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涙を流した沼ちゃん(森川葵)、大丈夫じゃない伊達さん(高橋一生) ドラマ「プリンセスメゾン」6話ねとらぼレビュー

元乃木坂46の深川麻衣演じるえっちゃんが、ひと波乱起こします【やわスピ×ねとらぼ】※更新あり

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 もっさり系女子、26歳の沼越さん(役:森川葵、以下沼ちゃん)が、マンションを買うために不動産屋に通うドラマ「プリンセスメゾン」は、NHK BSプレミアムで放送中(ネット配信は翌日から)。Webでも公開中。マンガ原作はやわらかスピリッツで連載中、スクロールしていくとここでも読めますよ!

ドラマ「プリンセスメゾン」

「さっちゃんだけ ずるいよ」

 今回は、沼ちゃんの従姉妹、両親を亡くした沼ちゃんを引き取った叔父・叔母の娘えっちゃん(深川麻衣)が、唐突にやってきた話。多分同い年。

 えっちゃんは今、静岡の田舎のほうで、結婚して子育て中。沼ちゃんは、えっちゃんに特に何を言うでもなく、上京して一人暮らしをはじめました。

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不思議な女性沼ちゃんを、昔からしっている友達の登場。出会いは、両親の死

 「わかんない……さっちゃん(沼ちゃんのこと)何も言わないからわかんないし! 何も言わないで東京行っちゃったし!」「普通、ずっと普通。何も起こらない。なのに、さっちゃんだけずるいよ」

 このドラマって、人間関係のいい悪いが軸の話ではないです。自分個人の価値観探しのドラマ。だからこの感情のぶつけあいは、仲たがいというよりも、沼ちゃんとえっちゃんが「自分はどう生きたいのか」を見直すものでした。

 えっちゃんは何も言わない彼女に不安を感じていた。一人でひょろっと東京に行った沼ちゃんを見て、モヤモヤしていた。自分も東京に出たかったからです。でも彼女は出なかった。

「スカイラウンジ」の意味も説明できないくらい、言葉での表現が苦手な沼ちゃん。自分の感情を表に出すのも得意じゃない

 「わからないのは、東京で家を探すってことです。家は代々受け継いだ土地に建てるものだし、ましてや女性が考えるものじゃないと思ってて」

 オープニングのモノローグ。「何物にもとらわれず、自由であっていい」と考える沼ちゃんと、考え方は全く違います。

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 地元に住んで、家族を守って、子を育てる。ものすごく幸せなこと。「家族で生きること」と「一人で生きること」どちらでも、幸せはつかめる。ただし、どちらかを羨んだ瞬間に、迷いが生まれる

 今回のえっちゃんの訴えは、原作にはありません。夫とケンカしたとウソもついていない。追いかけてきた沼ちゃんと腹を割って話してもいない。今まではっきりと描かれなかった沼ちゃんの心を、ここで出しておきたかったのだと思います。

 いつも裏表ない沼ちゃん。とはいえ彼女は語彙力が少ない、自分の感情をどう言葉にすればいいか困惑することがある。両親を亡くした話も含め、きっちり表現しています。

まわりの人の心理は細かく描かれてきましたが、主人公沼ちゃんの心や過去はほとんど描かれてこなかった

伊達さんが、大丈夫じゃない

 まさか、不動産屋の伊達さん(高橋一生)が、他のお客さんを「沼越様」と間違って呼び続けちゃだめだよ……。見ていてこっちが赤面。

 伊達さんは、このドラマのヒロイン。だって誰かのことを考え続け、そのために全力を尽くそうとするなんて、ヒロインじゃん。沼ちゃんに恋をしてはいないだろうけど、「沼ちゃんが家探しをする思い」に恋をしているとしか思えない。

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 んっ、完璧な執事にも見える? それはそれで萌えますね。

 最初は冷静沈着に、家を完璧にすすめる人でした。けど沼ちゃんの、家を買うことの「幸せ」のパワーに当てられ続け、4話で伊達さんは、人に幸せを提供する仕事がしたいのだ、という本心がよみがえり、今はすっかり人間臭い雰囲気になりました。

 もっとも思いが強くなるのと、器用になるのは別なもので。かぶっていた「完璧営業マン」の皮を一度脱いでいるだけに、5話・6話の空回り感がすごい。

 沼ちゃんが従姉妹のえっちゃんと見学に来た時、お客さま以外とどう接したらいいかわからないと言う理由で、問答無用で要さん(陽月華)を召喚。すごい形相でにらみつける要さん、横で見ていて笑いが止まらない阿久津さん(舞羽美海)。

 最終回のあとに特別枠で、伊達要漫才を1話やってくれませんかね。

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 ちょっと滑稽に見えるほどに、必死に家探しに助力してくれる人。ステキじゃないですか。

 んなもんで、次回予告の沼ちゃんの「伊達さん!」という叫びがなんなのか。伊達さんの泣きそうな声はなんなのか。あと要さんのジョジョ立ちみたいな謎ポーズはなんなのか。気になって来週まで、落ち着きません。

漫画 第6話

12月7日更新:掲載期間が終了しました

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