コラム
「流石」と書いて、なぜ「さすが」と読むのか?
実はあの文豪に関係していた。
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突然ですが問題です。この漢字【流石】は何と読むでしょう?
正解は「さすが」。正解できた方、さすがです(お約束)。
さてこの「流石」、いわゆる当て字の一種なのですが、「流れる石」と書いてなぜ「さすが」と読むのでしょう? 漢字の意味からは、まるで想像できませんよね。
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言い間違いから始まった
古代中国、晋の孫楚という人物が、友人に「石を枕にして、川の流れでうがいをするように、自然の中で暮らしたい」と言おうとしたところ、間違って「石でうがいをして、川の流れを枕にするように……」と言い間違えてしまいました。
それだけなら単なる言い間違いで、笑い話になるところですが、その友人にツッコまれた孫楚は負けず嫌い。なんとか言い訳をしようとします。
「石でうがいをするのは、歯を磨くためだ。川の流れを枕にするのは、耳を洗うためだ!」
この言い逃れを、その友人は「すばらしい機転だ、さすがだ」と思いました。
これは『晋書』にある逸話。原文では、「石を枕にして……」は「枕石漱流」「石でうがいをして……」は「漱石枕流」と書かれています。「漱」は「うがい」の意味です。ここから、「川の流れと石」、すなわち「流石」を「さすが」と読むようになった、というのが現在主流の説です。
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さすが夏目漱石?
ところで、「漱石枕流」という表現は「負け惜しみの強いこと」を意味する四字熟語にもなっています。
ここからペンネームを取ったのが、かの文豪・夏目漱石。本名は夏目金之助といいます。このペンネーム、実はもともと同級生の正岡子規のペンネームの1つで、それを譲ってもらったのだ、とされています。
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