ニュース

「ながらスマホで自転車」の危険性をKDDIが検証 歩行者の見落とし回数5割増の結果に

歩行者を注視する時間も23%まで減少するとのデータも。

advertisement

 KDDIが「ながらスマホ」をしながら自転車走行した場合の危険性を、実証実験で検証しました。ながらスマホ中は歩行者の見落とし回数が平均で2回と、通常時の1.3回から5割増しに。歩行者を認識するまでの時間も通常の1秒から1.7秒に遅れるという結果が出ています。

歩行者を注視する時間は23%にまで減少

 実験は愛知工科大学の小塚一宏名誉・特任教授が監修。UNN関西学生報道連盟(京都大学、同志社大学、立命館大学、京都女子大学ほか)の学生11人が被験者として参加し(有効データ数9件)、京都府庁で実施されました。

街頭を想定して特設コースを作成

 全長50メートル、幅7メートルのコースを設け、死角となりがちな駐車車両や駐輪場を配置。この上で4人の歩行者役が、自転車を「追い越す」「横切る」「すれ違う」という3つのシチュエーションを想定して動きます。被験者には視線計測装置を装着させ、適切な運転・ながらスマホ運転・ながらスマホ+イヤフォン装着運転の3通りで走行してもらいます。

advertisement
被験者は視線計測装置を装着して運転
歩行者は3パターンで動きます
コースを被験者の視点から。いかにも物陰から歩行者が出てきそうなシチュエーションです

 被験者の視線を示すカーソルを見ると、通常走行時とながらスマホ時では、安定感が段違い。前者の場合は視点が前方に置かれ、死角から現れる歩行者にもすぐ気付いているのに対し、後者ではカーソルの動きが手元のスマホに寄っています。歩行者が視界の端に入っても、視線が散漫に動いているように見えます。

結果が顕著に現れた被験者の、通常走行時(左)とながらスマホ時(右)の比較。後者は明らかに視線がスマホに寄っている
ながらスマホでは視線の動きが散漫となり、歩行者の見落としが多発

 被験者の目視行動を分析した結果、歩行者を注視する時間は通常時と比較して、ながらスマホ時は23%、ながらスマホ+イヤフォン装着時は22%にまで減少。歩行者の認識にかかった平均時間は、通常走行時で1秒に対し、ながらスマホ時は1.67秒、ながらスマホ+イヤフォン装着時は1.42秒と遅れが出ました。

注視時間の比較
認識にかかった時間の比較

 こうした目視の挙動が見られなかったケースを「見落とし」として集計したところ、その平均回数は通常時1.33回、ながらスマホ時2回、ながらスマホ+イヤフォン装着時は1.56回となりました。スマホ登場以前、携帯電話が普及したころから見られる事象ですが、あらためて「ながら運転」の危険性が明らかとなっています。

見落とし回数の比較

(沓澤真二)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

記事ランキング

  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. “プラスチックのスプーン”を切ってどんどんつなげていくと…… 完成した“まさかのもの”が「傑作」と200万再生【海外】
  3. “月収4桁万円の社長夫人”ママモデル、月々の住宅ローン支払額が「収入えぐ」と驚異的! “2億円豪邸”のルームツアーに驚きの声も「凄いしか言えない」
  4. 100均のファスナーに直接毛糸を編み入れたら…… 完成した“かわいすぎる便利アイテム”に「初心者でもできました!」「娘のために作ってみます」
  5. 「庶民的すぎる」「明日買おう」 大谷翔平の妻・真美子さんが客席で食べていた? 「のど飴」が話題に【大谷翔平激動の2024年 「お菓子」にも注目集まる】
  6. 「昔モテた」と言い張るパパ→信じていない娘だったが…… 当時の“驚きの姿”が2900万再生「おおっ!」「マジかよ」【海外】
  7. 「巨大なマジンガーZがお出迎え」 “5階建て15億円”のニコラスケイジの新居 “31歳年下の日本人妻”が世界初公開
  8. 鮮魚コーナーで半額だった「ウチワエビ」を水槽に入れてみた結果 → 想像を超える光景に反響「見たことない!」「すげえ」
  9. 家の壁に“ポケモン”を描きはじめて、半年後…… ついに完成した“愛あふれる作品”に「最高」と反響
  10. 「理解できない」 大谷翔平と真美子さんの“スキンシップ”に海外驚き 「文化は100%違う」「伝説だわ」