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再配達の負担を減らすため「宅配ボックス」を自作した人が登場 でもマンション廊下への設置は法律上問題アリ? 関係省庁に聞いてみた

気軽に設置できれば便利なんですが……。

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 宅配業者の再配達の負担を無くすため、宅配ボックスを自作し作り方を公開したブロガーが注目を集めています。

 宅配ボックスを自作したのは、ブロガーの能登たわしさん。既製品の宅配ボックスは安価なものであれば数千円で購入することもできますが、ブログ記事ではわずか2000円程度の材料費で制作。能登さんは大家さんに許可を取って廊下に設置し、見事不在時に荷物を受け取ることに成功しました。この報告に対しネット上では好意的な意見も多く見られましたが、中には「大家の許可が取れたことと法律上問題がないかは別」といった意見も。現在は指摘を受けて、ボックスを撤去済みです。

ナイスアイデアなのですが、中には批判意見も

 賛否両論を呼ぶ結果にはなりましたが、再配達を減らそうという試み自体はすばらしいもの。そこで、こうしたボックスを設置する上での注意点について、関係する省庁と、ヤマト運輸、日本郵便に話を聞いてみました。

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普段は折りたためる形状でした

 ねとらぼ編集部ではまず、“消防法上の問題はあるのか?”という疑問を総務省消防庁に質問しました。すると意外にも、「共用スペースの避難経路にものを設置してはいけないとする条文は消防法上にはなく、管轄となるのは建築基準法を扱う国土交通省になるのではないか」との回答が。さっそく国土交通省建築指導課にも同じ質問をしたところ、「宅配ボックス設置を禁じる文言は建築基準法上にはなく、また建築物はひとつひとつ違うので一概には言えない」という説明を受けました。

 建築基準法では3階建て以上の「共同住宅」などでは廊下の幅が1.2メートル以上必要とされています(両側に居室がある廊下の場合は1.6メートル必要)。配達ボックスの設置により、廊下の歩ける幅が1.2メートルを下回る場合は“建築基準法上問題がある”状態とされる可能性がありそうです。うーむ……。

 また、日本郵便に宅配ボックスでの受け取りが可能かを問い合わせたところ、「事前に最寄りの郵便局に申請をすれば、宅配ボックスでの受け取りは可能」との回答でした。事前申請が必要な理由としては、「配達員がボックスの場所を発見できない可能性があるため」とのこと。

 ヤマト運輸は残念ながら対面での受け渡しにしか対応しておらず、そもそも「宅配ボックスへの配達は不可」との回答でした。なお、佐川急便にも取材中ですが、現時点では回答が得られていません。

 配達業者が宅配ボックスに対応しているとは限らないため、一概におすすめすることはできませんが、対応している場合にはとても合理的な手段。マンションの共用スペースへの設置は問題となる可能性がありますが、一戸建ての住宅では自作宅配ボックスを検討してみるのもアリかもしれません。ただし、ボックスごと盗難されてしまっては元も子もないので、ワイヤーで固定するなどの工夫は必要かと思われます。

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画像提供:能登たわしさん

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