グッズなどの販売を停止させるべく活動を開始し、このほどNPOとして組織化しました。

 名前の由来については、トリアントさんたちが海賊版の流通に悩んでいたときに、ある人が発した言葉がきっかけ。「ファンは偽物を買うことになるし、オリジナルの製作者にも利益は還元されない、フェイクって悲しいよね(Fake is sad)」。この言葉がとても心に深く突き刺さり、組織名になりました。


「フェイク・イズ・サッド」のロゴ。公式サイトは間もなく公開だそうです

 同団体の活動は、まずイベントで販売されているグッズについて、著作権侵害の有無やその程度を目視や聞き取り調査を実施し記録します。調査は、調査員を名乗るパターンと、覆面によるものとの2パターンを実施します。調査結果はイベント主催者に報告され、対応を委ねます。

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 真偽の判断は、例えばフィギュア担当者は15年以上のコレクター歴がある人といったように、豊富な専門知識を有するスタッフが行う他、独自開発のデータバンクが存在します。データバンクには正規品1万点の画像が登録されており、照会できるようになっています。


3月にドイツ東部のライプツィヒで開催された書籍見本市でも、漫画エリアの物販コーナーを調査しました
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