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風刺画「顧客が本当に必要だったもの」がアナログゲームに 顧客や営業の要求通りにカードを並べるカオスなブランコ作り

大事なのは成果物の完成度でなく、「やった感」。

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 2000年代中盤からネットで流布している風刺画「顧客が本当に必要だったもの」が、文芸サークル「反社会人サークル」によりアナログゲーム化されました。元ネタ通り、IT業界のシステム開発プロジェクトをブランコの設計に見立て、顧客や営業の発言に合わせてカードを並べるのですが……絶対カオスなブランコになるなコレ。

「顧客が本当に必要だったものゲーム」(画像提供:反社会人サークル

 元ネタは、1970年代アメリカで流行していた作者不詳の風刺画から派生したパロディとされる、IT業界への風刺。システムのビジョンについて顧客や開発者、営業の間でコンセンサスがとれないまま開発が進んだ結果、顧客の意に沿わないものができあがる様子を、10枚のイラストで段階的に描いています。

「顧客が本当に必要だったもの」(ニコニコ大百科)。最初に顧客が説明した要件と、本当に必要だったものにズレがあり、そもそも顧客が自身に必要なものを理解していなかった(または伝え切れていなかった)というオチ

 ゲーム版は2~4人で遊ぶことができ、1プレイ20分を想定。主に顧客の要望や営業が顧客に約束した仕様を表す「要件カード」や、それに応えてブランコを組み立てるための「成果物カード」から構成されています。

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パッケージ内容。「KICK OFFカード」は、場にカードを並べる起点となるもの(画像提供:反社会人サークル
要件カードの内容は顧客だけでなく営業の思惑もあって、開発は複雑化していく(画像提供:反社会人サークル

 プレイヤーは開発者として、自分の手番で山札から要件カードと成果物カードをドロー。そしてルールと要件カードに書かれた条件に沿うよう、場へ成果物カードを配置してブランコを作っていきます。こうして要件を達成すると、YTK(やった感)ポイントを獲得。一連の流れを山札がなくなるまでくり返し、最終的に一番多くのYTKを集めた人の勝利となります。つまり、勝敗を決めるのはブランコの完成度ではなく「やった感」。盤面がどれだけ複雑怪奇になろうとも関係ない。

参加プレイヤー全員が木や部品を1つの場に並べ、各々に課せられた要件の達成を目指すため、盤面はカオスになること必至。自分の成果物カードを隣接して置けた場合は、より多くのYTKが得られる(画像提供:反社会人サークル

 同作は5月5~6日開催のゲームマーケット2018春で頒布され(定価1800円、同イベント時1500円)、完売するほどの好評を得て現在は再販準備中。入手して遊んだ人からは、「顧客が本当に必要としたブランコはまず完成できないけれど、良い仕事をしたと言い張るのが楽しい」「業界で配って理解を広め、余計な仕事を減らしたい」といった感想がTwitterに寄せられています。

(沓澤真二)

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