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「遅刻で不戦敗」になった将棋の観戦記が公開 「対局してない対局の観戦記」という名人芸が披露される

一度も駒が動かないのになぜか熱い内容に。

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 10月30日にニコニコ生放送で放送され、久保利明九段の遅刻により豊島将之七段がまさかの不戦勝をおさめた将棋の「第2期叡王戦」。この対局の観戦記が公開されました。対局してない対局の観戦記とはいったい……?

異例の対局に異例の観戦記

 遅刻の原因は久保九段が対局開始時間を勘違いしていたため。当日は豊島七段が1人正座で久保九段を待ち続ける様子が1時間にわたって放送されており、生放送での不戦敗という事態の異例さもあって大きな注目を集めることとなってしまいました。

久保九段の駒も並べる豊島七段
じっと待ち続ける豊島七段。スーツの上着を脱いだり着たりするだけでコメントが盛り上がっていました

 また、叡王戦本戦の対局は必ず観戦記が公開されるため、この対局についてはどうなるのか心配する声もあがっていましたが今回も予定通り公開。一連の騒動の様子などをレポートする形になっているのですが、観戦記で印象的な局面を図で紹介する「局面図」が初期配置のものしか掲載されていないのがシュールです。まあ実際も駒を並べて片付けただけでしたからね……。

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逆に珍しい「初期状態」の局面図

 久保九段が遅れることは放送開始前にスタッフや豊島七段に伝わっていましたが、豊島七段は「きちんとしておきたい」という気持ちから1時間正座を崩さずに待っていたとのこと。実は関係者らの間では「(例外的に)不戦敗ではなく到着次第対局する」という案についても協議されていたそうです。当日の放送でも「久保九段は果たして間に合うのか……!」といった独特の緊張感がありましたが、対局の裏側を知ることで一連のスリリングな出来事を追体験できる構成になっています。

到着後に放送に出てお詫びをする久保九段

 執筆を担当したのは「銀杏」名義でも活躍する将棋記者の君島俊介さん。対局者との直接のやりとりや過去の不戦敗の例などベテラン記者ならではの知見を盛り込んで見事に「不戦敗の観戦記」を書き上げた手腕に、ファンからも「ちゃんと観戦記になっている」「一手も指されていないのに熱くなれる」などと称賛する声があがっています。

たろちん

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