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「成人式に晴れ着が着られない」「商品券が紙くずに」 “倒産被害”にあわないために消費者ができること(1/2 ページ)

国民生活センターに聞いてみた。

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 振り袖販売・レンタル事業者の「はれのひ」が、成人の日当日に突如店舗を閉鎖した問題が大きく報道されている。いわゆる“倒産被害”といえば、旅行会社「てるみくらぶ」も記憶に新しいところだろう。

 全国の消費生活センターに寄せられる倒産に関する相談件数は、毎年6000~8000件前後で推移していて、トラブルは常に起きている。このような倒産被害にあったとき消費者はどれだけ救済されるものなのか、消費者にできる対策は何か、国民生活センターに取材した。

倒産に関する消費生活相談の件数(国民生活センターへの取材による)

「はれのひ」と契約した方は

 最初に、「はれのひ」と契約し、困っている方について触れておこう。まずは消費生活センターに相談することだ。

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 東京都消費生活総合センターでは、以下の2点を呼びかけている。

  • 領収書や申込書、事業者からのお知らせの手紙など、証拠になるものは保管する
  • クレジット払いの場合は、クレジット会社に状況について一報を入れる

 東京都消費生活総合センター八王子市消費生活センター横浜市消費生活総合センターなど最寄りの消費生活センターに相談できる。消費者ホットライン(188:いやや)に電話をすれば最寄りの消費生活センターを案内してくれる。

 また、社会的に影響の大きい事件があると、「被害救済」を名目とした不審な勧誘などの悪質行為が発生することがよくある。いわゆる「二次被害」だ。こういった不審な勧誘にも注意してほしい。不審な勧誘を受けたという相談にも消費生活センターは対応している。

「はれのひ」と契約した方へ(東京都消費生活総合センターより)

事業者が倒産したときの流れ

 続いて、個別事業者のことではなく、一般論として企業が倒産したときに、消費者がどのように救済されているのかについて見ていこう。

※記事中では理解しやすい表現で説明するが、正確な情報を知りたければ、国民生活2014年12月号が参考になる。

特集「企業倒産と消費者被害」(Web版国民生活より)

 まずは倒産時の基本的な流れから。

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 事業者が倒産した場合、「お金をもらっているけどまだやっていない仕事」や「借金」を残っている財産で返さなくてはいけない。もちろん、倒産するような状況なので、財産の方が少ない。これを平等に分配するための手続きが行われる。裁判所で行う「法的倒産手続」もその仕組みの1つだ。

 「法的倒産手続」も一本道ではない。大きく分けて2つの道がある。残った財産を全部お金にして分配する「精算型」と、事業を再建してお金を返す「再建型」だ。さらに言えば、業務を引き継ぐ事業者が現れるケースもあれば、それがないケースもある。とにかく倒産後の事業者がたどる道筋はさまざまなのだ。

倒産処理にもいろいろある(Web版国民生活より)

ケース:英会話教室の授業料

 例えば、過去に英会話教室が経営破綻したときのケース。この際は、破産手続の開始決定後、業務を引き継ぐ事業者が現れた。「1年間の授業料を前払いしていた」というある相談者は、(1)業務を引き継いだ事業者のサービスを受けるか、(2)未受講分に相当する金額に応じた配当(※)を受けるかを選択することになった。

※例えば、法的倒産手続で10%が返金されると決まったなら、未受講分の金額の10%

 引き継ぎ業者によるサービスは、以前の事業者と全く同じになるとは限らない。以前よりサービスが悪くなったというトラブルが起こることもある。このケースでは、相談者が通っていた教室と同県内の教室は全校閉校予定と言われたそうだ。

倒産で、苦渋の選択を迫られてしまった

 また、事業者が提供していた事業の内容によっては、特別な消費者救済策が用意されていることがある。例えば旅行業者で日本旅行業協会や全国旅行業協会の正会員だった場合には「弁済業務保証金制度」で、あるいは商品券を発行していた会社が倒産した場合であれば資金決済法上の制度で、いくらかお金が返ってくることがある。

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 このように倒産被害の相談処理は多様性に富んでおり、ケースバイケース。さらに言うなら「はれのひ」については、執筆時点では店舗が閉鎖され連絡が取れなくなっているという状況で、倒産なのかどうかも判断できない。そのため、消費生活センターは「とにかく相談して」と呼びかけるのだ。どの場合でも書類など証拠となるものは捨ててはならない。倒産のニュースを聞いて「商品券が紙くずになった」と捨ててしまうと、返金のされようもない。すぐには捨てないでほしい。

 残念ながら、多くの相談事例からみて、事業者が倒産した場合に、消費者が既に支払った代金を取り戻すことは非常に困難。消費者への配当(返金)があるケースは少なく、もしあったとしても大幅に少なくなってしまうことが一般的だそうだ。

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