ニュース

なぜ無断転載された側に手間を要求? 「NAVERまとめ」の“トンデモ”削除対応、理由を聞いた

運営元のLINEに取材しました。

advertisement

 DeNAのキュレーションメディア「WELQ」の炎上に伴い、これまで見過ごされてきた他のキュレーションメディアにも厳しい視線が向けられています。そんな中、ライターの北本祐子さんが、LINEが運営する「NAVERまとめ」に自身の記事を無断転載され、該当記事を削除するよう掛け合ったところ、LINE側から「驚愕(きょうがく)」の対応をされたと話題です。

画像は「NAVERまとめ」トップページより

 北本さんは今年1月、Webメディア「&GP」向けに執筆したチョコレートの紹介記事を、公開翌日に「NAVERまとめ」に転載されてしまいました。即座に削除要請を出したところ、LINEから「元のサイト内に『このページ内の画像をNAVERまとめに転載することを禁止します』と追記してから具体的な違反箇所を教えてほしい」と対応を求められました。しかし北本さんの記事は商業媒体に掲載されていたため、他社の特定サービス名を追記することは他社サービスの宣伝になりかねず、削除依頼は諦めて泣き寝入りするしかありませんでした。

 こうしたやりとりが公になり、「なぜパクられた被害者側が手間をかけ追記しなければならないのか」とネット民からは批判が続出。これを受けて、NAVERまとめに対する削除要請への対応について、LINEに聞いてみました。

advertisement

LINE「批判を受け、現在は6桁の問い合わせ番号追記をお願いしています」

 担当者によると「NAVERまとめへの転載禁止」の文言追記は、申告者の本人確認手段として2015年6月~2016年3月にお願いしていたもの。同文言が不適切なのではという声を受けて、現在はその代わりとして、「000000」のような6桁の「問い合わせ番号」の追記を求めているとしています。ただ、確かに直接的な文言ではなくなったものの、無断転載された側が手間をかけて追記しなければならないという部分は変わっておらず、根本的な問題はまったく解決していないとも言えます。

 そもそもなぜここまでして「文言の追記」を求めるのでしょうか。担当者によると、本来の削除手続きでは、そのコンテンツの権利者本人であることを確認するため、差し止めを求める側が個人情報を書類で提出する必要があるのだそうです。しかし、これではさすがに手間がかかりすぎるため、少しでも権利者側の負担を減らすために、このような方法を採っていたのだと言います。

 なお、著作権侵害があった場合にプロバイダ(サービス提供者)がとるべき対応を定めた「プロバイダ責任制限法」でも、誤認やいたずらによる削除を防ぐため、まずは権利者側に個人情報などの書類提出を求めるよう指定しています。LINEの対応はあくまでこれにのっとったものであり、この点については一概にLINEだけの問題とばかりも言えないかもしれません。

こうした煩雑な書類の提出を省略するための措置ということらしい(画像は「プロバイダ責任制限法 関連情報Webサイト」より

 担当者は、権利者側が手間をかけさせられている現状について、「確かに納得の行かないご心情も、もっともなものと思います」としつつ、「まとめられた記事が権利上問題ないかどうかを事前に確認するすべがないため、サービス提供者側の対応が後手に回らざるを得ない状況がある」と説明。今後は問題を根本的に解決するために、転載してほしくない人が事前にLINE側に自分のサイトを登録できるシステムを準備中だとしています。

 また、ガイドラインにのっとった記事削除が普段どの程度行われているのか確認してみたところ、「全体のうち約33.7%(3本に1本)にあたる違反記事を日々削除している」とのことでした。

advertisement

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

記事ランキング

  1. 新1000円札を300枚両替→よく見たら…… 激レアな“不良品”に驚がく 「初めて見た」「こんなのあるんだ」
  2. 家の壁に“ポケモン”を描きはじめて、半年後…… ついに完成した“愛あふれる作品”に「最高」と反響
  3. 「博物館行きでもおかしくない」 ハードオフ店舗に入荷した“33万円商品”に思わず仰天 「これは凄い!!」
  4. 「マジかーーー!」 新札の番号が「000001」だった…… レア千円を入手した人が幸運すぎると話題 「555555」の人も現る「御利益ありそう」「これは相当幸運」
  5. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの行動”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」【大谷翔平激動の2024年 「家族愛」にも集まった注目】
  6. 浅田真央、男性と“デート” 驚きの場所に「気づいた人いるかな?」
  7. 身内にも頼れず苦労ばかりの“金髪ギャルカップル”→10年後…… まさかまさかの“現在”に「素敵」「美男美女でみとれた」
  8. トイレットペーパーの芯を毛糸でぐるっと埋めていくと…… 冬に大活躍しそうなアイテムが完成「編んでるのかと思いきや」【海外】
  9. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  10. 生後1カ月の保護子猫、後頭部を見るとあのアルファベットが……→9カ月の現在にびっくり 「プレミアム猫」「本当にPですね」