「（生徒のため）動画削除に協力を」　岩手・高校野球部員いじめ疑惑で学校側が取材にコメント

　10月25日にTwitterへの動画投稿を発端として持ち上がった、岩手・花巻南高校野球部員いじめ疑惑（関連記事）について、同校の副校長が取材に応じた。

　対応した佐藤義文副校長は「（動画をきっかけに）広く、多くの方が不愉快な思いをされたことと思う。大変申し訳なく思っている」と陳謝。同校にはマスコミや学校関係者、一般人など幅広い層から問い合わせや苦情が殺到していると明かした。

　また学校名が類似していることから、本件に全く無関係の花巻東高校に対して苦情が寄せられている状況（関連記事）については「他校にもご迷惑をおかけしてしまい、申し訳なく思っている」とコメントした。

　一連の対応について問い合わせたところ、副校長が教員から連絡を受けて動画の存在を確認したのは25日の7時過ぎのこと。その後、校長から岩手県教育委員会に第一報を報告し、随時報告を続けているという。

　同校では、以前からいじめ防止に関する基本方針を公開しており、「生徒からいじめられていて重大事態に至ったという申し立てがあった場合、重大事態が発生したものとして対処する」としている。今回のケースは申し立てはなかったものの、学校側が「重大事態」と判断したとのこと。

　ネットいじめに関する対応として「県教育委員会および所轄警察署と連携し対処する」という方針で進めており、すでに所轄警察署への相談を行っているが、警察には一般人からの通報や相談も寄せられているという。

　学校側は動画への関与が疑われる学生ら対して、授業と並行して事実確認の聞き取りを行っている。25日までに大部分の聞き取りが終了したが、26日以降からは詳細を聞き取りたいとしているほか、野球部に関しての活動は26日現在未定となっているとのこと。

　なお一部で、「約40人の野球部員全員に対して授業を欠席させて聞き取り調査を行っている」という報道が行われていることについては否定し、「生徒を交代で聞き取り調査しているため、一部の授業に出席できない生徒がいた」と説明した。

　また動画に関与した学生らについては「通常の学校生活を送れているが、生徒を守りたい」という観点から詳細の発表は控える方針だ。今回の騒動を受けて不安を感じたり、動揺する生徒への配慮として、25日午後に全校集会を開いたことも明かした。集会では動画が話題になっていることや、調査についての状況を説明し、「平常心をもって落ち着いた学校生活を送るように」と校長から指導したとのこと。

　調査の状況については「確認を進めているところなので、詳細は全容が分かってから発表したい」としており、今後保護者への説明会を開くことも検討している。

　最後に副校長は、動画が爆発的に拡散している状況について「好ましい状況ではないと思っている。（生徒のことを考えて）できれば削除の協力をしていただきたい」と心情を吐露。今後どう対応するのか検討していきたいとした。

（Kikka）