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中学一年生女子、思春期と言うにはまだ早い 「からかい上手の高木さん」 スピンオフ3人組のポンコツな日々(2/3 ページ)

友達二人をカップリングしてときめいたことある?

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「恋に恋するユカリちゃん」に、恋愛はまだはやい

 ゲッサン新人賞2017春期特別企画「高木さん杯」のグランプリ作品になったのが、「恋に恋するユカリちゃん」と「からかい上手の(元)高木さん」の2作品でした。

 「恋に恋するユカリちゃん」は、「あしたは土曜日」のユカリが主役になっている話。ユカリは同じクラスの高木さんと西片君の甘酸っぱい関係に憧れます。「恋バナしたい。したいしたいしたい。」「甘酸っぱい刺激がほしい。」

 けれど友人のミナは幼すぎる。サナエは興味なさそう。恋バナ、あまりにハードルが高い。

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こんなあまーい環境にいたら、そりゃ影響もされるよ!(1巻P3)

 アニメ見ている人なら分かると思うんです。あんなくすぐったい甘い空気見ていたら、恋バナの一つや二つ、せめて「いいよねー」くらい話して気持ちを共有したいってことが。Twitterで放送後にニヤニヤ転げ回っている人多いもん。

 ユカリは以前、誰もいない教室で西片君が高木さんに目薬を入れているのを目撃しています。目をつぶっている高木さん、どう見てもキス寸前にしか見えないし、いまだにユカリはそういう関係だと思い込んでいます。このドキドキ、恋バナとして昇華したくもなりますよ。

確実にキスにしか見えない。もっともこれ目薬だと分かっても、かなりドキドキな関係じゃね?(1巻P136)

 あまりの恋愛への餓え乾きに、彼女の中の妄想力はどんどん鍛えられる一方。そしてついに、友達であるミナとサナエをカップリングするという思考に走り始めます。なぜそっちに行った。

気持ちは分かった。だがまあ、ちょっと落ち着け(1巻P40)

 ミナは明るく優しく、家事もできて意外とマメ。家庭が明るくなりそう。サナエは体力があってひょんなところで気が利いて照れ屋。いじられるミナといじるサナエ、いつも仲良し。……うむ、夫婦じゃん。

 でもユカリちゃん、それはカプ厨なだけだぞ。恋愛云々というよりも、組み合わせそのものにときめいているだけだよ。落ち着きたまえ。

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 ユカリは恋バナしたいと散々言うものの、自分に好きな相手がいるわけでもなし。タイトル通り「恋に恋する」お年頃止まりです。

 この作品のキモは、3人組で恋バナをしたいと願い続けているところでしょう。彼女は他にも友人がいますし、なにより高木さんとはわりと話せる方。

 けれども彼女は「恋バナは一番仲良い友達としたい」と考えています。要は仲良し3人の会話の追加エッセンスとして、恋バナをしたい。最終目標は巡り巡って、3人で楽しく過ごしたい、というところに戻って来るように見えます。

友達と遊べる日々は、かけがえのないもの(秋・冬P170)

 あっという間に心が成長する、そのちょっと手前の時間。「あしたは土曜日」でミナは、サナエ・ユカリと別れる時、ずっと手を振って「またあした」と言い続けているらしい。この瞬間がすごく大事だって、友達といられることが貴重だって、うっすら気付いてるのかもしれない。

 中学一年生の友達は、大人になりかけの時を一緒に楽しめる、かけがえのない存在です。

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