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もうやめてぇ…… 社畜が異世界に転生、アチラでも特に進歩しない漫画がやるせない

冒険するのって難しい。

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 「社畜が異世界に転生した漫画」が、ファンタジーなのに現実的で身につまされます。夢も希望もありゃしない。

転生して目を覚ますと、腕にはチートスキルが使えるアイテムが

 残業疲れがもとで交通事故に遭った主人公が目を覚ますと、そこは見知らぬ世界。転生を遂げた彼には、「あらゆる魔法を使える」チートスキルまで与えられていました。これなら平凡な男だって、異世界で無双できるはず! ……そして半年後、主人公は酒場で皿洗いをしています。おい、チートスキルどうした。

こっちでも普通の日常が続く

 というのも、持っていた前世の貨幣が使えず、異世界だろうと生きるためにはお金が必要だったから。街の外にあふれるモンスターへ対抗するには高価な装備品が必要なこともあり、半年間地道に働いていたのです。しかし支度に十分な貯金を作ってもなお、皿洗いを続ける主人公。その理由は「冒険するのが怖いから」でした。

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「支度のための貯金」は、冒険を避ける言い訳に過ぎなかった

 新たな環境を恐れて、現状が劣悪と分かっても居続けているのは、社畜時代と何も変わらないと自嘲する主人公。勇者は強いから勇者なのではなく、勇気があるから勇者なのだ――そう悟ると「俺は異世界に行っても社畜のままだった」とつぶやいて、話は終わります。救われねええええっ!

何も進歩しないまま終わった……

 作者のベニガシラさん(@poppoyakiya)は、以前もファンタジックなサラリーマン漫画を描いて話題に(関連記事)。今回はかなりシビアな内容になっていますが、自身の経験や思いが込められているようで、「描いてる本人が一番ダメージがあった」と述べています。

 なお、発動することなく終わったチートスキルは、使いこなそうと思えば本当にすごいことができる設定。それさえあれば別に皿洗いなどしなくてよさそうなものですが、作者は「行動できない人はどれだけチート能力があっても、動けないんですよ……」と、自戒するようなコメントを残しています。分かりすぎてやるせない話だった……。

画像提供:ポッポ焼き屋:ベニガシラさん(@poppoyakiya

(沓澤真二)

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