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「上司のパソコンにまだイルカがいたでござる」 現代の「あるある」を浮世絵風に描くシリーズがクセになるシュールさ

ちょんまげなのに共感しかなかった。

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 現代の「あるある」を浮世絵風に描くシリーズがネット上で人気を集めています。描かれているのは全て拙者のことではござらぬか……?

あるあるすぎる……

 メインの登場人物が皆“ちょんまげ”という絵柄に合った古風なスタイルなのに、当たり前のように現代で生活している姿にまずやられます。さらに内容が、ショッピングカートを押しながら店員を横目に「試食を本当は食べたいのに『別に欲しくないけど』感を出す」といった、身近なあるあるネタなのがとってもシュールです。

 他にも、電車で寝過ごして「内心焦っているが 当たり前みたいな顔をして 全然知らない駅で降車」など、わかりすぎるネタが浮世絵風イラストともに描かれ、俳画としての雰囲気が謎の説得力を放っています。おぬしら、絶対こっちでの生活長いだろ。

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謎のプライドが発動するやつ
いかにも「ここで降りる予定でしたけど?」的な雰囲気出して降ります(体験談)

 制作しているのは山田全自動(@y_haiku)さん。イラストはTwitterInstagramでたくさん公開されており、日本語で書かれたネタながら、さまざまな海外のニュースサイトでも取り上げられるなど話題に。

 独特の世界観を持つ同シリーズですが、山田さんに描き始めたきっかけについて伺ってみると、仕事の幅を広げるためにイラストの練習をしていた時、浮世絵風の「ギターやドラムを演奏する人」をなんとなく描いたところSNSで好評に。また知り合いのアドバイスもあったことから描くようになり、だんだんと補足の一文を加えた今のスタイルになったそうです。

この罪悪感は江戸時代にもあるかも?
それな

 またあるあるなネタを“浮世絵風”で描く理由については、「妙な違和感が生まれるのが楽しいからだと思います」と山田さん。当たり前のことでも「絵柄が浮世絵というだけであたかもありがたい感じがしたり、深いことを言っているような雰囲気が出せるのがいいなと思っています」と、絵の特徴をネタとのギャップに生かした創作を楽しんでいる様子。

 なお豊富なネタのアイデアは、自身が体験した恥ずかしかったことや過去の気まずい場面を思い出して描いたり、日常での人間観察から考えることもあるのだとか。

 一番気に入っているネタについて聞いてみると、「年配の上司のパソコンを見たらまだイルカがいた(※Microsoft Officeにいたサポートキャラ・カイルくんのこと)」という“おじさんネタ”が個人的にけっこう好きとのこと。マゲの彼らがパソコンを操作する見た目だけでもシュールですが、上司の無の表情とカイルくんの「何について調べますか?」とその画面を見た部下の後ろ姿がズルい構図となっています。

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上司とカイルくんに挟まれた部下の後ろ姿よ
こんなのズルいよ……!
「おじさんネタ」は特にクセになるネタな気がします

 海外での反響については、それぞれの国のメディアの記事内で紹介されているネタが「外で食べるカップ麺が妙においしい」など、「海外でもあるあるなの!?」と感じるものがあって面白いと山田さん。

 さらに海外の人からは「文章は何と書いてあるのか言葉はわからないけど絵を見ているだけでおもしろい」といった感想ももらうとのことで、今後は「絵を見るだけでも分かるようなネタも増やしていきたい」としています。

 ちなみに山田さんのホームページ「山田全自動」ではギャラリーで同シリーズが見られるほか、「墾田永年私財法Tシャツ」や「御成敗式目トートバッグ」など、こちらもひと癖あるオリジナルグッズを見ることができます。

外カップ麺の美味しさは世界共通だった?

画像提供:山田全自動(@y_haiku)さん

(宮原れい)

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