ニュース

「中毒性が異常」「どう森を超える神ゲー」――無名のフリーゲーム「どうぶつタワーバトル」がなぜか突然流行りはじめた4つの理由モバクソ畑でつかまえて

動物を落として交互に積み上げていく、それだけのゲームがなぜ突然流行?

advertisement

 11月末ごろから突然タイムラインに現れはじめ、「中毒性が異常」「どう森(どうぶつの森)を超える神ゲー」などと話題になっているアプリがあります。

 その名前は「どうぶつタワーバトル」iOSAndroid)。スマートフォン向けの対戦ゲームで、ヤギやゾウ、シロクマといった動物たちを交互に積み上げていき、タワーを倒してしまった方が負け。ただそれだけのシンプルなゲームなのですが、ここ数日ねとらぼ編集部のタイムラインでもなぜかハマる人が続出しており、局地的には確かに「どうぶつの森」をも超える勢いと言えなくもありません。

 なぜ「どうぶつタワーバトル」は突然流行しはじめたのか? モバクソゲーサークル「それいゆ」発起人であり、スマートフォン用ゲームの流行に詳しい「怪しい隣人」@BlackHandMaiden)さんに解説してもらいました。

advertisement
「どうぶつタワーバトル」タイトル画面

ライター:怪しい隣人

出来の良くないソーシャルゲームを勝手に「モバクソゲー」と名付けて収集、記録、紹介しています。モバクソ死亡リストは500件を超えました。年々ソーシャルゲームが複雑になり、ダメさを判定するのに時間がかかるのが最近の悩みです。本業はインフラエンジニア。そのためソーシャルゲームの臨時メンテは祭り半分胃痛半分な気分です。

よみがえる「パペット ズー ピロミィ」の悪夢

 年末には魔物が現れることが多い、と考えている怪しい隣人です。年末年始に合わせて突然ゲームが終了したり、とんでもないゲームが現れたりすることが非常に多いのです。騒ぎの種は何かあるかな、とついにアプリ化したおっぱいが自慢のゲームのメンテはどうなることか、と注目していたりしたのですが、そんなTLにちょっと目を引くゲームが流れて来ました。

 そのゲームの名前は「どうぶつタワーバトル」。パッと見た感じでは、動物をコマにして積み上げていくパズルのように見えました。それがバトル? 動物を使ったパズルと言えばPSの往年の名作パペット ズー ピロミィを思い出してしまう私です。あれはポリゴンの手足や胴体などのパーツを組み合わせて、ちゃんとした動物を組み立てようという知育ソフト的なものでした。ただ「手足さえ一致していればどんなものでも動くようになるし、尻尾の代わりに頭を付けてもいい」と気づいてしまった大人たちにより、異形の怪物を作るソフトに仕立て上げられてしまったのです。いまだにプレイしていた友人の「隣人さん、神は死んだよ!」というセリフが忘れられません。

パペット ズー ピロミィ(ヒューマン/1996年)
隣人さん、神は死んだよ!(画像はYouTubeより)

 話が大きくそれました。見ているだけではただの動物積み上げパズル、それがなぜこんなに話題になっているのか? リアルタイム検索で見てみると、先月の末あたりから話題になっているのですが、ゲームのリリース自体はかなり前のこと。ここ数日話題になっているのは、ゲームの配信をしたりしている、特に「シャドウバース」などを楽しんでいる人たちがプレイしはじめたのがきっかけのようです。検索してみると、既にブログで攻略記事を書いている人までいるほどの盛り上がり。これは何かあるに違いない、と早速ダウンロードしてみました。

ここ数日の話題度合い。11月27日ごろからじわじわと増え始め、12月1日には500件を突破

チュートリアルなしでいきなり始まる対人戦

 インストールしてプレイを始めると、即プレイ開始。チュートリアルなどという甘いものはありません。「え、もう人と対戦してるの?」と思わされる中、最初に表示された「台の下に落としたら負け」というルール以外はプレイしていくうちに理解していくことになります。画面をタッチして左右に動かすと動物の位置が動くこと、下の回転ボタンで動物が回転すること。なお1回クリックするごとに45度回転なのですが、それはそこそこプレイしてから気付きました。

ルールや操作の説明もなく、唐突に対戦スタート

 このシンプルなルールの中、さまざまな動物を積んでいきます。平たく置きやすいカメ、最初に出てくるとありがたいが後半出てくるとキツいカバサイ、やたらとデカくやはり後半が怖いゾウキリン、正面を向いていて山のような形になっているのが厄介なシロクマなどなど。これらを適当に落としているうちに、だんだん「どう積んだら相手の動物が転げ落ちるか」を学んでいくことになります。そして、それを学んでいくウチにだんだんハマっていくのです。私も「こ、これは資料用のスクリーンショットを撮っているんじゃ」とばかりについついプレイ時間が伸びてしまいました。

advertisement
こんな風に交代に動物を積んでいきます
ここでシロクマ! 勝ったと思ったら、相手はギリギリで積むことに成功
この後サイが積みきれずに崩れ落ちました

「シンプルなのに深い」をこれでもかというほど体現

 さて、なぜこのゲームがこんなに面白いのか? 個人的にはいくつかの要因があると思っています。

チュートリアル不要の分かりやすさ

 1つ目はルールや操作が大変に分かりやすいこと。先にも書きましたが、動物を積み上げていき、崩れて落ちたら負けというルールは操作も見た目もシンプルで、すぐに理解できるものです。チュートリアルも存在しておらず、これもゲームの軽快さに加え、早くからゲームに没入できる要素となっているように思います。

絶妙なランダム要素

 そして2つ目はひそかなランダム性。動物にはそれぞれの形状があり、それゆえ単純にブロックを積むようにはきっちりハマっていきません。それだけではなく、物理演算を利用しているため、縦に高く積んでいくにつれ、最初は安定していたのが徐々にバランスが崩れていって最後には崩壊――みたいなことも発生します。逆に、それを利用して「今はなんとか立っているけれどこの上に積んだら崩れるぜ」みたいな状況を作ったりもできますし、逆に相手がその上に積んでもギリギリで倒れず、今度は自分が窮地に追い込まれることになったりと、トラップの動作も確定される場合は少ないです。

最短1分の超短期決戦

 3つ目は、こんなにいろいろな要素があるにもかかわらず、短期間でプレイが終わること。体感ですが、1戦あたりだいたい1~2分ほど。早いときは1分かかりません。またその体感時間の速さに貢献しているのは、マッチングの驚異的な速さ。ほぼノータイムで対戦相手が現れるため、もう1戦、もう1戦という連続プレイが可能になっています。

レーティングによるやり込み促進

 そして最後に、勝敗によってレーティングの増減があるのもポイントでしょうか。勝利することでレートと順位が上昇し、これにより「やりこみ勢の存在」を生み出すことに成功しています。そのようなプレイヤーたちがTwitterで布教するだけではなく、攻略記事を書いたりしているのもまた「シンプルなようでいて深い」ゲーム性を示しているといえるでしょう。

advertisement

 これら絶妙なバランスと複数回プレイを促進する仕様が中毒性を生み、これが「シャドウバース」など、対戦ゲームをやり込む人の琴線に触れたのかなと思っています。

ゾウはこんな感じの角度で積んでおくと、シーソーのようにぐるっと動いてしまうことがあります。これを利用した「5ゾウ」というテクニックも。5回転=270度回転させたゾウは、上に載ったものを大体投げ飛ばしてくれます

 そんな「ゲーマー」たちから何かのきっかけで話題になっていった「どうぶつタワーバトル」、なんとプレイは無料です。ゾウを手に入れるためにガチャを回す必要もありません! ぜひ一度プレイしてみていただきたいと思います。

怪しい隣人

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

記事ランキング

  1. 中央道から「宇宙戦艦ヤマト」が見える! 驚きの写真がSNSで注目集める 「結構でかい」「どう見てもヤマト」 撮影者の心境を聞いた
  2. 「情報を漏らされ振り回され……」とモデラー“限界声明” Vtuberのモデル使用権を剥奪 「もう支えられない」「全サポート終了」
  3. 元「おニャン子」内海和子、娘・ゆりあんぬの“胃の粘膜ぶっ壊す”食事に激怒! 有名飲食店に謝罪し「出禁にして」「違う星の人そんな気がしてなりません」
  4. 「恐ろしい」 北海道の道路標識 → “見落としたら絶望”のとんでもない表示に衝撃走る 「普通にホラーでは?」
  5. 優しそうな“おかっぱ頭”の男性→プロがカットしたら…… “別人級の仕上がり”が470万再生「えっ!? って声出た」「EXILEみたい」
  6. 平愛梨、“夫・長友佑都選手”に眠れなくてLINE送信→“まさかの返信”に「なんやねん」「もう寝るしかない」
  7. 「天才が現れた!」 森永が教える“秋らしい”お菓子の作り方→たこ焼き器を使ったアイデアに「すごいすごい可愛い」
  8. 高畑充希と結婚の岡田将生、インスタ投稿めぐり“思わぬ議論”に 「わたしも思ってた」「普通に考えて……」
  9. “無給餌”で育てたメダカが2年後、驚きの姿に→さらに半年後…… 放置しておいたビオトープで起きた“奇跡”に「ロマンを感じる」
  10. 「うどん屋としてあるまじきミス」→臨時休業 まさかの“残念すぎる理由”に19万いいね 「今日だけパン屋さんになりませんか」