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いちばん分かりやすい「鉄道のダイヤ改正」のお話月刊乗り鉄話題(1/3 ページ)

そもそもなぜ変えるの? なぜJR九州は改正でなく「見直し」なの? ダイヤ改正の「?」を解説。【秘蔵フォトも14点】

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 JR各社は2018年3月17日に「ダイヤ改正」を実施します(関連記事)。他にも3月17日には他の多くの鉄道会社もダイヤ改正を行います。ダイヤとは列車の運行計画のこと。ダイヤ改正とは「列車の運行時刻を改めて、列車を使いやすくします」という意味ですね。もちろんすべての人が納得するダイヤはありません。「便利になった」という人が多い一方で、「不便になった」と感じる人もいます。

JR各社は3月17日に「ダイヤ改正」を行う(画像はJR東日本のプレスリリース)

 そもそも、なんでダイヤ改正が必要なのでしょう。現在うまくいっているのならば、別に変えなくてもいいと思ってしまいます。でも、変えなければならない理由があるのです。大きく分けて「鉄道会社の事情」と「沿線環境」です。

鉄道会社がダイヤを改正する理由

【1】新しい路線が開通する

 新しい路線が開通すると、その路線のダイヤを作ります。このとき、新路線が既存の路線と直通しているならば、その路線のダイヤも考慮する必要があります。例えば、これまで終点で折り返していた電車が直通先まで行ってしまうならば、その電車が戻ってくるまでに別の電車を用意しておかなければなりませんね。

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 直通運転をしていなくても、乗り換えに便利なように既存の列車の時刻を変更する場合があります。本来は新路線のほうが合わせます。しかし、乗客数に合わせて運行間隔を設定すると、既存路線からの乗り換え時刻が合わなくなります。例えば新幹線が開通する場合は、乗り換える人の数を想定して、在来線の列車の時刻を新幹線の発車時刻に合わせて調整します。

【2】路線を廃止する

 赤字のローカル線を廃止すると、その路線の列車がなくなります。ローカル線に乗り換える人がいなくなるので、他の路線の列車もいくつかは不要になります。ですから支線の列車がなくなれば、本線の列車も調整します。

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 もちろんその逆もあります。本線の終電車が繰り上がったら、今まで本線の終電から乗り継げた支線の電車に需要がほぼなくなります。ですから、支線の終電車も繰り上げなくてはなりません。

【3】駅が増える、減る

 路線の中間に新しい駅ができるとどうなるでしょう。A駅とB駅の間にC駅ができると、C駅へ止まる分、A駅からB駅までの所要時間が長くなります。ですから全体的にダイヤを変更する必要があります。駅が減ったら、逆に所要時間が短くなりますね。駅に停まらない分、ゆっくり走ってもいいことにもなります。でも、鉄道はなるべく速く走ったほうがいいのです。それは次の項目で説明しますね。

【4】新型車両がそろう

 性能のいい新型車両を作ったら、古い電車と順に入れ替えていきます。でも、新型が1~2編成程度ならばダイヤを改正しません。

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2015年12月にデビューしたJR山手線の新型車両「E235系」

 列車はいつも同じ電車を使うのではなく、ローテーションを組んで運用します。古くて、性能の低い電車は新型車と同じ速度では走れないので、新型車両を導入したとしても、しばらくは旧型車の性能に合わせて走らせます。少しずつ車両を入れ替えていって、すべて新型になったら本来の新型車の性能に合わせてダイヤを作り直します。

 列車の性能が上がれば、起点から終点までの所要時間が短くなります。走行時間が短縮されると、例えば1日に20往復していた電車が21往復できるようになります。単純に運行本数が増えればそれだけ多くの乗客を運べます。1日の運行本数が同じだとしても、各列車が余計に往復してくれるおかげで車両の数そのものを減らせる場合があります。電車の購入費用や維持費を減らせるので、鉄道会社の利益が増えます。電車はなるべく速く走ってくれるほうが、鉄道会社にとっても利用者にとっても利点があるわけです。

 また、1列車あたりの長さ(車両数)が変わったときもダイヤが改正される場合があります。列車が長くなると、複線の折り返しの駅や単線のすれ違い可能な駅でポイントを通過する時間が長くなり、また、列車の運行間隔が広がるからです。こうした些細な要素もダイヤ改正につながります。

【5】線路が改良される

 単線から複線に、複線から複々線にすれば、今までよりたくさんの列車を運行できます。この増発のために新たにダイヤを設定します。これは微調整ではなく、イチから作り直す場合が多いです。複線化、複々線化のように大規模ではなくても、分岐器の位置を変更したり、信号システムを新しくしたりするなどの小さな改良でもダイヤの変更が行われます。

2018年3月から2線2層の複々線となる小田急
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