「ゲーム開発者の生活と仕事に関するアンケート調査」発表 据置機従事者が増加、スマホゲーム従事者は減少傾向
文系の開発者が急増しているとのデータも。【更新】
コンピュータエンターテインメント協会が例年の「ゲーム開発者の生活と仕事に関するアンケート調査」を実施し、8月30日~9月1日開催のCEDEC 2017に合わせて速報を公開しました。調査は7月1日~31日にかけ、CEDEC公式Webサイト上で実施。商業ゲームに携わる開発者を対象に、1936件の有効回答(うちCEDEC参加者は1897人)がありました(以下、資料より引用)。
注目すべきデータは開発者が従事しているプラットフォーム。据置機向けゲームの従事者が2015年の27.1%を底に、2016年は40.3%、2017年は48.8%と増加傾向に転じています。その一方、スマートデバイス向けゲームの従事者は2014年の92.2%をピークに、2015年は64.3%、2016年は53.2%、2017年は48.9%と減少傾向にあるとのことです。
今回は初めて勤務地域別の集計を実施。回答者の勤務地は8割方関東だったものの、地域ごとの特徴が部分的に確認されています。例えば平均年収においては、北海道が576.72万円、近畿が561.23円と、全国平均が539.15万円を上回る結果となりました。
ゲーム業界の就業年数は、毎回平均10年前後で推移しており、今回も10.63年。北海道では13.82年、九州では12.96年、中部では8.87年と地域差が見られました。なお、転職回数は0回が56.6%と最も多い結果となりましたが、就業年数が長いほど転職回数が多いとのデータも示されています。
開発者の最終学歴における学問系統で、人文学専攻者が前年のほぼ2倍となる46%に増加したという興味深いデータも。職種別でもサウンドクリエイターを除く全部門で最多となっています。同団体はこの結果が近年指摘される若者の理科離れを示すのか、新たな学問分野を生かそうとする開発会社の意向なのか、今後の分析を注視するとしています。
(沓澤真二)
関連記事
インターネットを守る翼竜:美少女ゲーム原作アニメの歴史 「ノラと皇女と野良猫ハート」HARUKAZEインタビュー
美少女ゲーム原作アニメの在り方、美少女ゲーム業界全体の話について聞いてきました。「FF7」の衝撃はいかにして生まれたか? 田中圭一、電ファミでゲーム業界の「青春期」描く新連載
80~90年代に奮闘したゲームクリエイターたちの熱い思い出を描く。ディンゴが自己破産申請へ PSP「初音ミク-Project DIVA-」や「フォトカノ」など手掛けた
取引先への支払いにも支障を来す事態に陥った。遠藤雅伸に聞く:ゲームデザイナーとなるには、ゲームの面白さを知るには、どんな本を読めばいいのか?
ゲームデザイナー&研究者・遠藤雅伸インタビュー。AAAタイトルは開発者を破壊する 「アンチャーテッド」ディレクターが語る過酷な「デスマーチ」事情
海外では“Crunch”と呼ばれ問題視されているようです。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.