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フランスの学生が制作した「ヒロアカ」ファンムービーが超作画 色彩、撮影まで一人で担当

コマ送りしたくなる。

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 フランスの学生が制作した「僕のヒーローアカデミア(以下、ヒロアカ)」のファンムービーがプロ級の作画ですごいと話題です。地上波で流れていたら慌てて録画して入念にコマ送りするレベル。

 同作は週刊少年ジャンプで連載されている人気作品で、現在放送中のアニメ版も含め国内外で高い人気を誇ります。話題の動画では「ヒロアカ」のキャラクター蛙吹梅雨とトガヒミコの激しい肉弾戦が、細かいカット割りで約17秒間描かれます(フルバージョンはTumblrで見られます)。

 一面、海のような足場を舞台に、ガチの組み手を繰り広げる2人。バストアップやロングショット、パンチや手元の武器へのクローズアップなどが目まぐるしく展開します。アクション中、キャラクターの表情が豊かなのも楽しいところです。

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表情豊か
コマ送りすると
パンチを避ける際にデフォルメされたコマを入れてスピード感を出しているのが分かる(画像はTumbrlより

 手掛けたのはフランスでアニメの専門学校に通うチャンサード・ヴィンセントさん。ミニブログのTumblrとTwitterに投稿した動画はたちまち注目を集めました。Tumblrに書かれた説明によると、「日本のキャラクターをもっと上手く描けるようになるよう練習中」とのこと。動画がすごすぎたのでメール取材を申し込んだところ、快く答えてくれました。


――アニメを描き始めて何年になりますか?

ヴィンセント:6年くらいだと思います。

――専門学校はいつごろ卒業見込みですか?

ヴィンセント:2019年の夏に卒業予定です。

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――作画に使用しているツールを教えてください。

ヴィンセント:従来の手描きアニメーションに近い表現が可能なTVPaintを使ってます。背景はPhotoshopで描いて、撮影にはAfter Effectsを使っています。

――空間もキャラもとても立体的でした。3DCGを駆使したカットもあるのでしょうか?

ヴィンセント:全て2Dで描いています。実は3Dはあまり好きではなくて、学校の宿題でもなければ3Dは使いません。

――「ヒロアカ」でお気に入りのキャラは?

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ヴィンセント:もちろん梅雨です。常闇と、オール・フォー・ワンも好きです。

――日本のアニメ会社やフランスのアニメ会社など、志望進路は?

ヴィンセント:日本のアニメ制作会社に挑戦する前に、フランスの会社で1~2年腕を磨きたいです。準備が整ったと感じたら、ぜひ日本で仕事をしてみたいです。

――仕事で参加してみたい特定のアニメやカートゥーンはありますか?

ヴィンセント:難しい質問ですね。描いてみたいアニメやキャラクターはたくさんありますが、描きたいものはどんどん増えてきているので「これさえ描ければ満足」ということはないかもしれません。でも強いて言えば、ガイナックス、トリガー、マッドハウス、ボンズの作品は「これに参加できたら死んでも良い」と思えるものが多いです。

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――お気に入りのアニメ作品を教えてください。

ヴィンセント:また難しい質問ですね……。どの作品にもそれぞれ良さがありますし、優劣がつけられないんですよね。映画を含めても良いのであれば今 敏監督の「パーフェクトブルー」か「東京ゴッドファーザーズ」。テレビアニメだと庵野秀明監督の「新世紀エヴァンゲリオン」と答えておくのが無難でしょうか。これらは単なる娯楽作品ではなく、メッセージを伝えるための手段としてアニメを駆使しているのが特徴だと思います。

 例えば「エヴァンゲリオン」は単にロボットバトルものとして見ても十分面白いわけですが、作中で真に語られているのは人生において自身の存在意義を見いだそうともがく人間の姿だと思っています。他にも多くのアニメがこのテーマに挑戦していますが、「エヴァンゲリオン」では説教臭くテーマを語らず、視聴者に直感的に伝えることに成功していると感じます。キャラクターに全て説明させるのではなく、最終話で文字や断片的なイメージでキャラクターの心情を伝える演出はその最たるものです。

――好きなアニメーターを教えてください。

ヴィンセント:その質問も難しいです……。全てのアニメーターに違ったスタイルがあり、比較してしまうのは個々のユニークな個性に申し訳ないです。

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 芝居という意味では橋本晋治さんの表現力と自由さに引かれますし、沖浦啓之さんのリアルで繊細な動きも魅力的です。アクションだと松本憲生さんの殺陣はすごいですね。中村豊さんのオリジナリティーあふれるアイデアもすごいです。中村さんの絵は動きもすごいんですが、動きへの着眼点が本当にすごいんです。大平晋也さんは最も革新的でユニークなアニメーターだと思います。


 簡単な質問メールだったにもかかわらず濃厚な返信が届き、ヴィンセントさんのアニメへの深い愛が伝わってきました。SNSでの投稿を見ると日本のアニメ風な絵柄以外にもいろいろな作風に挑戦していて、そちらでも才能を感じさせます。2019年の夏以降はプロとしての道を考えているヴィンセントさん、今後の活躍が楽しみです。

友人の卒業制作で手伝った際にヴィンセントさんが担当したカット

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