やしろあずきの調査――　今の若者ってSNSをどう使ってるの？　インタビューから見えた光と闇（成人編）（3/3 ページ）

SNSが原因のトラブル

　さて、ここまで各SNSの主な使い方などを聞いてきたのですが、やはり一番気になるのは四六時中クラスの人とSNSでつながっていると、そのことが原因でトラブルが起こるんじゃない？　ということ。

　実際に体験した、目撃したトラブルを語ってもらいました。

Twitterアカウント間違えブロック事件

「LINEでは前にいった通りうちは結構ゆるかったんで、特に目立つ事件はなかったんですけど、Twitterだとありましたね……。友達にコスプレイヤーがいるんですけど、その、私は知っているんですが他のクラスの子には隠していて……」

「もう嫌な予感がする」

「その子のことを間違えてリア垢でフォローしちゃって……リア垢でフォローしてる別のクラスメイトにコスプレがモロバレしたっていう」

「地獄だ、それどうなったの……？」

「そのコスプレイヤーの子はバレた他のクラスメイトを全員ブロックして、事なきを得ました」

「全然事なきを得てなくない??　めっちゃ気まずくないそれ????」

クラスLINEスクールカースト事件

「僕らのLINEは本当に平和だったんでこれは中学生の妹の話なんですけど……なんか、聞く話によると格付けでクラスのグループLINEが分かれてるみたいなんですよ」

「え？　格付け？」

「はい、SからDまであって、クラスの全員がそのうちのどれかに格付けされるんです。主にSがトップ、クラスの人気者で、AはSの下っ端、BはA、Sの下っ端、Cは無属性、Dはまあ……目立たない暗い人みたいな」

「何それ、めちゃくちゃスクールカーストじゃん。アメリカンハイスクールすぎだろ。というかその格付けって誰がするの!?　先生じゃないでしょ？」

「それはSランクの人たちみたいです。ほら、なんか自然にクラスの中心になる子たちっているじゃないですか。目立ちたがりやな……そういう人たちが勝手にランクを作って、自分たちがSランクになるんです」

「なんか核戦争後の世界みたいだ。もう妹さんをここに連れてきてほしかったわ」

「基本、S～Dまで全員が所属してるクラスLINEグループでは、全員がSランクの生徒のご機嫌取りをしないといけないらしいです」

「めっちゃ嫌だなーーーそれ、中学生ってそういう格付け的なことをしちゃう時期でもあるしね……。うわーなんか俺が中学生のころにLINEがなくてマジでよかったっていま心から思ってるわ……」

無加工写真アップ事件

「あ、またTwitterなんですけど、リア垢のほうでみんなで撮った集合写真をアップする時、自分だけバリバリ加工してアップする子がいて、それは嫌われてましたね」

「想像して笑った。1人だけなんか別次元に肌が卵みたくなってるんだ」

「ほんとそうなんですよ！　もうその写真がTwitterに上がった瞬間、LINEでその子抜きのグループができて『ちょっとありえなくない!?』みたいな」

「被害者の会が別のSNSで即発足してるのも笑うわ」

クラスメイトとSNSでずっとつながるメリット、デメリット

「さて……色々聞いてきましたが、前述したような事件とかもありつつ、やっぱり学校生活の中でSNSが普及してて良かったところ、悪かったところを聞いてみたいんですけど……まず良かったことあります？」

「うーん……あんまり普段話さないタイプの人のことが知れるってことかな……」

「ですね。うちの高校って結構イカツイというか……ヤンキー系の人とかも多くて……でもそういう人のTwitterとか見ると『あっ、こいつ意外と面白いじゃん！』ってなってそこから結構仲良くなれたりとか」

「なるほど、確かにSNSで相手に直接接触せずとも相手の情報が知れるし、仲良くなりやすいのか。SNSがなければ絶対絡めないもんそういう人」

「趣味とかも分かるし、会話の種にもなりますよね。SNSがあったおかげで友達作りというか、気が合う子の見つけやすさは格段に上がった気がします」

「うん、確かにその通りだ……。俺もTwitterを通じて普段絶対会話しないようなタイプの人と仲良くなったことあるし。じゃあ次、悪いことはあります？」

「正直めんどくさいって思うこともあります」

「同じく」

「あ、やっぱそうなのね。それは四六時中クラスメイトとネットでつながってるってことが？」

「まあ、大まかにいえばそうですね……。僕はクラスLINEだけじゃなくて部活LINEにも入っているんですが、なんか他のメンバーが盛り上がってる時に自分だけ会話に参加してないと『ノリ悪いな～』って思われたりだとか……。ただ家で1人でゲームとかしてたいだけなのに……」

「SNSで常時つながってるから常に会話が発生し続けるもんね。学校の人とは学校でしか話したくないってタイプの子からすれば結構嫌だよね、これ」

「まあ、あとはあるあるかもしれませんが既読無視とか……。ちょっと手が離せなくて既読だけつけて数時間放置してたら機嫌損ねられたり……。あと、Twitterのリア垢が、自分が大して好きじゃないクラスメイトに発見されてフォローされた時とかもめんどくせぇ～って気持ちになりますね」

「既読無視ね……。それを発端とした事件とかも昨今起きてるからなぁ。ちなみにTwitter、その場合どうしてるの？　ブロック？」

「ブロックしたらちょっと問題になりそうなので……。これも面倒なんですがミュートにしてますね。その後その子からのリプライも見えなくなるんで全く返信できなくなって、多分ミュートにしてるのバレてますけど（笑）」

「なるほど……やっぱり常にクラスメイトとつながってるっていうのは、メリットもありつつ面倒くさいことも多いんですね……。ただ話に聞くよりは平和な気がしたので、次に取材する高1の子とか楽しみだなぁ……」

「こないだまで中学生じゃないですか、それは多分うちの妹と同じ感じですよ……」

「その子がどんなスクールカーストを生き抜いてきたのか、この後取材に行かねばいけないので今回はここでお開きにします!!　ありがとうございました!!!」

「ありがとうございました!!」

「ありがとうございました!!　……あ、最後にSNSのドジ話としておまけの話なんですけど、こないだこいつ、ディズニーの年間パスポートを買って、そのままTwitterに写真をアップしたんですよ！　QRコードとか載ってて悪用されかねないのに……」

「すぐ怒られて消しました……」

「へえ、年パスかぁ……いいなぁ、ちょっと見せてくれる？」

「あ、いいですよ」

「なんで撮ってんですか」

「あの」

「……ッ!!!!」

　……というわけで次回は「高校1年生と高校3年生」に聞くSNSの使い方インタビューです！

　ついこの間まで中学生だった若者は学校生活でSNSをどう使っていたのか……？

　正直、想像以上の闇と壮絶なスクールカーストの話ばかりで、僕が中学生のころにSNSがあったら、マジで学校辞めてたかもしれないと思うほどの壮絶な取材となりました。

　乞うご期待！

後編

やしろあずきの調査――　今の若者ってSNSをどう使ってるの？　インタビューから見えた光と闇（女子高生編）